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ディズニーランドのキャストの時に大切にしていたマインド

私は20代前半の時に、ディズニーランドのフードサービスキャストとして1年くらい働いており、主にカリブの海賊の前のパーク・サイド・ワゴンというチュロス屋さんでチュロスを売ったり、リフレッシュメントコーナーでホットドッグを売ったり、カウンターサービスのお店で接客をしていました。

ディズニーランドで働いていた時は本当に仕事が覚えられなくて、周りからは注意されてばかり。
仕事ができなさすぎるあまり辛くて、帰りの電車で泣くこともよくありました。

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そんなダメダメキャストだった私ですが、当時仕事で教わったことや気をつけることなどをまとめたメモを見返すと、働いていた時に大切にしていたマインドが書いてあったのでまとめてみます。

他人を変えたいなら自分を変える

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私は思春期の頃ずっと、自分にとって都合の悪いことがあると他人のせいにしていました
これは友達のせいだ、親のせいだ、環境のせいだと周りばかり責めて、自分の行動や態度を改めるようなことはあまりなかったし、謝るのも嫌いだったような気がします(なお、今も嫌い)。

そんな私は、ディズニーランドでチュロスを売っている時、「目の前のゲスト(お客様)を笑顔にするにはどうすればいいだろう」と考えるようになりました。
たくさんのゲストに接するうち、ある答えが浮かびました。
目の前の人を笑顔にしたいなら、まず自分が笑顔にならなくちゃ
他人は自分を映す鏡。他人に対して変わってほしいと思ったとき、ただ変わってくださいと言って相手を変えるのはむずかしいこと。
相手に変化を求めるときは、まず自分が変わらなくてはいけないことに気づきました

そこから、苦手な人がいても自分から笑顔で挨拶してみたり、自分の望む姿に変わってほしいなぁと思う相手に対しては、自分のアクションを意識的に変えるようになりました

サービスの良し悪しでフードの味が変わる

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私はチュロスやホットドッグを販売するお店で働いていたのですが、同じチュロスやホットドッグでも、販売しているキャストのサービスによって味は変化すると考えていました。

笑顔で幸せな気持ちにしてくれるサービスをするキャストから受け取ったフードはきっと受け取った側も格別においしく感じるだろうし、不愛想なキャストから受け取ったフードはせっかく美味しいフードも味が感じられなくなってしまう。

「自分の接客によって受け渡すフードの味が変わってしまう」という気持ちを持ち、少しでもおいしく食べてもらえるような接客を意識しました

100%の気持ちを込める

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私にとっては毎日通うディズニーランドですが、目の前のゲストにとっては遠くに住んでいてたまにしか来れない特別な場所かもしれない、誕生日や結婚記念日など特別な日かもしれない。
働いていると忘れがちですが、ディスに―ランドは特別な日に特別な時間を過ごす特別な場所で、私はそのステージに立っているキャスト
だから、目の前のゲスト全員に対して常に100%の気持ちを込めて、100%の笑顔を届けなくてはいけない
気持ちが沈むときでも、「ショーは毎日が初演」の考えを大事にして全力の笑顔を心がけていました。

実際、ゲストから「超笑顔」とか「素敵な笑顔ですね」と言ってもらえたときは、気持ちが届いたようでうれしかったですね。

舞台役者になりきって接客する

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オリエンタルランドの企業理念には、ゲストの目に映るもの、体験するもの、パーク内のありとあらゆるものがテーマショーの一部であるという考えがあります。
今でも素晴らしいと感じるこの考えは、キャスト時代の私にとっても軸になっていました。

チュロス屋であるパークサイドワゴンは私にとっての舞台、そしてその舞台に立つ私は今日というショーのキャスト。
ハッピーなストーリーのショーのキャストがだらだらと喋っているわけがない、鬱々としているわけがない、だらしない姿勢で立っているわけがない。
その気持ちを忘れずに、活き活きとした表情や姿勢、ハキハキとした話し方、まるで舞台役者だと思ってもらえるような接客を心がけていました

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周りのキャストからも
「ハキハキとした聞き取りやすい話し方でキャッシャーをこなす姿に元気をもらってます」
「頑張って仕事に向き合っている姿勢がとてもステキです」
「一生懸命な姿はみんなが認めています」
「ハキハキとした元気のあるゲスト対応、いつも素敵だなーと思っています」
「いつもニコニコ楽しそうにお仕事している姿がとてもステキです」
「元気いっぱい一生懸命ひたむきに働いている姿は初心に戻らされます」
「常にゲストの気持ちを考え、大きな声でスピールや接客素晴らしいと思っています。」
と私の舞台役者になりきったハキハキとした話し方や全力の笑顔の接客姿勢に対して嬉しいフィードバックをもらっていました。

ゲストの気持ちになって言葉を考える

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ただ指示されたことをこなすだけではなく、自分の接客はどうすればもっと良くなるだろうかと日々考えていて、目の前のゲストにかける言葉も自分なりに工夫をしていました

些細なことだし、これが正しいかもわからないので恥ずかしいのですが、
例えばお誕生日の日に来てくださった方に対しては「特別な日に来てくださってありがとうございます」、
とても暑い日に待ち列を整理するときは「暑い中ご協力ありがとうございます」と暑い日に移動してくださったことに対してお礼を伝えたり、
衛生面などの問題からパーク内のフードの持ち帰りはご遠慮いただいているので、チュロスを持ち帰りたいから持ち帰り用に袋が欲しいと仰るゲストには、ただ事実を伝えるのではなく「チュロスがディズニーランドの中で楽しみながらお召し上がりいただきたいので」と伝えたり、
どう感謝を伝えたらもっと嬉しいか、どうお断りしたら残念な気持ちを緩和できるかなど、伝える相手の気持ちを考えて言葉を選んでいました

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それに対しても、
「ゲストへ何かを伝える時の表現がとても素敵で、聞いていて感動しました。」
「混んでいるとき忘れがちになってしまうのにゲストへの気遣いがしっかりしていて素晴らしい」などの言葉をいただき、
こんな些細な工夫も見逃さずキャッチしてくれる周りのキャストに対して私も感動しました。

キャストマインドを持ち続ける

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私の仕事ノートの先頭に書いてあったのは、
笑顔・話し方・姿勢・態度・表情の5つ。

仕事ができないなりに、これだけは毎日気を付けようと意識してたわけですね。
接客に限らず、この非言語コミュニケーションってどの仕事でも大事にしなければならないことですが、仕事がうまくできるようになってきた今は忘れがちな考えでした。

当時の私はきっと「仕事の能力に差がついてしまうのは仕方ないけど、全力の笑顔はサルでもできる」と笑顔の接客は誰にでもできる当り前の能力だと思っていました。
でも正直、以前の私がサルでもできると考えてた全力の笑顔の接客は今の私には出来ないかなぁ。
その後のとしまえんで働いていた時の接客ですでにできていなかったから。

仕事は本当にできなかったし、自分の工夫が結果にそれほど結びついてもいなかったけど、頑張っている姿勢や接客の仕方は周りに認められていたし、影響も与えられていたことを改めて感じられました。

他人を変えようとする前に自分の行動を改めること、相手の気持ちにフォーカスすること、100%全力で気持ちを込めること、これは今の私にも必要な考えです。

ディズニーのキャストの時に培った気持ちや考えを忘れずに生きていこうと思いました。

最後まで読んでくださるなんて! うれしい~ありがとうございます! これからも思考まるだしの文章を書いていきます(^o^) コメントあればお気軽にどうぞ~♪