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【ネタバレ含む】ウ・ヨンウ弁護士は天才肌🐋 評価リビュー記事翻訳+韓国語TIPS


今日は、韓国で大人気!日本でも韓国ドラマファンの皆さんの間で既に話題になっている「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」について書かれた記事を翻訳したいと思います🐳

こちらのドラマは、Netflixでほぼリアルタイムで日本でも視聴が可能です!

韓国でも今放送中なので、世界中で同時にワクワクできるのも楽しいですね^^ こちらは、このドラマの伝えたいことについて書かれた記事です。

記事本文

【TVリビュー】ENA 水・木ドラマ
「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」


ENA 水・木ドラマ 「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」で、主人公のウ・ヨンウは『クジラ』が好きだ。 彼女がスラスラと語る世界のクジラたち、なぜクジラだったのか? 巨大な体を持ったクジラ、少しでも関心を持ったことのある人なら分かると思うが、クジラは「哺乳類」だ。 クジラと一緒に「海」に住む他の生物のように「魚」に分類されるわけではない。

4話に登場した黄海(韓国では西海)に生息する「スナメリ」についてのドキュメンタリーを見たことがある。 肺呼吸をするスナメリ、魚を獲るための網にかかったスナメリは「呼吸」を自由にできなくなり、結局「窒息死」してしまうと言う話は、「海」に生きる「クジラ」の宿命を思い浮かべさせる。 魚たちと一緒に生きていかなければいけない哺乳類。 海に生きているけれど、息をするために巨大な体で水を噴き出しながら水面に上がる「クジラ」は、「平凡」と言うものさしで測られる世界の中に生きていかなくてはいけない、「自閉スペクトラム」を持っている方たちの姿を象徴しているのではないだろうか?

ウ・ヨンウが説明するように、初めて自閉スペクトラムを「発見」した人は、オーストリアのハンス・アスペルガーだ。 私たちが知っている「アスペルガー症候群」は、この人の名前から付けられたものだ。 内向的な性格で、引きこもりがちだったハンスは、障がい者と精神疾患者たちが「ナチス」によって命を落としている状況から、自分の患者たちを助けようと、「自閉スペクトラム」のカテゴリーの一つとして、「アスペルガー症候群」を「定義」した。

一部の学者たちは、アスペルガー症候群が持っている「過剰知的能力」をネアンデルタール人と競争状態にあったホモサピエンスを「優生種」に仕立て上げた要因の一つであると主張した。


世界のはみ出し者 ウ・ヨンウ?

今では「自閉症」ではなく、「自閉スペクトラム」という言葉が使われるように、イーロン・マスク氏なども患う「アスペルガー症候群」に始まり、「自閉スペクトラム」と言うように様々「スペクトラム」がある。

しかし、「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」のウ・ヨンウが言うように、世の人々は「弁護士」という職を持っていても、「自閉」と言う言葉で先に「規定」してしまう。

ドラマでは、「自閉スペクトラム」に対する、人々の「画一的で偏った視線」について語られている。

3話、重度の自閉スペクトラムを持った青年が、兄を殺した容疑で法廷に立つことになった。彼の兄はソウル大学医学部を主席で入学した秀才、両親を始めとした皆は、6歳ほどの知能しか持たない青年の「殺人容疑」を疑いもしない。彼の「障がい」が彼の「道徳的で倫理的な能力」すら疑わせたのだ。

裁判の過程で青年は、「心身耗弱」を主張する。裁判の法廷に立った検事は、なぜかウ・ヨンウに注目する。彼女が持っている「自閉スペクトラム」を青年の「自閉スペクトラム」と同じ「心身耗弱」の状態ではないかとして、「心身耗弱」の弁護士が果たして弁護士の務めを果たせるのか?と疑問を提起した。視聴者さえ、その瞬間は「迷った」ことだろう。ウ・ヨンウの「障がい」は心身耗弱なのだろうか?

もちろんウ・ヨンウは、あの法的な集中力で青年の「殺人」ではなく、むしろ兄の命を助けようとしたと言う事実を証明してみせた。しかし、なぜか「障がい」によって裁判過程で「排除」されてしまった。「弁護士」としての能力とは関係なく、彼女が持っている「障がい」が、まず彼女を「規定」してしまい、それによって彼女自身にあるものを「能力」としてではなく、「はみ出しもの」として見てしまう、世界の視線に彼女は「絶望」する。

しかも、彼女には好意的なイ・ジュノ調査員(演:カン・テオ)と一緒に道を歩いていると、彼の後輩がウ・ヨンウを、当然のようにイ・ジュノがボランティアでサポートしている障がい者だと思い込むシーンがある。そのシーンは、よりウ・ヨンウの絶望を確固たるものにし、結局ウ・ヨンウは「辞表」を書く。

自閉スペクトラムを持っているが、生まれ持った「知的能力」によってソウル大法学部・ロースクールを主席で卒業したウ・ヨンウと言う人物によって、扉を開かれた『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』。「自閉スペクトラムを持っているが、素晴らしい能力を持つファンタジー的な主人公を通して、我々が持っている「自閉スペクトラム」に対する偏見の幕を取り払う。

だが、ドラマは「ファンタジー」に留まらない。重症の自閉スペクトラムを持った自身の考えや意見を言うことができない、青年の悔しい事情を通して、いまだに「弁護士」として活躍をしているが「障がい」と言う視線で遮断されてしまうウ・ヨンウの立場をリアルに見せてくれる。

また、娘と父として、世界にたった二人だけしかいない家族だが、「感情的コミュニケーション」が難しい娘を育てた父の複雑な気持ちも描いている。同じように自閉スペクトラムを持っているが、自身の息子が未だに幼い子供のレベルで止まってしまっているのとは違い、弁護士になったウ・ヨンウを見つめる、また1つの家族である「ヤン一家の感情」も逃さず描いている。

ただの賛辞やファンタジーに留まらないこのドラマは、ウ・ヨンウ弁護士の唯一の友達であるトン・グラミ一家を襲った難しい「争い」を通して、弁護士ウ・ヨンウを復活させる。だが、彼女の「復活」の前に同僚弁護士であるクォン・ミヌ(演:チュ・ジョンヒョク)が質問を投げかける。ウ・ヨンウの辞表を受理しなかった理由が「障がい」に対する「配慮」だったのかと。

クォン・ミヌの質問にチョン・ミョンソクは「愚問だ」として答える。辞表受理は手続き上の問題であり、ウ・ヨンウの辞表を受け取らなかったのは、彼女の「障がい」のせいではなく、彼女が持っている弁護士としての「創意性と積極性」によるものだったとした。「偏見」に対する「ある意味」賢い答えだったのである。

先輩弁護士のそんな評価にも関わらず、自ら自分が世界のはみ出しものだと感じたウ・ヨンウはトン・グラミの父の裁判を通して、初めて自ら「弁護士」としての「自分に対する確信」を得た

アインシュタイン、アイザック・ニュートン、モーツァルトなどの偉人たちが、後にアスペルガー症候群、自閉スペクトラムを持っていたのではないかと言われている。彼らの持っている極めて高い「右脳的傾向」が彼らの人類史に残る巨大な足跡の「原因」であったと「推測」されている。しかし、「イーロン・マスク」は素晴らしいと評価しておきながらも、現実で出くわす自閉スペクトラムを持った者たちに対して私たちは、「はみ出しもの」のように彼らに接しているのではないろうか。『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』はそんな私たちの持っている「狭い視野」に対して訴えている。

『健常者のフリをして:アスペルガー症候群を持って生きること』と言う本の著者:リアン・ホリデー・ウォーリーの「自己肯定宣言文」がまさにウ・ヨンウを通してドラマが私たちに伝えたいことなのではないだろうか?

私は欠陥があるのではなく、異なっているのだ。
同級生たちと交流するため、私の尊厳を犠牲にはしない。
私は面白く良い人だ。 私自身が誇らしい。
私は一人の力で社会生活を送ることができる。
必要であれば、助けを求められる。 私は他人に尊敬され認められる資格がある。
私の興味と適性に合う職場を見つける。
私を理解するのに時間がかかる人を、待ってあげることができる。
決して私のアイデンティティーを否定しない。
私自身を私の姿そのまま受け入れる。


P.S. この記事は、市民記者:イ・ジョンヒさんの個人ブログにも掲載されます。


〜この記事を訳しながら新しく出会った単語たち📝〜

상괭이: スナメリ
그물: 網、罠
용솟음치다: 湧き上がる、ほとばしる
범주: カテゴリー
장막: 帳, カーテン, テント
애환: 哀歓
찬사: 賛辞、褒め言葉
우문현답: 愚問賢答
조우하다: 遭遇する、出くわす
존엄성: 尊厳性


広い視野と受け入れる気持ちを持って生きていきたいです。




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