『花束みたいな恋をした』をサブカルおばさんが観て思ったこと(ネタバレかも)
もう40過ぎなのに私は旦那にしたい男の絶対条件がサブカル野郎なのである。
これだけは揺るがない(梨泰院クラス見たから使いたい)
かれこれずーっとそう。譲れない条件。
結婚するならデーモン閣下とかやくみつるみたいな人がいいっ!
映画が好きで一緒に観たり音楽聴いたり、誰も知らないような漫画に詳しい人がいい!!文化的に暮らしたい!
この花束みたいな恋をした。
菅田将暉&有村架純カップルが若いので、私にはあまり響かずでした。(サブカル的な意味でね)
世代がドンピシャだったら共感の嵐でもはやホラーだっただろうなぁ。
ただこの作品を観て、以前美人な同僚に言われた
『私、今はEXILEすきですけどぉ〜高校生の時はDIR EN GREYが好きでしたね〜』って言葉を思い出しました。
この作品に出てくるカップルの菅田将暉の方は
この元同僚と同じタイプの人間だったのかもしれない。
名付けて『サブカルチャーモラトリアム』
あー昔(思春期の一時だけ)サブカル好きでしたよ〜。
あー昔(思春期の一時だけ)V系好きでしたよ〜。
私!(僕)変わってるでしょ〜!みたいなやつ。
この現象は、今もV系とサブカルをこよなく愛し、好きなことに囲まれて今も暮らす私には本当に残酷な現象で、この手の話を聞くと本当に悲しい気持ちになる。
『花束みたいな恋をした』は観る前から
若いサブカルカップルが別れる話と耳にしていて、サブカルカップルならば…と遅ればせながら鑑賞したものの、大抵その別れの理由は想像がついていて、現実に追われサブカルチャーに離れてしまう悲しい結末…。そう、忙しいとわざわざ無駄なことを探求しないですもんね。深追いしないですもん。
ただ、それがまさかの絹(有村架純)ではなくて、麦
(菅田将暉)の方なのが衝撃でした。
良くある話だと、彼氏がいつまでも夢を追って彼女が呆れて現実と向き合うパターン。
でもこの物語は逆なんです。
そう考えると麦は本当にサブカルの心を捨てなければ、私の考える理想的な彼氏なのです。
仕事がんばって絹を幸せにしようとするから。
けど、ファミレスで知り合ったバンドやってるバイトの子がどんどんバンドが有名になったり、
友達カップルが別れたり、結婚したり…。
そんなエピソードが相まって、ふと、自分の人生を見つめ直したくなる、絹の気持ちもわからなくはない。
絹の親が広告会社でメジャーなバンドのチケット(取るのが難しい)あげるよ〜。って麦に軽々しく言うシーンや、麦が現実と戦って読んでる本がサブカル路線からビジネス、自己啓発本に変わっていくのを見て絹が冷めている。なんこの辺の描写がサブカル野郎の私にはちょっと響いた。
けど、そんな麦をちょっと絹が心を広く見守っていたら…余裕が出来たらサブカルに戻る余地が麦にはあったのかも知れない。
深い描写がなかったものの絹がやりたかった就職に就いた時。
帰宅の電車で代表(オダギリジョー)にメールを送った時ふと見上げると仕事でクタクタの麦の姿が…。
あれ?絹…浮気してるんじゃないのこれ。
彼氏よりも先に違う異性に先にメールしてドキドキしている感じ…匂う…。
要するに極論を言うと絹は我慢できないタイプの女で、常にドキドキしたいし、好きなことをしたいし、それでお金貰えたら嬉しいじゃん!って快楽主義。自分の事しか考えられなかったから別れてしまったのだけど、麦以上の彼にはこの先出会えないじゃないだろうか。
麦もまた実はサブカルチャーモラトリアム野郎で、元々サブカル野郎だったかも知れないが、可愛い絹と奇跡的に出会えちゃってちょっとサブカル盛っちゃったのも否めないんじゃなかろうかそうじゃなければミイラ展に引くことはないし、忙殺されてても趣味は捨てない。
おー絹…。って思ったは自分がめちゃくちゃ絹に似ているタイプの女だったから。
しかも、歳を追う事に自分に相応しいサブカル野郎が現れる気がしないし…ただただ絹の将来が不安になりました。妥協できるのかなぁ…この子。
筆者はその昔、ベストオブサブカル野郎に出会って恋をしたけど、彼は彼女にそんなことは求めず。
ひたすら個人で趣味に浸っていて終わった。
パートナーにサブカルを求めない。
そういう諦めや選択も必要なのかもしない。私は諦めないけど(揺るがない)。
若い頃東京ラブストーリーにどハマりして、カルテットもハマり、花束みたいな恋をしたでもやられたな〜。脚本家坂元裕二作品ははいつの時代もちゃんと若者の流行りとか心情や感情に寄り添ってて凄いな。
春から始まる『大豆田とわ子と三人元夫』も期待しちゃう。
サブカルの生活に不必要な様々な知識がタイトルに例える花束なのか、様々な2人の楽しい思い出が花束なのか…。
手にしている時は嬉しいし綺麗だけど
枯れてしまったら手放すしかない。
罪深いタイトル名ですよ…。ほんと。
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