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読書感想文〜閉鎖病棟〜

ありがたいことに
私のnoteを読んで
「あの小説買いました!」
などという声が届いたりする

本を読んだ事がない人や
読書が苦手な人
読書が趣味の人まで
「読んでみたい!」と思ってくれて
購入したと聞くと
選本家冥利に尽きる
noteをやっていて良かったと思える瞬間だ

しかし昨日の炊飯器なんちゃらの記事で
読者からすぐさま
『amazonでストウブ買いました!』
と報告を頂き、嬉しい反面
よくよく考えると
炊飯器業界にとったら
ネガティブキャンペーン路線なので
業界から抹殺されないか
ガクブルで夜を明かす

あっちをたてりゃこっちがたたず

なのである

いずれにしても
記事を読んで貰えるのは
嬉しいですね
今日の感想文です

帚木蓬生 「閉鎖病棟」

<あらすじ>

とある精神科病棟。重い過去を引きずり、家族や世間から疎まれ遠ざけられながらも、明るく生きようとする患者たち。その日常を破ったのは、ある殺人事件だった…。彼を犯行へと駆り立てたものは何か?その理由を知る者たちはー。現役精神科医の作者が、病院の内部を患者の視点から描く。淡々としつつ優しさに溢れる語り口、感涙を誘う結末が絶賛を浴びた。山本周五郎賞受賞作。

まず作者の帚木先生
私、感想文書くにあたり
苗字が読めなくて調べました。

帚木(ははきぎ)とはホウキギの別名
学のない私はここでホウキギがわからないのですね

ホウキギとは
アカザ科の植物。茎は干して箒(ホウキ)にし、実はとんぶりと呼んで食用とする

ちょっと「箒にして」の意味が
またしてもわかりませんが
箒の原料ってことなのかしらん
とんぶりのワードが出てきてようやく理解
とんぶりの木の名前でした

苗字ひとつで勉強になりました
帚木先生の映画化もされた代表作

<感想>

舞台は昭和中期の九州なのかな
ちょっとはっきりとした描写がなく
私が読み落としているだけかも
わかりませんが
登場人物の九州弁がとても良い

精神病棟で暮らす人々の日常は微笑ましく
安寧の地の裏に
それぞれが犯してきた人生の失敗は切ない

社会の闇として書かれている訳ではなく
ひとりひとりの人生が
ただただ丁寧に書かれていて
作中の人物も
今生きている私たちも
一生懸命に「人生を生きている」という意味で
同じですよというメッセージ
を受け取りました

ラストは声だして泣きました
嗚咽、本当に嗚咽
悲しくて泣いたというよりは
感動の涙だったので
読後感は全くもって暗いものではない

まさに帯に書いてある通りに
やさしい涙に温かく包まれました

余談ですが
この本を手に取ったきっかけが
私が今書いている小説の舞台も
病院なのです
ちょっと病院描写の参考にできる本はないかと
本棚を探していました
意外と持っていないもので
内容を覚えてないというのもありますが
タイトルだけでは
どの本が病院の話かわからないのです
諦めかけたその時
本棚の奥の奥の端っこに
この「閉鎖病棟」はありました
これは病院の話に違いない!
昔に1度読んでいる作品なのですが
97年の本だし
ストーリーをなんとなくうろ覚えでした
読み始めると
最初こそ文章の描写を勉強しながら
読んでいたはずが
物語の強さに早々に飲み込まれ
一気読みで号泣

ただの読書やないかーーーい!!!



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