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『現代短歌パスポート4』読書メモ
書肆侃侃房発行の『現代短歌パスポート4 背を向けて歯軋り号』を読んだ。
気に入った歌をここに挙げておく。たまに自分勝手な付記を添えてある。
風の旅券 スノードームのサブスクがあったらいいと思う高台
岡本真帆「夏の骨 風の高台」より
おにぎりを食べると海苔の音がする 君は雨雲レーダーを見る
永井祐「ピクチャーディス」より
付記:
実際の光景はまったく違うのだろうが、逃亡中の二人の景
『鉱石調理帖』(増補版)によせて
アニメやドラマが放映されると、それに伴って番組グッズというものが作られる。
DVD や Blu-ray ディスクはもちろんのこと、T シャツやボールペン、キーホルダー、登場するキャラクターのぬいぐるみなどなど、その種類は多岐にわたる。
以前このようなグッズについて、「登場人物やキャラクターが劇中で使っているものが欲しい」という要望を聞いた。曰く、主人公が毎朝珈琲を飲んでいたマグカップ、いつ
『十三月のうた』によせて
オラクルブックという本がある。胸の内で何かしら問いかけをし、本の適当なページを開くとその答え、「運命のメッセージ」が書いてあるというものだ。
私はその手の、石が運気を変えるとか星座によって運命が定まっているとかいう話を信じない。信じられるのは生身の人間が手渡す言葉と、偶然だけだ。
本を出したのが六月の末で、そのための原稿を必死に書いている頃に、粒子氏の『十三月のうた』は届いた。なんだか奇妙