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20XX年11月7日|読む人の運命を加速させる恋愛小説

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「もしぼくたちが離れることになったとしたら、ぼくはきみに手紙を書き続ける気がする。きみにはぼくの全てを知っていてほしいから」
そんな話をしたらきみは笑っていたよね。「手紙でもずっと喋ってそうだよね」って。

きっときみはこの手紙を読んで、「頑張ってるね」とあのいつもの優しい声で語りかけてくれている。
今この瞬間も目を閉じれば、きみの声を自分の心に響かせることができる。
この感触がとても心地いいと同時に、今は何かが胸につっかえる。

きみがぼくを見てくれること。耳を傾けてくれること。笑ってくれること。応援してくれること。
それがぼくの全てだった。
ただあの時のぼくは、その幸せを受け入れるには弱すぎたのかもしれない。
いやむしろ、強すぎたのかな。

また、手紙を書きます。

>>次回話


【あらすじと初回話】


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