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3年離職率9割の会社で、約6年働けたワケ

フツーに、3年で辞めるつもりだった。

新卒で入った会社は、入社3年後の退職率は驚異の9割!とキャッチーな文化。新卒出身者の退職率は、もうちょっと低いけれど、それでも4月の研修を終えたとき、30人の同期がすでに退職していた。

1社目がこれだと「退職」は毎月起こるという常識が育つ。内定者時代から「賞とって3年で辞めます」という同期がゴロゴロいて、面談してくれた先輩も「数年で独立する」と誇らしげだった。おかげで、わたしの「3年したら海外に行こ〜」というゆるふわな気持ちにも、罪悪感を一切感じなかった。

ところが、けっきょく5年10ヶ月も居座ってしまった。そのうち真剣に1回「辞めます」を上司に進呈した。くしゃみくらいに無視されたけれど、「辞めたいんですよね〜」と面談で軽めのパンチを1回したこともある。インスタントに「辞めちゃいたい☆」と思ったことは、2000回くらいあった。

それでも、2000と2回を乗り越えて、約6年続いたのは、ベンチャー企業の(ほぼ唯一の)売り「若いうちから裁量を持てる」の恩恵も受けまくったからだ。要はハードワークなのだが、好きな職種で、わりと自由に任せてもらえたのは、かなりラッキーだった。

でもそれ以上に「その会社のひとたちに認められたい」一心で、命をつないでいたと言った方が正しい。

会社のひとはのきなみ「仕事が好き」だった。土日のために、平日の時間を捧げている人たちではない。自分の人生のうち、仕事という時間をも楽しもうとしている。そういうひとじゃないと続かない労働環境だった、というのはあるけれど。

そんなひとと、働けて幸せだと思っていた。だからこそ、その大好きなひとたちに認められるくらい、成果を出してから辞めたかった。成果を出さないと、ダサくて辞められないと思っていた。

一緒に働くひとが大事だよね、って話ではない。ひとによっては「一緒に働くひと」はモチベーションになりえないことも知っている。わたしも「認められたい」だけで2年ほどやってみた結果、急にどうでも良くなり「がんばるのやーめぴ!」宣言をしている。

「やめっぴ!」と言ったら、オトナがたくさん出てきて、「辞めて何をするんだい、何がしたいんだい」と問いただしてきた。「知らねーよ。勢いじゃ!」と思いながらも「今一番がんばれるのは、誰のために時間を使う仕事?」のこたえをもらい、モチベーションがV字以上の回復をした。

「やりたいことはないけれど、営業のためなら時間を使いたい。なんでもしたい。」これが一番のやりたいことだと気づき「辞めます」を撤回した。これに気づいてからのわたしは、つよかった。

誰のためになる仕事をしたいんですか?

これは結構重要だと思う。同じ職種、同じ作業であっても、誰のために?が違うと使う能力も変わってくる。能力以上に、モチベーションが変わってくるのはわたしだけだろうか。

たとえば、「キャリア選択」一つとったって、都会の中学生のためなのか、田舎の高校生のためなのか、高学歴の大学生なのか、定年退職後のひとなのか、はたまた貧困層のひとなのかで全然違う。

「何をするか?より誰とするか?」じゃない。何をするか?誰とするか?も大事だし、そこまで考えたなら、ついでに「誰のためにがんばりたいか?」を考えておきたい。

あなたの人生の大切な時間を使うんだから、あなたの命を削るんだから、ちゃんと誰のために使いたいか?は考えた方がいい。意外と、キャリア選択において、重要な項目のひとつではないだろうか。

「好きなひとたちのため」の仕事を選べるなら、選んだ方がよい。好きなひとのための努力なら、結構できるものだよ。


おしらせ:いまは、「人生が最低ってわけじゃないけれど、もうちょっと変わる余地がある気がするひと、何か変えたいのにやりたいことがぼんやりしてるひと、いまひとつ全体的に人生の点数をあげていきたいひと」がわたしにとっての頑張りたいひとです。

今はデンマークでワーホリ(フリーランス)してます。ぜひお話しましょう。


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