見出し画像

3 父への感謝

 未来を託したお賽銭。

 それを忘れさせたものは、自分で招き寄せていた。

 去る5月に私は母に自由が丘のお菓子セットを、その翌月6月には父に無添加のカップスープを贈った。

 この二か月間はたくさんの人たちが両親にプレゼントしたと思う。だってそういう季節だったから。

 なんとも強制的かつ商業的な感謝イベントなのだが、ビックリするほど両親は喜ぶ。すんごい機嫌がよくなるのだ。

ここから先は

1,263字

¥ 100

小説「梅すだれ」を連載中です!皆様の支えで毎日の投稿を続けられています。感謝の気持ちをパワーにして書いております!