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28-4 梅すだれ 雑賀-お滝の恋 / 木花薫

日に日に気温の上がっていく夏。浜で握り飯を売るお滝とお桐に、太陽は容赦なく照り付けて来る。上からの陽ざしに加え、砂を反射した陽は下からも差しこんでくる。暑さをしのぐためにお滝は竹の皮を薄く剥いで日よけの網代笠を編んだ。同じ幅のひも状にしたものを横と斜めにぎっしりと編みこむ網代編みは、決して陽を通さない。手ぬぐいを頭からかぶり鼻の下で結び笠をかぶれば顔に陽ざしが襲い掛かることはない。目だけ出ている状態で暑い夏も元気に握り飯を売り歩いた。

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