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CIID Week2: Intro to Interaction Design

CIIDのWeek2は”Intro to Interaction Design”を行います。いきなりIxDの本質に触れることになるわけですが、これがまたタフなプロジェクトワークになりました。実際のプロセス別にポイントをまとめてみましたので、CIIIDのカリキュラムの参考にしていただければと思います。

今回のプロジェクトメンバーは外資系投資銀行の株式セールス、中国の起業家となりました。全員が強い意思を持っていたため、なかなか意思決定ができず困難を極めましたが、最終的にはIxDの本質を全員で理解できたと考えています。

また自分の備忘録として記載している意図もあるので、読者からすると分かりにくい部分もあると思いますが、ご容赦ください。

Day1: Define Problem Statement

Step1: Introduce Project Outline

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2週目のプロジェクトワークのテーマは「人の生活と自然の間に意義のある関係性を作り出すインタラクティブなプロダクトを創出する」ことです。何となく意味は分かるのですが、チームメンバ間で上記に対する理解が異なることは明白なので、まずは理解を揃えるためのIdeationを行いました。

Step2: Brainstorming to Understand Project Outline

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まずは「このプロジェクトについて何を思い浮かべるか」をそれぞれで洗い出すことにしました。思い浮かべるアイディアの中に、「個人が強い思いを抱く対象」が存在するはずだからです。ここではデスクトップリサーチなどの客観的な情報に頼らずに、それぞれの思いを深ぼるための相互インタビューをチームメンバ間で行いました。

以前の記事でも述べたのですが、デザインのプロジェクトでは客観的に考えるよりも、主観的に問題を捉えた方が上手く行くと思います。もちろん一人よがりにならないために、リサーチは非常に重要ですが、何より「何をしたいのか・表現したいのか」が重要なはずです。

Step3: Unpack Motivation Behind the Ideas

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相互インタビューの結果、全員に共通していた概念が、「自然に囲まれていると日常のつまらないことを忘れて新たなことにチャレンジしたくなるよね!」ということでした。現在CIIDの学生は全員ジャングルで過ごしているのですが、その中で仕事や授業だけでなく、野鳥撮影や星空撮影、ハイキングといった新たなことに挑戦できているといった感情は、多くの学生が感じているようでした。自分たちはこれをArtifactにできないかと考えるようになりました。

Step4: Define Problem Statement

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次にプロジェクト自体を自分事化するために、Problem Statement(解決したい問題)を作ります。ここで重要なのはいかに作り出した状況を自分たちで問題と捉えられるかです。デザインプロジェクトの最初の難関と認識していますが、良いデザイナーは本気でこのProblem Statementを問題と捉えて何かをデザインしているはずです。

議論の結果、自分たちが注目している問題は、都市生活をしている高所得層の若者に多いだろうとし、”How might we inject the variability of nature in the routine of yuppies, that allows them to focus on their immediate physical surroundings?”をProblem Statementとしました。

これに合意形成するだけで、3時間近くを要したことは印象的で、チームメンバそれぞれの意思の強さを感じました。

Day2: Artifact Ideation based on Framework

Step5: Introduce Ideation Framework

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Interaction DesignのIdeation Frameworkは少し異色です。詳細の説明は省きますが、Interaction Designの本質である「人がArtifactに気づき(Know)、人に何らかのActionを促し(Do)、その結果として人が何かを感じる(Feel)」というFeedback Loopを回すために、Metaphorを考えます。そしてその特徴(Model)を抜き出し、それをArtifactの考案に活かします。

Metaphorはアイディアポケットのようなもので、他の項目と異なり、いくつも考えておくべきものでもあります。行き詰まり再びIdeationする際に、対応できるようにするためです。僕らはこの部分の理解とアイディア出しに戸惑い、非常に多くの時間を割くことになりました。

実際にMetaphorの意義を実例を用いて、解説してみます。
■ Interaction Design例: Piano Stairs

これはスウェーデンのストックホルムにある駅で行われた有名なプロジェクトで、「どうやったら駅の利用者はエスカレーターではなく階段をもっと使うようになるだろうか」という問いに対するソリューションです。実際に普段より66%も多くの人がエスカレーターではなく階段を利用するようになったという結果が出ています。

Interaction Designとして取り扱うと…とてもシンプルです。

- Know: ピアノ階段の存在に気づく(ピアノから音が鳴りそうと気づく)
- Do: 実際に階段を登ってみて鍵盤から音が出る
- Feel: 音を出すことに楽しみや新鮮さを感じる (その結果階段を使う)

ここで使われているMetaphorは、言わずもがなピアノなのですが、「鍵盤を押すと音が出る」「音によって人が楽しみを感じる」というピアノが持つ本来の性質(Model)を上手く利用していると考えられます。このようにMetaphorを考えるということは、人が「あっ面白いな」と思うようなアイディアを作り出す大切な一歩なのです。

Step6: Brainstorming for Metaphor and Attribute

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プロジェクトの話に戻りますが、上記写真のように幾つものMetaphorとModelをブレストした結果、僕らは”Elevator”をチームとしてのMetaphorとしました。皆さんは、”Elevator”と聞いて何を思い浮かべるでしょうか。その「何を思い浮かべたか」がModelになるのですが、僕らの場合は、以下のようなイメージを抱いていました。これらをArtifactと人間のInteractionに使います。

【Metaphor: エレベーターの性質(Model)】
- Reveal:
ドアが開いた時に何か新しいものに出会う感覚
- Anxiety: エレベーターという密室に閉じ込められているという不安
- Disorientation: 今どこにいるかわからないという感覚
- Capsule: 人間が箱物に入ることで何かが起こる
- Pin Sound: ドアが開く際の音で何かに気づく

Step7: Ideation for Artifacts

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上記を参考にして自分たちが考えたInteractionは以下の通りです。”Capsule”というModelから日常生活で電話ボックスに入った際にInteractionを起こすArtifactを創ることにしています。Artifactというよりも、場をデザインしているため、Installationの要素が大きいです。

- Know: 人が何気なく日常生活している中で、電話ボックスの中にある電話が勝手に鳴っていることに気づき、電話ボックスに入る
- Do: 電話ボックスに入って電話を取ると、突如暗闇になり混乱する。そんな暗闇の中ドアノブが光る。人はそのドアノブを手に取る
- Feel: ドアノブを回すと電話ボックス自体が突如回転し、不安を覚える一方で、ドアノブは一定数回さないとドアが開かない。ドアが開いた時には、不安からの解放により、日常生活の景色を新鮮に感じられるようになる

Day3-4: Prototyping&Test

Step8: Prototyping&Test

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次に実際にArtifactを作成する段階に入るのですが、プロトタイプを創ること自体はそこまで時間はかかりません。重要なのは、実際に演じてみてどこに問題が生じるか検証し、短時間でそれを修正することです。そしてまたテスト…という流れを繰り返します。プロトタイプはもはや紙やプラスチックなど、周辺で手に入るもので作成し、見た目や細かい機能は徐々に仕上げていきます。

Interaction Designのプロトタイプ段階で重要だなと感じたことは、以下のことです。

- 人間と長期的な関係を築けるか: 人間と関係を築くだけなのであれば、そこまで難しくないと思うのですが、「何度も自然に使わせることができるか」を考えると、Artifact自体を大きく変えざるを得ないことがあると思います。
- 人が本当に動くか: 「こうしたら人間は動くだろう」という前提のもとにInteractionを考えるので、必然的にその前提を疑うことが重要になります。
- 人に本当に何かを感じるか: 上記の結果、何かを人間は感じて行動を変える必要があるわけですが、Artifactと関わった結果、どんな感情を抱くかは何度も検証する余地があると思います。

簡単にですが、今回のArtifactの外観をMovieで表現したものがこちらです。

Day5: Presentation

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これは自分たちのプロジェクトではないのですが、他チームのプレゼン方法が非常に興味深かったので共有します。自分たちは、PPTとVideoといういかにも普通な方法でプレゼンしたのですが、下記の写真の通り、いくつかのチームではプレゼン方法自体にもデザイナーとしての意志を感じました。

町田

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