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きっと今日も明日も明後日も。

数年ぶりに、しかもその間、ほとんど連絡を取っていなくても、まるで昨日までずっと会っていたかのように再会を果たせる人。そして、別れ際も何度も別れを惜しむでもなく、また明日出会えるかのような軽やかさで別れを告げることのできる人。そんな相手はいないだろうか。

私の人生においてそういう人は何人かいる。日常を共有していないせいだろうか。一緒にいたときのまま時間が止まって、会うとまたその時間が動き出し、別れるとその人との時間はまた針を止める。それぞれの日常は、互いに共有している時間とはまた別に動き続けているのだけれど。

もちろん出会えたことはうれしい。再会できたことも。別れることが悲しくないわけではない。けれど、きっとどこかで互いに生きている、そのこと自体に支えられているのだと思う。江國香織さんがとある友人たちについてエッセイで書いているように。

「どちらの友人とも、最近は全然会うことがない。合わなくてもかまわない、と思える類の友人で、私は彼らが世界のどこかでちゃんと行きていることに、たぶんつねに支えられている」

きっと昨日も今日も明日も明後日も。


ありがとうございます。いつかの帰り道に花束かポストカードでも買って帰りたいと思います。