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映画『シェイプ・オブ・ウォーター』

■はじめに

60年代、ソ連との冷戦時代のアメリカで、政府の極秘研究機関の清掃員として働く女性と不思議な生き物の間に芽生えた愛を描くドラマ。

*製作などの補足(個人調べ)
・2017年、アメリカ製作
・第90回アカデミー賞では作品賞の受賞を含め、ノミネートも演者側・製作側と多岐に渡り、授賞式を総なめに
・監督・脚本のギレルモ・デル・トロ監督は「本作は自分の作品の中で一番の僕のお気に入りなんだ」と語り、完成後もプロモーションに没入しすぎて、『パシフィック・リム』の続編の監督を断るほど

(以上、参考:映画.com『シェイプ・オブ・ウォーター』特集

■感想

昔からグロテスクなシーンが苦手で
"映画好き"を自称する以上は目を背けないように、と
一生懸命馴らしてきたつもりなのだが
正直なところ今回は結構怯んだ。
グロさも、ホラー的な悍ましさも、ぶっちゃけやっぱ不得意だ。『パンズ〜』はいけたのだが。。
思考停止になってしまい、作品理解に向けて頭が回転しない。

そんなわけでクレバーな先人たちのレビューを読み漁りながら、感想を整理。
一番しっくりきたのは、最近お気に入りのレビュアー、小野寺さんの文章(後述)。

もう今から書くことなんて、どう整理しても
この方の受け売りでしかなくなりそうなので
(なんせベース、思考が止まっているので)
是非そちら読んでいただけましたら。。

一つ言えることとしては、
本作も前回投稿した『チョコレートドーナツ』と同様、
マイノリティについて描いてた作品だということ。
同じメッセージをベースにしながらも、
時代背景、主要人物のバックグラウンド、怪物、適役、細かな1シーンなど
ギレルモ・デル・トロ監督の緻密で細かい設計が汲み込まれていることが、
他作品との明確な差異であり、
本作がオスカー最優秀賞作品である所以だと思う。

そういった点に着目しながらもう一度落ち着いて見ることができれば
彼のマイノリティに対するメッセージを深く受け止められるのだと思う。

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主人公のイライザと"彼"
(サリー・ホーキンス、ダグ・ジョーンズ)

自分は…だいぶ怯んだ‥が!
水の中の世界観、ナチュラルな映像グラフィック、緑〜青の中間で統一されたトーン、ランデヴーシーン、全てが美しかった。

最後に、小野寺さんの素敵な言葉を引用させていただき終わります。
私は本作を見て、この言葉で咀嚼できて、
水に対して新しい価値観を得られました。

「『シェイプ・オブ・ウォーター』とは、「水の形」という意味だ。本来、水には形というものがない。水は、器の形によってどのようなものにも順応して変化することができる。それは本来、生物や人種、性別の多様的な価値観に対応することができる“普遍的な愛”の象徴となっている。“愛”は、社会の決まり事よりも根源的で柔軟な概念なのだと、本作は語っている。」
参考:小野寺系「『シェイプ・オブ・ウォーター』は、なぜアカデミー賞作品賞を受賞したのか?」

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