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テレワークでせめぎ合う会社と社員の行く末

今、テレワークが第二段階に入ったと言える。
日本だけでなく先進国などでは、テレワークを推奨する流れから一転して、従来のオフィスワークが見直されている。
すでにメディアで流れているが、巨大IT企業も重要な過渡期にあり、働く場所の選択が大きな経営課題の一つになった。

言うまでもなく、コロナ禍が青天の霹靂のように起こった時は、テレワークしか選択の余地がなかった。そのほとんどが在宅勤務である。そして、3年近くになり、様々な面で人間も適応しつつある。その中に取り残された感のある、テレワークスタイル。もっとも、建設現場や医療などの現場仕事の人には、コロナ禍であろうが関係ない話である。

オフィスワークに限定された話であるが、テレワークのメリットも沢山ある。
ところが、そもそも、会社を組織的に運営するには、弊害が多すぎる。まったくもとに戻すと言う考えではないが、経営者としては、最適な解を模索しているといったところだ。

で、まずは、オフィスワークに戻してみる。強引すぎると社員との軋轢はたしかに生じるが、未曽有の危機がきっかけで発生した、変革の途上。
経営者と従業員という対立の構図ではなく、変化に適応するために、協調が必要だと考えている。

私は、約30年前に創業したのだが、その時は、SOHOワーカーとして立ち上げた。当時、国土の広い米国で流行っていたスタイルだ。このあたりは、何度もブログに書いてきたが、20代で会社組織の中で働いた感覚と、IT(当時は、こういう呼び方ではなかったが)に馴染んでいた感覚で、オフィスにいなくても仕事ができる時代になると思っていたからだ。

多分、何らかの理由で会社員を続けていたら、SOHOワーカーには興味がなかったと思う。どこかの現場仕事を選択していたと思うからだ。

その時のイメージは、北海道で牧場を経営しながら、パソコン通信で遠隔地の仕事をするイメージだ。こんな私は、創業した会社もずっと、今でいうテレワークスタイルで良いと思っていた。それを前提に創っていけば、新種の会社はできると思っていた。今でもその感覚は変わらない。

今、世間では、従来あった組織運営のスタイルから、テレワークをどう取り込むかで試行錯誤している。その中で浮き彫りになっているのが、在宅勤務では生産性が落ちるのではないか?仕事への集中力が削がれるのではないか?だから、時間ではなく、ジョブ型の仕事スタイルが適しているのではという議論が喧しい。

メジャーな新聞でもこの類の記事を頻繁に見かけるようになってきた。私の経験上、その通りであるとしか言いようがない。
従来オフィスで馴染んで仕事していた感覚は、そう簡単に在宅でできるものではない。私も時々、そういう選択をするが、やっぱり、集中力は落ちる。私の場合は、在宅よりもシーサイドの車の中や、山の展望台のような開放感がある方がよっぽど好きだ。
そもそも、私が創業時に目指したのがそういうことだからだ。そういう意味では、コロナ禍前に流行りかけたワーケーションが理想的なように思う。私の今のところの結論は、仕事が自主的にできる、もともと、通常の会社の勤務形態であったとしても、成果報酬型的に働いている人、独立している人、自律している人。
全体の10%ぐらいだと思うが、こういう人は、どこでどんなスタイルで働いても、変わらない。

結果、その選択がオフィスでもリゾート地でもよい。

それ以外の人、つまり、普通の人は、やっぱり、オフィスワークで組織やチームと接しながら、仕事するのが良い。とはいえ、テレワークがこれからの理想の選択の一つと言うならば、会社も社員も、今までの人事制度や働き方、仕事のやり方を改革しないことには成り立たないと思う。
そんな過渡期である今を、創業時の感覚と照らしながら、私も試行錯誤しているところである。

以上

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