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めくるめくプロヴァンス(4日目)

7/14 温泉行けない温泉地で何するよ…

温泉を目的に来たはずの温泉地で子どもと温泉(温水プールのようなものですが)に入れないことが判明した前夜。呆然とするも、気を取り直し、できることを調べてみたところ、何やらLes Eaux Chaudes(訳すとその名もホット・ウォーター)という大きなプールが近くに。だから家族はSPAには行かないのか、と納得。
プールは午後の暑い時間に行くとして、朝は涼しいうちにやはり山か。どうやらこの辺りはUNESCOのジオパークにも認定されている(UNESCO Géoparc de Haute-Provence)みたいなので、その中でもMusée Promenadeという、インスタレーションが見られる遊歩道に行くことに。

UNESCOジオパークというと、私の中では山陰海岸ジオパーク(特に豊岡市・竹野や城崎あたり)の海岸沿いのイメージが非常に強く、こんな山と川の風景でもジオパークに認定されてるのか〜と意外に思っていたところ、その後、凄いものが待っていたのでした。

Musée Promenadeに行ってみた!

山小屋のようなところで受付。大人8ユーロ、子ども5ユーロ。受付のお姉さんが右下のℹ︎が現在地なので、青い道を通って、オレンジの建物についたら下りはオレンジの道で帰ってくるのがオススメです。と教えてくれる。

遊歩道の案内地図

地図を見ながら説明を聞いていた娘が「釜石の庭がある!」と突如言い出したので、遂にフランス語を聞きすぎてローマ字が読めなくなったのかな、、とこっそり思いながら覗いてみると、確かに「Jardin de Kamaishi」と印刷されている…。なぜここにカマイシ??!
釜石って、あの、、岩手県の、私たちがよくお世話になっている釜石?去年の夏にハイキングもして、熊を目撃しちゃったあの釜石?!という衝撃が家族全体に走る。あまりにも偶然が過ぎるので、3人揃って、これは真面目に遊歩道を歩きましょうという気持ちにチャンネルが切り替わる。

歩いていると、木のトンネルとせせらぎで涼やか。

苔のむす、まま。
水と光のハーモニー
神々しい…

この滝に至るまでにいくつかアーティストの作品らしいものがあったのですが、2000年前後に設置されたものが多いせいか、劣化というかもはや帰化?している作品も多く、入って割とすぐの、嘘みたいな深みと丸みが美しい水たまりのような人工池のような作品くらいしか、その存在意義が感じられるものがなかったのでした。(他は不思議な金属のオブジェみたいなものも多く、完全に緑に負けていた…)
造形も色も、自然が作ったこの苔滝の方が遥かに美しい。

そしてしばらくするともう、こんなに見晴らしのいいところへ。

左側がディーニュの中心街

ここが折り返し地点となる、博物館のある場所。
最初に、4種類の動物放牧用ベルの聴き比べができるコーナーがあり(ツボ)その後ろの小さな暗室では、昔の人から現代人まで、アンモナイトがどのように分析されているのかというのを、なぜかホログラムでいろんな人物に扮装した俳優?さんが語っている。スクリーンにビデオプロジェクションではないこの無駄でゆるい立体感がさらにツボ。
そしてシュールすぎて写真に撮り忘れたけれども、私たちの背後には暗闇で蛍光色に光る子どもと同じくらいの大きさの、適当にキャラクター化されたアンモナイトカタツムリがいて、導入の語りはこのカタツムリがする。しかも触覚みたいなのが取れて落ちていた。落ちていても光っていた。不気味。これも90年代後半とかに納品されたのかなぁ。

この人に説明されてもね…

しかしフランス語があんまり分からなくても、飽きそうになるタイミングで登場人物が変わってネタも変わるのはなんとなく伝わってきて、うまく作ってあるなぁと、地味にフランスの演劇の使い方に感心。笑

しっかしなんでこんなにアンモナイト推し?海も近くないのにね、と3人で言い合いながら二階へ。展示室に入ってびっくり。

現代アートなのか、それとも太古の…?

え?これ、本物?

発掘されたの、ですね?

無造作に置いてありますが、どうやら本当にアンモナイト。そして、こうなってくると、なぜ「釜石の庭」がここにあるのかの見当が、、ついてしまった…。。

あれだ…  あれしかない… いや、でも、まさかね…
あれの本物がここにあるってこと? いやいや、、まさか、、

信じたくないことには一旦蓋を閉めて、博物館を出て、帰り道へ。帰りは Andy Goldsworthy のこんもり古墳みたいな作品を4回見れたらおしまい。途中で蝶々の庭というエリアもあり、そこは野山草が色々あってまた違う風景。イタリアの北部、Monte Bondone の植物園 Viote Alpine にもちょっと似ている。

不思議な雰囲気
緑のグラデーション
透明で綺麗な袋、なんという植物なんだろう?
こちらはより古墳感あるなぁ〜

そういえば、日本では何かされていたかしら、と調べていたところ、ロワール地方にこんな場所があることが判明!行ってみたい。カレンダーとにらめっこしよう。

というわけで、釜石のまさかのアレについては次回へ。
このビデオが良き感じだったので、もし良ければMusée Promenade をバーチャルにお楽しみください〜

めくるめくプロヴァンス(1日目)AvignonとFontvieille はこちら
めくるめくプロヴァンス(2日目)Avignonとその近郊・そしてArlesはこちら
めくるめくプロヴァンス(3日目)セナンク修道院とアプトはこちら
めくるめくプロヴァンス(3日目)② Digne-les-Bains 到着はこちら

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