幼稚なアニメ顔の未来人~H・G ウェルズ『タイムマシン』
7月16日(日)
H.Gウェルズの『タイムマシン』を再び読む。
印象に残るのはタイムトラベラーが未来人と遭遇したときの描写。
外見は病んでる人の腫れぼったい赤ら顔で美形でひ弱。
ヒゲもなくツルツルの肌。あごはちいさく、目は大きい。
これって漫画、アニメに登場するタイプの外見とも、大人になりきれないアダルトチルドレンともとれる。
ここを読むたびに今現在の自分に対して危うさを感じる。
今現在もこの日本においては無風状態で平安であろう。
これはブラックバスのいない在来種のみ生息する沼か湖のようである。
そんなところへ一匹のブラックバスが来た瞬間に全滅は免れ得ない。
『サピエンス全史』で説明されているように、人類はマンモスなど大型動物や他の類人猿を絶滅させながら拡大した外来種である。
それが、ブラックバスに食われる一方の在来種へ退行すれば、その未来はけっして明るくない。
ビジュアルにするなら、映画『デモリションマン』の舞台となるディストピア世界だろう。
生殖もせずにおとなしく、ナヨナヨして弱弱しい未来人。
これらはハイタッチもしても手を触れることもない徹底した衛生観念。
食生活はビーガンのお手本のような肉なし、脂肪分なし、アルコール、ニコチン、カフェインなし。刺激物のスパイスもなし。
…これって罰ゲームですか?な社会だ。
ここから話を進めて社会への問題提起を行い。約200ページほどかけば新書本にできるだろう。
しかし、わたしは「自分はどうしたい?」を重要視するので、「世界はこうあるべき」とは言わない。
あなたはどうしたい?
7/17追記
書き忘れたので追記する。
ここでは『タイムマシン』登場する未来人のうち、支配階級の成れの果て、イーロイ人だけを取り上げた。
次回はもう一方の未来人モーロックを取り上げながら読書感想を述べたい。
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