惚れたのは、内面だった。ーホキ美術館-
ぎょっとした。
1階の片持ち部分がこちらに突き出す、有名な画。
建築ファンの目を喜ばせてきたその外観に、私はちょっと引いていた。
各層がゆるい曲線を描いて伸び行くすがたは、失礼ながらうどんに見えなくもない。
雑誌で誇らしげに紹介されていたスリット窓にも、カーテンがかかっている。
どうしてこんなもの作ったんだろう。使いづらくないのかな。
芸術に疎い私には、純粋に疑問だった。
外観は分かったし、もう帰ろうかな。
結局中に入ったのは、ここまで来るのにかかった手間が勿体なかったため