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8/31~9/1 東京

9/1 東京

8/31から東京に行ってきた。
ライブのために上京したのだけれど、それ以外の時間、一日ずつ別々の友達と遊ぶ予定を入れた。

一日目は、私の好きな画家の shoko* さんの個展を見た。

生で見る原画は、蜂蜜のようで、ぱちぱち弾ける星を浮かべたサイダーみたいでもあった。

絵は販売もしていて、小さな欠片のサイズが2000円くらいで売っていたので迷って迷って一枚買った。
絵を買ったのは初めてだったので緊張する。

ギャラリーの方が、原画が、くしゃっとならないように段ボールではさんだあと、透明の袋に入れてくれた。

やさ。

絵の裏にはタイトルが書いてある。
私へのメッセージみたいだった。

カプセルホテルに生まれて初めて泊まる。

私の名前が無造作に扉の前に貼られていて不安になる。

名前の下の番号をドアについている機械に入力しろと書いてあった。

が、セキュリティがばすぎんか。

しかも、私が予約したベッドには既に誰かがいて、管理会社に電話したら、別の空いているベッドにかえると言われた。

もやもやもやもやーず。

他のひとが気になったのと、目覚ましアラームをかけれないのとで寝れず朝を迎えた。
それにしてもみんな無音だった。

こわい。

ほとんどが外国の方だった。

二日目は、別の友達に上野を案内してもらう。

何故かこの友達は私を慕ってくれていて、こんな私は友達の「推し」らしい。

これは高校生の時からずっと言ってくれていて、私からしたら何故私のようなドブクズ人間に光を見いだしてくれているんだ……? とずっとずっと謎だ。

「今日は推し活しにきました」

という彼女は、すぐ私に課金(たとえばカフェで会計を全額払おうとするなど)しようとしてきて、それを私は何とか阻止しようとして……の繰り返しだった。

最初はアメ横! につれていってもらい、YouTubeでしか見たことがなかった景色にじーんとする。

道の両側に、いちごあめやさんやサンダルやさん、パンツやさん、魚やさん、北京ダックを店先に山積みにしてある何やさんだかわからない店。
とにかく色々ぎゅっとなっていた。

目の前ですぐオレンジを絞ってくれるオレンジジュースの自販機を見つけて、二人でやってみる。

上のほうが透明になっていて、そこにオレンジがごろごろ入っていて、生感がありやや興奮する。

ジュースは、少しつぶつぶが入っていて、海外の酸っぱくてキレのあるお味だった。

そのあとはカフェでお抹茶をいただき、高校のみんなの今を教えてもらった。大体結婚していて子どもがいるらしい。

子ども。
おそろしい。
なんでみんなこわくないの?
産んで愛せなかったら?
そもそも自分の遺伝子が入るのがいやじゃない?
産んでから、やっぱり違うなとか無理だなって、就活みたいに思ってもリセットボタンはないのに。

そのあとは上野で昼呑み。

卵焼きが絶対ここでは焼いていないであろう「作られた味」で甘くて口のなかでぽろぽろになる、それはそれで美味しいのだった。

雨が降ったりやんだりで、私たちはパシャッ、パシャッと街を跳ねていった。

かたいプリンを出してくれる喫茶店と、一杯1500円のコーヒーがある喫茶店をはしごした。

プリンは長方形のかたちをしていて、上に生クリームがふんわりのっている。
見た目のかたさ(長方形のプリン)とゆるさ(ふんわり生クリーム)が真逆で面白いなと思った。

卵の味がしっかりして、弾力があり、カラメルはほろ苦くて美味しかった。

梅ソーダは、しょっぱい梅で、おしゃれなカフェだから、さわやかなすっきりした梅の味だと身構えていたら、しっかり梅で、笑ってしまった。

最後に行ったのは、珈琲処ボナールというところで、店員さんがみんなシックな制服を着ていた。
お店も落ち着いていて、いい雰囲気だった。

1500円のコーヒーは、カフェロワイヤルという名前で、コーヒーの上にスプーンがあり、その上でブランデーを染み込ませた角砂糖を燃やして、火が消えたら角砂糖をコーヒーに落として飲むというもの。

私たちの席にカフェロワイヤルが届いた時には火が消えてしまっていて、私の人生みたいだなと思った。

お味は、ブランデーの香りがすっと鼻を抜けて不思議な感じだった。

でも今回はじめて、東京に住めるかもしれないと思った。

体型や年齢に関係なく、みんな好きな服を着ていた。

改札前で、女性同士でキスをしているのを見た。

雨が降って道路が濡れているのを利用してスライディングしながら店の呼び込みをしてきた男の子がいた。

なんだ、わりとみんな好き勝手に生きてるじゃん。

東京の空の狭さと山形の狭さ、苦しさ。

でも線路も空もつながっている。

私が思っていたよりも、場所なんかどうでもいいのかもしれない。

きっと、大事なのは自分がどうあるかだ。

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