elena

1979年生まれ、元公立中学校教職員、現ピアノ講師、家庭教師

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1979年生まれ、元公立中学校教職員、現ピアノ講師、家庭教師

最近の記事

【閉鎖病棟入院⑧〜それぞれの事情編】

同室の隣のベッドに、ギャルなみんちゃんが、保護室からお引っ越ししてきた。 みんちゃん(以下みんgal)とはすぐ仲良くなり、お互いのベッドを行ったり来たりした。 目の前の“どうしようおばあちゃん″は大人しく、私たちの様子を見ている。 みんgalは 『あたし女社長なの!ジェットも買ったばっかで、まだ一回も乗ってなくてさ…突然入院になったんだよー、悔しい!!』 相変わらずハイテンションだ。 『女社長?すごいじゃん?』  派手なアッシュグレーの髪色に、ド派手なネイル(ネイル

    • 【閉鎖病棟入院⑦〜面会&保護室の謎編】

      やっと熟睡できた…!! 入院生活に慣れてくると、あれだけ苦手だった早起きができるようになってきた。 朝6時半には目が覚め、昼寝もしないから夜ぐっすり眠れる…眠剤は必須だけれど。 今日は待ちに待った面会の日だ。 相方の休みは不規則なので、普通のサラリーマンのようには行かない。 サンダルとテレフォンカード、お菓子などを持ってきてもらう予定だ。 面会は11時半から対面で10分のみ。 昨晩5人のメンバーに聞くと、毎日身内の誰かが洗濯物を取りに来たり、何かと面会に来ている者が

      • 【閉鎖病棟入院⑥〜部屋移動&心地よい仲間編】

        願い叶って個室から4人部屋への移動となった。 4人部屋の住人は、小柄なおばあちゃんただひとり。 ガランとした4人部屋の窓側を選び、小さめのロッカーに荷物を入れていく。 これで今日からやっと寝れる… 昼食は他人丼風… デザートにヨーグルトが小さな皿に入っている。 他人丼風??まぁいいや… ヨーグルトを口に入れた瞬間、違和感を覚えた。 ヨーグルトなのにザラザラとした舌ざわりがする…変なの… とりあえず胃に全部流し込み、同室のおばあちゃんに声をかけ、おばあちゃんの食器も一緒

        • 【閉鎖病棟入院⑤〜眠れぬ夜から明けて編】

          私が書いている文章なんて、チラシの裏レベルだ。 noteが気持ちの“捌け口″になるなら…と主治医にも勧められ、書きたいように勝手に書いている。 精神病院に入院する直前、主治医からXを辞めるよう言われ、その通りにした。 またこれまでしがらみの中でもがいていた私は、これから先の人生で二度と関わることがないと判断した、特にピアノ界隈の人物のInstagramのアカウント、LINEも全てブロックした。 何だかモヤモヤする、見ていてソワソワしてくるそれらの投稿や関連性のものを一

        【閉鎖病棟入院⑧〜それぞれの事情編】

        • 【閉鎖病棟入院⑦〜面会&保護室の謎編】

        • 【閉鎖病棟入院⑥〜部屋移動&心地よい仲間編】

        • 【閉鎖病棟入院⑤〜眠れぬ夜から明けて編】

          【閉鎖病棟入院④〜新たな出会い&深夜の叫び声編】

          精神病院の閉鎖病棟にあるオシャレなテラス…学食の横にテラスがある…と言う表現がふさわしいかもしれない。 凛というハタチ過ぎの女のコの隣に浅く腰掛けた私は、内心動揺していた。 昨日入院したばかりで、入院患者とはオカモトさんくらいしかマトモに口をきいていない。 入院患者は多くいるが、自身の事で精一杯だった。 誰と何を話してよいか、話しかけて良いのかすら分からなかった。口を聞くのは看護師と主治医のみ。 ココは精神病院だ。話しかけられるのを嫌がる人もいるだろう。 『ようこそ

          【閉鎖病棟入院④〜新たな出会い&深夜の叫び声編】

          【閉鎖病棟入院③〜デジタルデトックス編】

          さて、20時半になると“夜のお薬タイム″がやってきた。 私の場合、入院期間中の薬はほとんど変わらず、不眠時の頓服があると聞いた。 22時が消灯なので20時半頃、眠剤などを飲む慣習らしい。私も看護師から薬を受け取り数種類の薬を飲んだ。 普段ならまだ仕事をしている時間帯だ。こんな時間に飲んでも眠れないだろ…と半分思いながら服用したわけだが、薬をきちんと飲み込むまで看護師がじっと見ている。 ほほう、これはあの映画と同じだ。 (17歳のカルテのこと) 薬を全て飲みきり、ヤクザ

          【閉鎖病棟入院③〜デジタルデトックス編】

          【閉鎖病棟入院②〜部屋の不思議と病棟探索編】

          入院初日の事は断片的にしか覚えていない。 それくらい錯乱状態だった。 閉鎖病棟の個室にぶちこまれたあと、 『コロナの検査結果を待つためです、入院初日は皆個室なのですよ、後で先生が診察に来られるからお部屋から出ないでね』 とベテラン看護師に言われ、そのまま1人ぼっちになった。 部屋を見渡す。 胃腸も子宮もキリキリ刺すような痛みを抱えながら、部屋の真ん中にポツンと置かれたシーツも枕カバーもかかってないシングルベッドに腰掛けた。パサパサのゴワついた毛布が一枚だけ。 2日前

          【閉鎖病棟入院②〜部屋の不思議と病棟探索編】

          【精神病院①〜閉鎖病棟入院への道のり】

          予定より10日ほど早く出所できた。 というと語弊があるかもしれないが、『出所』という言葉がふさわしいだろう。 人生で初めての精神科への入院は自分にとって驚く事の連続であり、主治医からnoteを書く許可をいただいたので、記憶がさめないうちに書きとめておきたい。 (何故精神科へ入院したかの経緯に至っては、過去記事【無理】を読んでいただけたら大体お分かりいただけるだろう。深い理由についてはここでは割愛させていただく。) これまでメンタルクリニック、心療内科、精神科という似た

          【精神病院①〜閉鎖病棟入院への道のり】

          【トコちゃん】

          白い丸襟のブラウスの上から赤いワンピースを着た5歳くらいの少女と、キツネ色をしたコリー犬が誰かを待っている。 日は暮れ、周りの子どもたちはお迎えが来て、ひとり、またひとりと居なくなる。 夜になってコリー犬がお腹を空かせていることに気づいた。 給食で出たパンの残りをポケットから取り出し、ぜんぶコリーの口の中に入れた。 コリーのお腹が空いていてかわいそうだから。 なんだか寒気がしてきた。 どうしていいか分からないから冷たいアスファルトの上にコリーと寝転がった。 その様

          【トコちゃん】

          【無理】

          頭が壊れ、心はバラバラに砕け散った。 noteも高校を卒業するところまで書くことができなくなってしまった。 Xが大炎上し、ODしまくるか包丁で自分を傷つけるか、過呼吸を起こすか、家の中で暴れるか、眠気がきて死んだように眠ることしかできない。 購入したCDも見てもらった楽譜も、サイン入りのショパンエチュードの楽譜も全て粉々に切り刻んだ。 相方もいい迷惑だ。いっその事思いきり喉を掻っ切って死ねたら楽なんだろう。 何も知らない親戚と友人に心から詫びた。  仕事はテスト期

          【無理】

          妖艶なクラスメイト

          夏休みに入る少し前、中学時代の女友達でもあり、ヤンキーからヤンギャル化していたアケミと久しぶりに会った。 アケミから開口一番『レナちゃんの高校にリサってヤツいる?』と聞かれた。 『リサもリナもリエも何人もいるけど誰よ?何かあったの?』 『いや、名字はわからないんだけど隣の中学出身のオンナ。ウチの彼氏の元カノ…』 アケミの彼氏を思い出す… あぁ!ショッピングモールでタバコをふかしていた…目つきの鋭いオシャレな髪型のね…隣の中学の超有名なヤンキーの彼氏か… アケミの話を

          妖艶なクラスメイト

          一教科全ベット時代

          高3でのクラス替えで、またC組になった。 周りを見渡す。 よく考えたら1年生の頃からずっとC組だったのは、稲中仲間で野球部の山本くんと私2人だけだ。 おかしいな…何で私と山本くんだけずっとC組なんだろう…? (おそらく…最下位コンビだから⁈) 担任は“おぐちゃん”から“ミスター佐々木”という、30代で一風変わった、チャラくていい加減と評判だった英語教諭に変わった。 ミスター佐々木をひと言で例えるなら、ビートルズのリンゴスターのような風貌である。 当時では珍しい“生徒と

          一教科全ベット時代

          【はての浜〜エメラルドグリーンの癒やし】

          南西諸島の久米島に来て2日目まで、自立神経の微熱と寒気が続き眠れなかったのが、普段飲んでいた薬の量だけで、昼も夕方も夜中もぐっすり眠れるようになった。 驚いた事に、あれだけ便秘で苦しんでいたのにお通じが快調! 南西諸島を訪れると、私は自律神経がバッチリ整うようになるらしい。 相方と叔母と博士と4人揃って沖縄に来るのは初めて。世界一リラックスできるメンバー。 当初行きたかったホテルが取れず、空港からすぐのホテルにしたのだが、これが正解だった。 サンセットビーチとして有名な

          【はての浜〜エメラルドグリーンの癒やし】

          ボーカルと評定

          バレンタインも終わり、3学期とは早いもので音楽の授業の“創作活動の発表の時間″が2学期同様行なわれた。 今回はジュディマリの『クラシック』を友美がドラム、しおりんがエレキギターパートをシンセサイザー、ベースをみっきー、人数は2人減ったが本来のジュディマリの構成に近い。  練習時間は短かったが、2学期の『そばかす』に比べるとバンド部分も易しく、ボーカルの私を除けば何とか仕上がっていた。 吹奏楽部を強制退部になった私たちは大型のアンプから1番小さいアンプに変えるよう元顧問教

          ボーカルと評定

          【爆発〜やさしくなりたいが無理な時もある】

          やっぱり無理だった。 人間というものは浄化されるのに時間がかかる。 とある事がきっかけで3月末の記憶がフラッシュバックした。 (過去記事:ストレスとデトックス参照) SNSなんて嫌やら見なければいいのに、嫌でも目に入ってくる。それを見てしまう自分にも嫌気がさした。 せっかく新しい薬になったのに、4日前から今度は数時間しか眠れなくなってしまっていた。 辛くて涙が止まらなくなって、昨日の朝クリニックに駆け込んだ。 きっと今の私は狂気じみている。 昨日休みだったので、夕方

          【爆発〜やさしくなりたいが無理な時もある】

          【薬の服用〜わかるしんどさ】

          noteを書くのに初めて3日も空いた。 前回の記事に書いた通り、薬の中身がガラッと変わった。 AD/HDによく効くという薬を朝と夕に2錠ずつ飲むようになってまだ3日しか経ってない。 3日しか経っていないのに、早くも変化を感じた。 生まれて初めて時間がゆっくり流れた。 (いつもは何もかも忘れてゆっくり時間をとるために、年に1回5日間休んで沖縄・南西諸島を旅行していた) 言葉でうまく説明できないのがもどかしいのだが、例えるなら“頭の中がシーンと静まりかえった″ような感じ。

          【薬の服用〜わかるしんどさ】