【感嘆詩】コドモとオトナの境界線
僕は生まれた
ハイハイを始めた、初めての一歩を踏み出した
僕の手を引いてくれたのは
お父さんだった、お母さんだった
言葉を話すようになった
僕がやる事なす事、なんでも褒めてくれたのは
おじいちゃんだった、おばあちゃんだった
自転車に乗れるようになった
後ろを支えてくれたのは
お兄ちゃんだった、お姉ちゃんだった
勉強を始めた、部活を始めた
教えてくれたのは
先生だった、友達だった
仕事を始めた
指導してくれたのは
先輩だった、上司だった
気がついたら、いつの間にか
僕の手を引いてくれる人は、誰もいなくなった
僕は、立ち止まった
知らない間に、大人と呼ばれる存在になっていた
もう誰も僕の手をひいてはくれない、与えてくれない
僕は、途方に暮れた
しばらくして、僕の後ろに子供が立っていた
あの頃の僕に似ていた
何にも知らない綺麗な目だ
僕はこの子の手を引いて歩き出した
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