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第一次産業の再生無くして地方の活性化・再生無し

ようやくというか。いよいよというか。
自分でも微妙な心持ちだが、ビジネス活動としての農業が始まった。
11月上旬に、南あわじ市の津井で、RINC@農園のオープニングセレモニーを開催した。
この地で私たちは、今年の6月からブレスタをスタートした。

ブレススタとは、ブレインワークスが運営する地方での活動拠点である。古民家であったり、サテライトオフィスであったり。多様で地域活性化のベースとなる施設である。オンラインコンテンツ配信のプラットフォームであるブレインナビオンと連携して活動が出来る。

次は、RINCファームという名称について、少し説明する。
私が関わっている自然産業研究所という会社がある。自然産業とは農業、漁業、林業の第一次産業を軸にエネルギー、環境などのテーマも包含した自然資本を循環型資源として活用するビジネスである。

南あわじ市とのつながりは、大まかに書くとご縁だとつくづく思う。私が徳島出身であり、この南あわじと徳島の生活圏はもともと重なっているところが多い。南あわじの住人の方は、徳島に買い物に行くことも多い。だから、このエリアの人達との交流も結構、私の感覚と近いものがある。

そして、私は今神戸に住んでいる。徳島との神戸の行き来の中で、淡路島は馴染みの場所である。色々なご縁が重なって、オープニングセレモニーは地元の方々、行政の方、ビジネスに関係する人達。実に深い関係構築が出来た。

やはり、どんな立場の方も、こういう地域の再生や活性化には腐心しておられる。すでに移住の若者の新鮮な活動も始まっているが、如何せん高齢化の波に抗う事は至難の業だ。少しは、企業としての活動もお役に立てそうに思う。

しかし、思うにそれはビジネスが軸ではない。企業がこういうエリアに乗り込んで、地域経済圏だけで生計を立てるのはとてもハードルが高い。そういう関係から考えると、必然的につなぐことが重要になる。
人的につなぐ、情報をつなぐ、時として海外ともつなぐ。そして、地方と地方もつなぐ。どうしても、よそ者は地域に溶け込むのは難しい。
永住してねという感覚が地方には感じるが、少子高齢化の中で、こういう方向にも限界がある。だから、つながる事だと思うのだが、そうするとますますよそ者が増える。

実は、農業にはとても深い意味と価値がある。もちろん、これは漁業、林業も合わせた第一次産業そのものの価値であるが、とりわけ、農業のウェイトは大きい。
漁業林業よりも普遍的だし生活との密接度が深い。地方での生活そのものの基盤が農業と言っても過言ではないと思う。

“農は貴し”と言う考えがある。新渡戸稲造の思想と言われている。
まだ、私には、貴しの深い意味までは体得していないが、子供の頃に農業体験はいやというほどしているので、感覚は分かる。
そして、この津井には山も海も近い。訪れる度に想う。自然丸ごとが集約されたエリアではないかと。
もちろん、日本の他と比べたらそういう活動に相応しい適地は沢山あると思う。そういうことを探し求めるのではなく、ご縁が重なったこの津井のエリアで、様々な貢献的に実証活動をする。

RINCファームのオープニングセレモニーでフリーで色々な人が情報交換、意見交換した中にヒントは沢山溢れていた。

結局は、その場にも来ず、体験見せず、宿泊もせず、畑も耕さず・・都会の遠いところから、別世界から机上の空論で作り上げた地域活性化や地域再生がうまいこといかないの当たり前だと思う。

私は、確信に至った。新興国も同じだが、こういう日本の課題を多く抱えた地域の課題解決や新たな問題発掘は、地域の住民の方が一番よく知っている。
この方々の意見を吸い上げ、そして、少しでも良い方向に解決する。これだけで、シンプルに地域は蘇るのではと思う。そんな活動を真剣に継続していこうと決意を新たになった1日になった。

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以上