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Creating Shared Value 2023

CSVが本質的に企業の経営戦略に
織り込まれてきているように思います。

私がCSV:Creating Shared Valueという言葉を知ったのは2015年。当時は広告コミュニケーションや広告クリエイティブに関連するのかどうかもよくわからないまま、企業が社会価値を創出しながら収益を上げていくという、一石二鳥的な考え方が痛快だなと思って、ただそこに興味があった、といった感じで、情報を集めていました。そして名和先生のイベントを知り、参加して、「CSV経営戦略」という本を読み、どんどん興味が深まっていき、2016年・2017年と、先生が主宰するCSVフォーラムに参加しました。日本で有数の大企業の経営層が集まる中に、いろいろ未熟で、全然畑違いな広告クリエイターという不相応な私が、紛れ込んじゃった、そんな感じで参加しました。そのころはまだ、CSRとCSVの違いはなんなんだ、みたいな議論や、いやいや何においても収益が優先されるべきであろう、社会価値なんて二の次だ、みたいな話が強かったように思います。逆にCSV事業部が設立されて、しかし実態は何をしたらいいのか悩んでいる企業もあったりと、試行錯誤しているような時だったのではないかと思います。

2015年から8年。サステナビリティが求められるようになって、今ではCSVが本質的に企業の経営戦略に織り込まれてきているように思います。近年、CSVが本質的に企業に活用されている理由には、次のようなものがあると思います。

  1. 消費者や投資家の関心の増加:消費者や投資家は、企業が社会的責任を果たしているかどうかに興味を持ち始めており、CSVを実践する企業は、より高い評判を得ることがでる。

  2. 環境や社会の課題の深刻化:環境問題や社会的不平等の問題が深刻化しており、企業はこれらの問題を解決するために取り組む必要がある。

  3. 経済的メリット:企業が社会的課題を解決するために取り組むことで、長期的な収益を上げることができる。それが当たり前になってきた。

  4. 政府やNPOの取り組み:政府やNPOから企業が社会的責任を果たすよう求めるようになっている。

  5. 企業にとっても、社会にとってもwin-winの関係になり、社会的な評判が高まる。

いずれにせよ環境の変化で、本質的に取り組んでいかないと厳しい時代にいよいよなってきているのだと思います。

CSV戦略の立案

近年企業はCSRレポートから財務情報と非財務情報をつなげた統合レポートを発表することがほぼほぼ常識となりました。CSV戦略を立案するために自社の収益と社会課題の解決を紐づけて考えるようになりました。

  1. 社会的課題の調査:企業が取り組むべき社会的課題を明確にするために、地域社会や業界における課題を調査。

  2. ビジネスとの関連性の分析: 調査した社会的課題が、企業のビジネスにどのように関連しているかを分析。

  3. CSV戦略の立案:課題との関連性を踏まえ、企業が社会的課題を解決するために取り組むべき戦略を立案。

  4. 実行計画の作成:CSV戦略を実行するために必要な手順やリソースを計画。

  5. 実行:CSV戦略を実行し、その結果を評価。

  6. 改善:実行結果を踏まえ、戦略を改善し、継続的に社会的課題を解決することを目指す。

コーポレートブランディングという観点においては、Purposeの制定が、これもまた常識化してきているように思います。ミッション、ビジョン、バリューズは組織や企業が達成しようとする目標や価値観を表した言葉であり、組織や企業がどのような目的を持っているのかを明確にするために使用され、Purposeは組織や企業が存在意義や使命を持っていることを表し、それがどのような意味を持つのかを明確にするために使用されます。そしてPurposeは、組織や企業が成功を収めるだけでなく、社会や地球上の人々にとっても貢献することを目的としていることを示し、組織や企業が持つ倫理的な責任や社会的役割を明確にするために使用されます。この考え方を明確化する企業が、CSVが本質化していくにつれ、増えてきていると思います。

顧客課題解決の先に社会課題解決がある。

顧客の課題に応え続けることが、必ずしも社会の課題を解決することにつながるとは言えませんが、しかし近年の環境の変化を見ると、関連性が高まってきているように思います。顧客が環境に配慮した製品を求めるようになった場合、企業はそれに応えることで環境問題を解決することができるビジネスチャンスを見つけることができる。そんなふうに顧客のニーズに応えることで、新しいビジネスチャンスを見つけることができ、それを通じて社会的課題を解決することができる。つまりより本業に集中できるようになったとも言えるのではないかと感じています。

私としては企業のCSVを推進することを手伝って
私自身のCSVも叶えていきたい。

私はクリエイティブコンサルなどサービスを提供することで、その企業のCSV戦略を実現させ、そうすることで小さい会社ながらも、大きな社会価値を生み出したいと考えています。顧客のブランディングやマーケティング戦略を支援することで収益を上げながら、地域社会や社会全体の課題を解決することができるのではないかと。

そういう思いからも、2023年、もう一度CSVを見直し考えてみたいと思っています。

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