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記憶のために記録する

ここ数日、何年か前に行ったコンサートのDVDを流しっぱにしていた。

全国ツアーのラストコンサート。東京ドームで6万人の観客達の歓声を受けながら歌うアーティスト。笑いがあふれるMCのあと、曲が続き、最後は全員で大合唱。

全曲を終えメンバーたちが去ったあともアンコールの声は止まらない。再びステージに上がるメンバー達。メンバーの一人は普段からは想像できないくらい泣き崩れていた。

「ありがとうございました!」

マイクを通さず自分たちの声で叫ぶメンバーたち。彼らが今度こそステージを去ろうとしたそのとき。会場のどこからともなく、再び合唱が始まった。そのグループの有名な応援ソングとも言える曲の大合唱が。笑顔で応えるメンバーもいれば、涙を流しつつどうにか花道を進む者も。

気づけば画面のこちら側のわたしも泣いていた。数年前はまさにこの画面の中にいた。

うすれかけていた記憶を、映像という記録があったからこそ思い出せた。きっと人は、いつか思い出すために、記憶のために記録するのだろう。

今わたしがこうしてnoteを書いているのも、きっといつかのため。あの応援ソングを歌いながら、また歩いていこう。

ありがとうございます。いつかの帰り道に花束かポストカードでも買って帰りたいと思います。