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瞑想アプリ、瞑想スタジオなど瞑想ビジネスは拡大中

瞑想市場は拡大中

「瞑想、マインドフルネスへの関心が高まっている」と言われて久しいです。瞑想アプリ、瞑想スタジオなど米国を中心として関連の市場規模も拡大中のようです。
今の感染症禍、ひどい社会状況で、さらに瞑想が注目され必要とされているようです。

【データから読み解く】世界の瞑想アプリ市場(BBT大学院)


アプリ以外でも、国内でビジネス参入があります。

・三菱地所にいながら「瞑想施設」を立ち上げた若手社員の描いた世界(ITmediaビジネスオンライン)

Medicha(メディーチャ)


・「瞑想ルーム」ホテルで相次ぐ パナソニック参入も(SankeiBiz)


まだまだ瞑想は過小評価されていると私は考えています。
個人的にもうつ・不安の時に効果を実感して、もっと瞑想は広まって欲しいと思います。
なので良質な瞑想ビジネスには注目したいと思っています。


ビジネスとしての瞑想特有の難しさ

瞑想アプリのダウンロード数は順調に増加しているようですが、それ以外の形態の瞑想関連ビジネスはどのように成長していくのでしょうか。

ヨガ教室での体操(アーサナ)の後に少し瞑想したり、フィットネスクラブのプログラムにあったり、企業の福利厚生や社員研修の一環とか、宿泊施設の中に瞑想ルームがあるとかなど、きっと瞑想は今後も取り入れられていくのでしょう。

Medichaの場合は、単に座って瞑想を学ぶだけというものではないようです。
瞑想を取り入れた“感情と思考のデトックス” “自分に余白をつくる贅沢な時間”のための体験型プログラムのようです。(Medicha 公式HP


複合的なプログラムで体験を提供するというものではなくて、瞑想を学ぶというのがメインだと、ビジネスの上では特有の難しさがあるのではないかと感じています。

以下 いろいろと思うことを。

・瞑想は一人でできる

結局のところ、瞑想は他の人とやらなくても自分の部屋で一人でできます。そういうもんです。
瞑想のやり方なんかも、いろいろとはありますが、やはり結局のところは「座って呼吸を整えて心を静めましょう」です。

スマホにダウンロードした瞑想アプリで十分という人も多いのではないでしょうか?
無料の瞑想タイマーだけでも十分な人もいると思います。

YouTubeでも誘導瞑想の動画もあります。もちろん無料です。

瞑想サービスに「高額課金したい」「継続課金したい」とはなりにくいところがあるかもしれません。


これは例えばヨガとも共通するかもしれません。
ヨガのアーサナは単純なものが多く(今はヨガにもいろんな種類がありますが)、やり方は書籍、ネット、YouTubeで足ります。

医療専門家による特別な意図があるものなど以外は、ヨガも教室に通わずに一人でやろうと思えばできます。

関連note:【ヨガの分類①】健康法のヨガ。リラクゼーション、整体効果、瞑想

でも特に運動に慣れていない場合には、姿勢のチェックや怪我の予防のために、また仲間作りや継続のためにもヨガ教室を利用するのは意義があることだと思います。


ヨガ教室の場合は、指導者養成コースとか、全米なんちゃらの資格取得のコースなど、目的や話題のあるコース・講座が収益にとって重要なのかもしれません。

他には「交流会」「サロン」のような機能を大切にするところもあるようです。
たとえば「産後ヨガ」「ベビーヨガ」「シニアヨガ」「スピ系ヨガ」だと、似たような立場、興味関心の人たちが集まります。
自然にお悩み相談や雑談など会話、交流が生じることでしょう。

ヨガをやる人には、健康やナチュラルとかに関心のある人も多いかもしれません。
「自然農体験」「国産安心素材を使ったスパイスカレー作り」といったイベントを催しても人が集まりそうです。

こういった、ヨガを大義名分として「人と人との交流」という要素がある教室は人気があるのかもなぁと思ったことがあります。


・ある種のスキルではある

瞑想は自分の部屋でちょこんと座って簡単にできるものです。
しかし、それでも「スキル(訓練の必要な技術)ではある」とは思います。

関心を持って始めても、やることと言ったら座ってジッとしているだけです。
苦行、罰ゲームのように感じてすぐに止めてしまう人もいると思います。

安定した心身の瞑想の状態(このnoteでは瞑想態と呼んでます)を得て、それを一定時間維持するのは、訓練によって習得されるスキルであるとは思います。

関連note:瞑想のアドバイス【 サマタ(止)とヴィパッサナー(観) 】


・主観的な体験で他者の介入、指導が難しい

瞑想指導は、一定の需要があるとは思います。

しかしそもそも瞑想は個人的・主観的な意識体験です。その体験は他者に伝えづらいところがあります。
言語化が難しいです。感想で「スッキリした」「上手く集中できた」「良い・良くない瞑想だった」といったようなことしか言えないことが多いです。


他者の介入や細かい指導が難しいです。

例えばヨガや料理の場合は、まず先生のやり方を見て、それから自分でも実際にやってみるということができます。
そして先生は生徒のやり方を見て「こうした方がいい」「それは間違っている」と細かく指導することができます。


しかし瞑想の場合は、ちょこんと座って静かにしているだけです。

先生は、生徒が上手く瞑想できてるかどうか見て分かりますか?
生徒は、先生の瞑想のどこらへんが良いところか見て分かりますか?

「雑念に悩まされる」「うまく集中できない」といった悩みに、先生は多少のアドバイスが出来たとしても、結局は瞑想に上達するには自分で黙々と根気よく続けるしかないというところがあります。

良質な瞑想のために、他者がどうにかできるものではないです。

ただ精神医療での瞑想の活用など丁寧なケアが必要な場合には、専門家による監督が必要なことがあると思います。


基本的には健康目的など、宗教的でない世俗的な気軽な瞑想では、他者の指導の必要性はそんなに高くはないだろうし、そもそも他者の介入自体が難しいということです。


・効果、即効性が分かりづらい

瞑想の効果については科学的・医学的な研究がなされています。
多くの論文があります。

心にも脳ミソにも自律神経にも免疫機能にも良いです。
集中力が高まったり創造性、生産性が向上することもあるようです。
遺伝子発現の調節(エピジェネティクス)にも影響あるようです。なんか凄いです。


しかし効果の実感については、大部分の人にとっては実際には漠然としているのではないでしょうか?
「論文では効果があるとされてますよ」と言われただけで納得できますか?

瞑想を試している人の中で、他のものとは違った独自の効果を実感して、ハッキリと言える人はどれくらいいるでしょうか?

瞑想サービスに時間とお金を費やすインセンティブになるほどの効果を実感して、すぐに実績に結びつくでしょうか?


私の場合は変人なのか、こどもの頃から瞑想したいという衝動があって続けています。
またうつ・不安の時に瞑想の効果を強く実感しました。

しかし瞑想の意義を感じることができずに、めんどくさくなって止めてしまう人も多いのではないかと思います。

かく言う私も、過去に効果や創造性についてのnote記事を投稿したことがありあますが、万人向けに実利的な効果をハッキリと述べるのは難しいと今でも感じています。

関連note

【 瞑想の効果 】瞑想する人の体験から

瞑想と人間性、創造性(クリエイティビティ)


瞑想が脳を含めて心身の状態にポジティブな効果があるというのは、科学的な研究で強く示唆されています。
なので習慣にすることをすすめます。

短期的な効果や即効性を求めるのではなくて、長期間継続して、ある時ふと自分にとって大切さが分かるという性質があるのかもしれません。
そもそも瞑想とはそういうものなのかもしれません。


・結局は、高額課金、継続消費につながりにくいのでは

瞑想は自分の部屋でも一人でできるし、その性質上 他者の介入が難しくて、本格的な宗教的修行や丁寧なケアが必要な場合以外の気軽な実践では、指導者・監督者の必要性がそんなに高くないです。

YouTube他で、無料安価なサービスも多いです。

心身の状態や創造性などに良いというのが科学的にも強く示唆されてはいます。
しかし短期的には、強いインセンティブになるような、他には代えがたい瞑想独自の効果をハッキリと実感できないことも多いのではないでしょうか。

なのでビジネスとしては高額課金や継続消費につながりにくい性質が、瞑想だけだと、あるのかもしれません。


瞑想はトレンドとして定着

今の感染症禍が落ち着いたら、それは瞑想関連ビジネスの動態に影響あるのでしょうか。

個人的には、瞑想は既に広く認知され大きなトレンドとして定着したと思っています。
「今は一過性のブームなだけで、いずれ忘れ去られるもの」ではなくなっていると思っています。

私はうつ・不安の時の瞑想体験があるので、もっと精神医療の分野で瞑想が広まって欲しいと思います。
さらなる科学的・医学的な研究も期待したいです。

瞑想は脳・神経生理やエピジェネティクスといった、ヒトとしての生物学的基盤にまで影響すると示唆されているので、精神医療以外でも、医療のもっと広い分野で活用できる価値があるかもしれません。

心理・神経の発達や教育の分野でも、もっと瞑想が注目されて欲しいと思います。

関連参考:米国で高まるヨガと瞑想の人気、子供の実践者が特に増加(Forbes JAPAN)

関連note:子どもと瞑想 ――10歳になる前の早い時期から瞑想を!


今後、どのような瞑想関連サービスが登場していくのか、興味を持って見ていきたいと思います。