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クローバーの3でジョーカーを得た話

まだ1ヶ月も経っていない出来事である。
3年付き合っていた婚約者に2股をかけられ、別れた。

それも相手が私の会社の後輩だったので、ここまで来ると驚きも通り越す。
実際この件に関してはもう少しほとぼりが冷めてから話すとして、
人生に『他人事』なんて無いなあと思った次第だ。
インスタに載っているようなサレ妻日記も「へえ〜こんなこともあるんだ」と思いながら読んでいたのに、今は「うわ〜分かる分かる」に変わっている。
何より、こんなに真面目で純粋無垢な私を相手に浮気しようと思う人間が居るなど、微塵も思っていなかったのだ。
真面目に生きる人が損する世界、良い加減どうにかならないだろうか。
神様、ちょっとだけ世界の設計ミスった?

しかしまあ、彼に魅力があったなら未練や悔しさもあっただろうが
よくよく考えてみると大変に価値のない人だったので、
つい最近の出来事とは思えない程にどうでも良くなっているのが事実である。
厳密にいうと私から無関係な場所で生きてくれればそれで良い。
出来れば同じ空気を吸いたく無いので、二酸化炭素が循環している圏内から外れて欲しい。
興味が無くても憎しみや怒りを忘れることは絶対に出来ない。せめて掘り返さないで生きていきたいのだ。

「そんな奴と結婚しなくて良かったね」
周りの人々は必ず同じ言葉を口にする。
本当にそう思う。
散々な目に遭ったという事実は変わらないし、彼のことは一生許さないけれど
今回の一件は悪いことばかりでは無かったのだ。

例えば遊戯王とか、あんまり詳しく無いけれど、
カードゲームというものが世の中にある。
1枚のカードを墓地に送る代わりに、
何か強い効果を発揮するような感覚。
大富豪で言うと、一番悪い数字のトランプとジョーカーを交換するような感覚。
あれに似ている。

彼との一件があってから、
私の為にこんなに動いてくれる人がいて、
こんなに心配してくれる人が沢山いるんだという事実に初めて気が付いた。
1日中LINEを続けて気を紛らわせてくれる人。
私が部屋に籠らないように外に連れ出してくれる人。
私の為に周りの人に呼びかけて何かと調べてくれる人もいた。
なんなら、この事件を機に初めて遊んでくれた人も沢山いる。
大人になって、こんな唐突に友達が増えることがあるのか。
藤子・F・不二雄先生が粋な計らいで描くような
全キャラクターが1コマに集結してくれたような気持ちである。
ドラえもんもQ太郎もうめぼし殿下もいるじゃん…
気分はそんな感じだ。

自由になった私は今、毎日のように遊び呆けいている。
『呆ける』という言葉は今の私にぴったりである。
彼はよく私に対して「可哀想」と言った。
今もきっと私を「可哀想」と思っている。
どうして彼はあんなに、自分が上だと思い込んでいたのだろう。
今やみんな彼を「可哀想な人」と呼んでいる。

私の性格や生活を縛り付けていた彼は、大富豪でいうとクローバーの3。
今回の一件で信頼も仲間も失った彼には大変相応しい数字だ。
寧ろクローバーの3に申し訳ない気持ちだが、
最初に切り捨てて正解である。

そしてもう1つ発見したことがある。
メンタルの弱さと明るさは比例しないことだ。
人の裏切りをこんなに一瞬でネタにしてしまう私は
どうやら底抜けに明るいようだ。


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