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超優秀な同期の秘密を探ってみた。

研究室の同期に、超優秀なやつがいる。
バイトもしっかりこなしつつ、研究もしっかりやるし、
大学院入試の成績も同期内のトップだった。
何より、とにかく仕事が早い。
来年の3月に提出するはずの修士論文を、8月の時点で6割方書き終えていたのだ。やってられっかよ。

場を仕切るのも上手くて、リーダーシップも取れる。本人がやる気になることが少ないので、リーダー姿はなかなか拝めないけど。
人と喋るのも嫌いではなくて、決してズレたことは言わないし、皆から尊敬されているので飲み会でも歓迎される。
外見もシュッとしている感じ。
後輩たちから「〇〇さんかっけえ…!」と憧れの眼差しを向けられる、一目置かれた存在だ。

さて、研究室配属から3年近く経ったものの
私は未だに、彼はサイボーグではないかと疑っている。
メンタルが振れているのも見たことがないし、
大失敗をしているところも見たことがない。
作業中に話しかけてもハイスピードで手を動かしながら答えてくれる。
さらりと内定も勝ち取って、将来は出世間違いなしの素質。
いや、チートすぎん?

ということで、彼が私の作業を手伝ってくれている間に質問攻めにしてみた。彼の秘訣を暴ければ、私もサイボーグ的仕事人になれるかもしれない。

Q.どんな子どもでしたか?
A.いや、普通の子どもやったけど?笑
でも、割と何でも一生懸命やる子どもではあったかな〜

Q.どうして仕事が速いんですか?
A.決まった内容を、いかに効率よくやるか考えるのが好きなんよな。あと、効率を上げたおかげでできた休憩時間にゆっくりするのが超好き。

Q.修論、めっちゃ速くないすか?
A.ざっくり作業を進めるのは好きだし速いんよな。逆にじっくり考えたり、完璧な状態に仕上げたりするのが苦手だから、これから時間かかると思う。

Q.人からの評価でメンタルが振れることはありますか?
A.そういえばないな〜。なんか、特に、人からこう思われたいみたいなこだわりがないかも。優秀に思われたいとかもないな。

Q.うちの大学は割と名の通った大学ですが、どういう理由で志望したんですか?
A.なんか、高校の先生に唆されてさ。特にこだわりなかったから言われた通りに受験した。

Q.どこ高出身でしたっけ?
A.いや、ただの近所の高校やから知らんと思う。高校自体も行かんで就職しよかなって思ってたけど、親に高校は出とけって言われて、チャリで通える学校選んだ。

Q.え、ダントツ賢かったんじゃないですか?
A.そうよ〜。校内模試で偏差値90とか出てた。笑

Q. 逆に、ここは自分がこだわって選んだ!みたいな人生の選択肢はありますか?
A.大学入ってからは、全部自分で選んでるな。バイトとか研究室とか。

Q.人から優秀に思われたい!という欲がないのに、どうして何でも一生懸命頑張れるんですか?すごくないすか?
A.そういえば、何でだろ…?

ということで、サイボーグ的優秀人材の秘密は、本人にも分からないところがあるようだ。
でも、今回の質問攻めインタビューから学んだことが2点ある。

まず、「人から良く思われたい」という欲を消すことは、仕事のパフォーマンスをかなり向上させそうだ。
私は教授や上司からの評価に怯えるあまり、酷評される妄想で勝手に落ち込み、作業の手が止まってしまうことが多々ある。
執着がなくなった瞬間結果が出るというのは、仕事以外でも実感する現象だ。でもある程度の努力を積んだあとでないと、「執着なく打ち込んでいる状態」というより「気の緩んだ状態」になってしまう。
自然と執着を消しても良い状態になるくらい、今を頑張りたいな〜!と思った。

それから、「得意不得意は人それぞれ」は優秀な人にも通ずるんだなと感じた。完全無欠に見えていた彼だけれど、熟考や想像が必要な課題が苦手らしい(国語とか)。それから課題を完璧な状態に仕上げるのも苦手だと言っていた。
私は彼の挙げたものに苦手意識はなく、むしろ悦びすら感じる。
無論彼の得意分野の方が一般的な仕事の役に立ちやすいし、それを磨いてきた彼の努力は賞賛されるべきだ。
けれど、自分が当たり前にできていることが、実は自分の尊敬する人の苦手なことだったりする場合は意外と多いのかなと思った。お互い、違う属性同士で尊敬し合っていることもあるのかもしれない。

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