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作って、作って、作って。3年間のプロジェクトから捉えるデザイナーのキャリア。

デザイナーとしてKonelで働いてきたアディトが、3月でコネルを退職しました。
Konelは未来を実装する、越境クリエイター集団です。スキルの越境をポリシーに持ち、ブランドデザイン・研究開発・アート制作を横断的にプロジェクト化しています。自主プロジェクトも含めると、この3年間本当に多くのプロジェクトがありました。
アディトは、強度が問われる企業のブランドデザインはもちろん、社内外のカジュアルなイベント、コミュニケーショングッズ、商品パッケージまで、絶妙な温度感で越境する最高のデザイナーでしたが、社員としてのフルコミット活動はここで一区切りです。本当に一緒に作り続けてくれてありがとう。

アディトの3年前はこちらから

アディトとコネルの関係はこれからも続いていきますが、一区切りのタイミングで、ひとりのデザイナーのキャリアとして消化したいと思い、3年間の活動について語ってもらいました。

── 何年間コネルにいましたか?

2021年4月に入社して、2024年の3月までなので、ちょうど3年間ですね。
作ってきたデータが多すぎて、PCを返却するための整理が大変でした(笑)
納品データの整理をしながら、これまで作ってきたものを数えてみたんですが、結構多くて。数えられるものだけで、45のプロジェクトに関わっていました。小さいイベントや自分の企画まで含めると、きっとそれ以上です。

かなり多くのプロジェクトに関わってきたアディト

── どんなプロジェクトがありました?

多すぎるので、まずプロジェクトリストの形で紹介します。たくさんあってこのリストを作るだけでも大変でした(笑)
どのプロジェクトも実験的で、スキルはもちろん、自身のやりたいことの解像度があがっていくのを感じることが多かったです。入った頃と比べて、できる範囲はかなり広がりましたね。
初めて関わったプロジェクトで映像を作れるようになって、その次の仕事でfigmaでUIデザインシステムが鍛えられて、次の仕事で好きなデザインの方向性が見えてきたりと。毎回なにかしら新しいチャレンジや発見がありました。

デジタルからフィジカルまで幅広く関わってきている

── プロジェクトではどんなものを作ってきましたか?

言葉で語るよりも作ってきたものをみてもらうのが、一番わかりやすいと思います。公開できるものをならべて、一言コメントを書いてみました。長いので興味ある人だけみてもらえればいいです(笑)

Web/App

MOMENT TUNER WEB

Konelとのはじめての仕事です。当時はフリーランスで関わっていました。 そもそもガジェットが好きで、最初からワクワクした仕事です。Konelにはこんな面白いのがあるんだという印象が残って、フルコミットで参加するきっかけになったプロジェクトです。

一言コメント

Catalog/Editing

小型アンドロイドモジュールカタログ

Konelの仕事の好きなところは、最新のテクノロジーが絡んでいること。好きなことに対しては動きやすいし、アイデア考えることも楽しくなる。印刷予算が少ないという制限の中で、印刷方法を普通の4色印刷から特色2つと白黒印刷に変更することで、印刷予算が収まりつつ、自分でも好きなデザインにできたのは嬉しかったです。

一言コメント

Graphics

知財図鑑 ハンター協会ロゴデザイン
知財図鑑 ハンター協会ツールデザイン

社外のものだけではなく社内のブランディングやビジュアル周りは色々実験できました。特に知財図鑑オリジナルフォントによるバーコードデザインは自分でも気に入っています。

一言コメント

Illustration

社員似顔絵シリーズ

イラスト書くことは好きな仕事です。このシリーズは最初元太さんの誕生日プレゼントで描きました。そのあとチームのメンバーだけに展開し、その1年後に全員を書くことになりました、更にNFT化まで(笑)なかなか楽しい社内仕事でした。
この似顔絵シリーズは色々な人にも気に入ってくれて、個人の仕事のきっかけにもなっています。

一言コメント

Packaging

遊べるおやつ くうねるあそぶ
くうねるあそぶ 説明書
くうねるあそぶ どうぐばこ

Konelに入る前に所属していたNosignerでは、パッケージの仕事が多く、割と得意な分野ではありました。意外とKonelでは多くなかったので、アサインされたときは結構テンションがあがりました。Konelらしくパッケージだけではなくウェブアプリとゲームをデザインするところもあって、初挑戦な部分もありつつ、最後まで楽しんでデザインしました。

一言コメント
つなぎふと 出汁アイス
お土産用パッケージ

あとパッケージはやっぱり2Dのデザインではなく3Dで考えることが多くて、仕組み、機能性などを考えることもすきです。「つなぎふと」の最初の仕事で、難易度の高いアイスのパッケージデザインとオペレーションを考えて作りました。

一言コメント

Interior?

出汁アイスの屋台

ちなみに余ってるアイスをうるために、サクッと4時間ぐらいで屋台を一人で作りました(笑)
これあるだけで、急に売れました。屋台はそのあと代表の出村さんに無惨にも処分されました…。

一言コメント

VI/Experience

COPREC VI

Konel入る前に働いていたNosignerではブランディングがメインの仕事でした。チームメンバーは専門が様々で、プロダクトや空間など、グラフィック以外の分野からもかなり影響受けてました。その時からおしゃれというより「カッコいい」デザインを作ることが多かったです。
COPRECは最初から「工場をかっこよく見せる」というポイントがあり、これまでの自分のデザインとピタッとあっていたので、一気に色々作れました。後で紹介しますが、このプロジェクトはクリエイティブ・ディレクターも担当しているので、空間とプロダクトの知識を活かして、本当に色々なものをディレクションしました。

一言コメント
Eスポーツ大会のブランディング

Eスポーツの大会をかっこよく見せるというところもあって、デザインは割と得意な方向でつくりました。ブランディングはかっこよく見せるというものが得意だと思います。

一言コメント

Signage & Event

MIKAN 1.5 PROJECT POSTER
MIKAN 1.5 PROJECT GOODS
京王線サイネージ
SAKABA & ENGEKI

ミカンのイベントシリーズは体制が個人的に楽しかったです。
正直に言えば、社内で確認する人が多い仕事は好みではありません。合意も取りづらいし、決定スピードも遅くなりがちです。このシリーズは基本元太さんと二人体制で動いてます。
クレイジーな企画、無謀なスケージュール、予算のなさを自分のアイデアとスキルを活かして短期で実現する。ただ基本2人しかいないので、面白いアイデアが浮かんだときに迷わず早く実現する。基本自分が面白いと思うことをやるので、無謀な条件でも楽しい。良い筋トレ機会でした。

一言コメント

Space / Sign plan

工場のサイン計画
工場のデザイン
デザインルール

COPRECの続きで、ブランディングからサイネージまで、これまでの経験をいかして、COPRECの新工場のクリエイティブを提案。、実装しました。グラフィックを工場の多様なマテリアルやプロダクト(サイネージ)にどう見せるか、Konelにいる仲間に相談しながら形にしていきました。プロダクトデザイナーのや建築士の中川さん、普段から立体を作る人に簡単に相談できるのが良かったです。

一言コメント

Products / Goods

サウナうちわ
裏はサウナ中にできるゲームがある

プロダクトのデザインという仕事でしたが、イラストを描くことだけではなく、マテリアルリサーチ選定、生産方法まで考える仕事でした。結局社内のレーザーカッターでつくるのがコスト面でも品質面でも良いとなって、これがきっかけでレーザーカッターを使える様になりました。今は個人の作品でもレーザーカッターを使ってます。

一言コメント
個人作品

レーザーの彫刻とアクリルで描いた絵の個人作品。

一言コメント
特製まぜそば

トライ食堂という会社のイベントをきっかけに、料理との向き合い方が一段と変わりました。Konelは基本イベントが多い。ただのイベントですが、どれぐらい”真剣”に向き合うことによって色々な発見や新しいインスピレーションがあると感じました。

── 作り続けて。そこから見えてきたことはありますか?

3年前も同じことを言った気がしますが、僕はクライアントや会社、プロジェクトのためっていうよりも、やっぱり自分のためにやってきたんだなと。ただプロジェクトに関わる時にいくつかの視点があって、それが上手くハマるとのめり込んで作ることができる。結果的にそれがプロジェクトやクライアント、会社にとって良い結果になることにつながる、、、ってかんじで今は捉えています。
今はこんな感じで自分の中に物差しがある。

プロジェクトに興味が持てるか、持てないか、クライアントとの距離は近いか遠いかなど、どっちが良いとか悪いではなくて、自分自身が納得してやりきれるバランスってのがあります。
予算が少ないからこそ、工夫が必要となることで良いアウトプットが出ることもあります。自由度が高いから面白い結果になるわけじゃなかったりもします。全体でみたときに、自分なりに納得の行くバランスで、ビシッとハマった時に「これだ!!」ってデザインができる。
実はコネルに一区切りをつけることになったのも、自分の物差しにバッチリハマるプロジェクトに入ることになったからです。

── これからやっていくことはなんですか?

今はひとまずKonelの仕事から離れて、0からのブランドづくり・ものづくりに挑戦したいと思います。
内容まだ言えないですが、スタートアップで新しいサービスを立ち上げています。今までのものづくり経験で、社会や環境にインパクトのあるサービスにトライしていきます。
一方で、自分の好きなことにもっと向き合いたくて、イラスト、料理、ボルダリング関連の”楽しい仕事”の土台を作って行ければと考えています。

── 3年間のプロジェクトを語ってくれてありがとう。一区切りではあるけどいつでも遊びに来て欲しいです。最近ものづくりの機材もたくさん導入したし。

辞めるタイミングで個人活動で、たくさん作りたいものでてきて、まだ会社のレーザーカッターとか実験場を使わせてもらってるので、今後も使いたいです(笑)
相談させてください。また今のプロジェクトが落ち着いたら、週の半分はコネルの仕事をするなんてことになればいいなとは思ってます。


アディトが次の段階に行くのは嬉しいですが、デザイナーがひとり減ることも事実なので、デザイナーを募集します。

アディトの代わりってわけではないですが、物理的に1人のデザイナーが減ってしまうのも事実です。いまできないことも、越境しながら、つくることを楽しめるデザイナーがチームに入ってきてくれること。それは今、多様なプロジェクトを進めるコネルにとって欠かせないことです。
アディトとコネルに興味を持ってくれた方、いつでもご連絡お待ちしています。

気になった方は下のリンクからご連絡ください!

聞き手・執筆:北尾一真(Konel)


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