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東北紀行6日目

6日目の朝

東北紀行も折り返し、今日の予報は曇り後晴れ。
昨日と違って、雨の心配は無さそうだ。
一般的なビジネスホテルで、一般的な洋食の朝食を食べる。
バターロールとか、卵にかけたケチャップとか、懐かしく感じるくらい久しぶりで美味しい。宿=和食は何とかならんのかな。

今日は、次の宿がどうしても良い場所で取れなかった為、短めの240㎞。ちょっとのんびり出来そうだ。
津軽半島は海沿いを走るとして、宿は秋田に入ってすぐの海沿い。
途中には岩木山と白神山地があり、大舘、北秋田と回らないと行けないので、かなり効率が悪い。そのため、東西の移動は困難と判断。出発も9時と少し余裕を持った行程とした。
心配ないさぁ~♪(byライオンの人)
しかし、実はこれ全てフラグです。どの様に回収していくのは↓で。

津軽半島

昨日、夕食から帰ってきた時には、ホテル駐車場に4台ほど関東ナンバーのバイクが止まっていたが、出発の時には全員出発後だった。
多分、みんな北海道に行くフェリーに乗るのだろうな。
後に、青森出身の方から教わるまで全く理解していなかったのですが、青森市内には国道7号が東西に走っており、なんと片道3車線。そんなの仙台くらいにしかないのでは?
あれは、ねぶた祭り用に広い道路を作ってるらしいですね。大きなねぶたを動かせるだけの道幅だそうです。
それは確かに思いつかなかった。
ただ、昨日早速白バイに後ろを付かれた道なので、広い道はやっぱり危険。

ついでに、昨日ご紹介の大きな橋は、夜の間に調べました。青森ベイブリッジと言うそうです。朝通ったのですが、右に北海道、左に市内、前に津軽半島、下に八甲田丸が見渡せて絶景です。やっぱり何度見ても青森駅は終点でありながら、終点で無い、そして雪国の港と鉄道って事で、いつまでも郷愁を誘う雰囲気です。

静かな漁村

市街地を抜ければ、今まで以上に住宅はたくさんあって、県庁所在地らしさはありながらも、国道沿いとは言えセンターラインも無く、昔の街道の面影が続きます。
北上する280号は内陸にバイパスがあり、一気に行けますが余りに旅としては味気ないので、旧道を抜ける。
街道沿いは住宅や元お店が続くのですが、そこから一歩中に入ると静かな昔ながらの漁村の雰囲気があります。
スッと中に入れるのは、大きいとは言えバイクの特権。

フェリー通過中

地方に行くと、やたらと広くて便利なバイパスとか高速とか作りたがりますが、お陰で途中のお店や町はストロー現象で衰退しています。
本当にこんないい道必要なのかなぁ?といつも疑問。旧道をきちんと整備する方がよっぽどいいのに。
そもそも農道みたいな所も真っすぐで、信号ないし。
この辺りの家はどこも大きい。冬の間家に籠ると考えたら、大家族だっただろうし広くなるのだろう。古い家はしかも平屋ばかり。

基本的に道は、ずーっと右側に海~な感じ。時々漁港と家と。真っすぐですし。
飽きてきた所で、道の駅「たいらだて」に着きます。
広大な駐車場がありますが、大概止まってても1-2台。どこ停めても全く問題なし。そして、開店してる所を見た事がないです。トイレと自販機のみ。

舟屋
手袋干しが可愛らしい

この道を行くと、突然大きな人工建造物が出て来て驚く。その姿は周辺に全く似つかわしくなく、異様とも言える。調べたところ、石崎無線中継所だそう。昔の電話は無線中継していたんですね。2000年頃までは使用されていたと言うのですから、それも驚きだ。
本当に”いきなり”この巨大なコンクリート塔が現れるので、びっくりします。詳細を調べるまでは、青函トンネルの空気穴かな?とか、工事に必要な何かエレベーターとかだったのかな?と想像してました。

画像をお借りしてきました

青函トンネル

さて、相変わらず海岸線をポヤーっと走って、気が付けば今別も越え、また北上。途中で青函トンネルの入口広場に向かう。

青函トンネル入り口

ここも2回目ですが、私の中では運試し的要素が強くて、1時間に1本通るか通らないかなので、行った時に時間が近くて見れたらラッキーと思っています。次に行く機会があれば、何とか3度目の正直になればいいなと。
当然、前回は見れず。
今回も30分以上は来ない事が分かり、トンネルだけ見て終了。売店なんかもあって、出来た当時はブームで凄かったんだろうと推察されます。いつの間にか、北海道まで新幹線が直通してる事をみんな忘れてる気がします。
津軽半島に入ってから新幹線は殆どがトンネル。ここが最後のトンネル入り口と言うわけです。ここを入ると出口は北海道側になる。

竜飛岬

別名「風の岬」
いつも強風です。もちろん今回も。

竜飛岬

手前に三厩(みんまや)と言う地名があるのですが、この辺りの地名はやたらカッコいいので紹介しておく。
三厩算用師 三厩算用師右平野
三厩六條間 三厩鐇泊 三厩梹榔(うろう) などなど。
難読漢字だらけです。
義経伝説の地らしく、それに関連しているのでしょう。しかし、日本全土に平家の隠れ里と、弘法大師ゆかりの伝説がかなり多数あるのだが、どんだけ色んな所に行ったんだ?と思えて来る。

漢字と言えば余談ですが、海外の人には日本語はアートな文字らしく、一度フランス人に道を尋ねられ、タクシーの運転手に通じないと困るからと、行き先をメモに書いてくれ、と頼まれたことがありました。
そこに「〇〇駅まで行きたいです」と書いて意味は I wanna go to the ***station.だよ、と説明したら、ビューティフォー!と感激されました。
さらさらと漢字と平仮名を混ぜて、書くのが何ともエキゾチックなんでしょうね。日本人が海外で筆記体のサインなんかをカッコよく書いているのを見るのと同じ感覚なんでしょうか。
アレ、額に入れて飾っといてくんないかな笑

さて、竜飛岬に行く前に有名な国道に寄り道。
日本でもここだけの階段国道。
ここにしかない、と言われると一応は見たくなるのが旅人の性。

階段国道

まあ、これだけを見に行くのはアレですが、色々とセットな観光地なので。
他にもボタンを押すと「ジャジャジャーン♪」と津軽海峡冬景色が流れる石碑とか、青函トンネル記念館とか(時間があれば行きたかった)名物を売ってるのか、売ってるおばちゃんが有名なのか分からんお土産屋の「たっぴの母」そして、灯台です。
この下にトンネルがあって、新幹線が走ってると思うとスゲェなーと感心しちゃいます。海の下をトンネル掘るってどんな気分なのか。

カメラブレそうな程強風

夏だから少しくらいの風なら大丈夫、と思うかもしれませんが、ここは半端ない。常に台風並み。駐車場に止めたバイクが倒れてないか、心配になるくらい。
車なら油断してドアを開ければ、隣の車に思い切りドアパンチする事になる。歩いててもフラフラします。キャンプ場も近くにあるけど、まともにテント張れるのだろうか?日によっては一晩中風の音で寝れなそう。
まあ、年越し宗谷の猛吹雪でも寝る人は寝るのだから、大丈夫なんでしょう。
駐車場には何台かバイクのお仲間が居て、コーヒー飲みながら情報交換としばし歓談。
後から到着したグループは、私が今から通るこの先の竜泊ラインで来たらしいが、霧が凄いと情報ゲット。
八幡平でも霧で難儀しましたが、あそこは高原だし雲の中に入る事は当然あり得る。しかし、ここからは海岸線を通るはずだし大げさな事言ってるなぁと。そうですか~くらいに聞き流す。
まあ、ちょっと雲が増えてきたかな?くらいに余裕のふりして出発。
ちょっとゆっくりし過ぎた。

竜泊ライン

国道339号、ここは日本でも有数の絶景ラインとして有名だ。それこそ、バイクに乗る者なら憧れの道だ。眺瞰台からはそれはそれは雄大な光景が…
これ。

視程3m

心の目で見ても先が見通せない。雄大な自然に完全敗北。
霧が深過ぎてピントも合わない。これでもまだ、比較的見えてる方。余りに霧が深い所だと、下手に止まったら事故になってしまう。
本当に手の先も見えない程で、前を見ず下に見える道路の白線だけを追って走った。擦れ違いの車も徐行して、お互いヒヤヒヤで通過。
そりゃ、相手も自分を見えているのかすら分からないし。車だと多分ボンネットの先が見えないから、車幅も分からん、道も分からんでもっと怖いと思う。
八幡平が視程10m程度だったが、さらに厳しい環境が数10㎞続いた。
徐々に平衡感覚もおかしくなってくる。
さっきの駐車場で聞いた話は正しかった。すみません、聞き流してました。
徐行しか出来ず、ここでも想像以上に時間を喰う。

海沿いまで降りればさすがに霧は晴れ、曇り空ながらも雄大な景色を堪能。雪と風に晒された荒涼な土地とでも言いましょうか、高い木が生えてない。
それにしても、さっきの峠の緊張で肩が凝った。
スローダウンと観光のし過ぎで、余裕があったはずの行程がかなり押している。この時点で13時。予定の距離の半分も走っていない。かなりマズイ。
もう一度峠道を越え、小泊の街を抜け、再度海岸線へ。
丁字路の一旦停止の横に、有名な「おさかな海岸」と言うお店がある。東北に詳しい友人から、ここには寄ると良いと聞いていたが、止まって飯食う暇はなし。事前に宿を決めていると、こうなってくると追い込まれる。

十三湖

見た目に一つなのに何故に十三湖?
ここはGoogle先生の出番でした。湖への流れ込みが13あることから十三湖。それにしても昔の人は飛行機もないのに、どうやってこの広い湖を調べてそんな正解を出したのやら。
汽水なのでシジミが有名で、近くにしじみラーメンまであった。
因みに、このまま進んで行くと十二湖と言う地名もあります。こちらの説明はリンクからどうぞ。
この先はメロンロードを南下。本当にメロンだらけです。夏はスイカもある。正式名称は屏風山広域農道だそう。湿地と畑のミックスでずーっとフラットでひたすら真っすぐ。
ただし、海からは少し離れてて、そんなに景色は良くない。ここは、津軽屛風山砂丘地帯と言って、長さ30㎞、幅は広くて数㎞にも及ぶ。飛砂を避けるために松林が続いているためだ。
ちょっと休憩を兼ねて、海に寄ってみようと思い、出来る限りの所までバイクで行った。

行けなく…はなさそう

轍が付いているので、車両が行けなくは無さそうだが、先がどうなってるのか全く見当が付かないので、この林の手前にバイクは置いた。海岸まで後ちょっとと言う所で道が開けるが、一気に砂地になっており、もしバイクでここまで来てたら完全にお手上げだった。
多分、ジムニーか何かで入って来て、かなり藻掻いた跡があった。四輪駆動車であの状況では、オンロードタイヤの300㎏のバイクなんて、1㎜も動かん。下手すれば足場悪くて倒したら、起こすことも出来ず詰む。

自分、ナイス判断。

もうすぐ海
高波

観光目的の場所ではないので、見ての通りゴミだらけ。波も高くて白っぽく霞んで見えた。
これは確かに、海水浴とかな雰囲気じゃない。当然、誰もいない。
強いて言えばサーフィン向き?

そして、何か臭うな。と思ったら。

多分、イルカ

浜に打ちあがっていました。こんなに綺麗に何もなくなるもんなのか。
結構歩いて暑かったので、早々にバイクに戻る。

当然、停めた所に自販機がある訳でもなく、詰んだか?と思ったのだが、私は夏に走る時は、緊急用に水を1L以上、飲む予定がなくても荷物に入れている。ケガをしても洗えるし、もちろんこんな時に緊急避難的に飲料水としても使える。バイクが無駄に重たくなる原因だが、誰にも頼れない状況を考えての装備。それ以外にも工具類、パンク修理キット、モバイルバッテリー型のブースター雨具一式等々、片側のケースはそれらで埋まっている。
少なくとも、人のいる所までは自分の力で行けるのが目的だ。

誰も知らない所で、このイルカみたいになりたくないし・・・

五能線

ローカル線の王様、五能線。
岩木山を見終えた後、鰺ヶ沢を抜け日本海側に戻ると、五能線と国道101号が並走する。
もし鉄旅で乗るのなら、やっぱり一番寒い時期に乗りたい。そして、冬の吹雪の日本海が見てみたい。陰鬱なのは想像が付くのだが、そこで強く生きる人たちも見てみたい。
しかし、こんな日本海の吹き曝しの所によく鉄道引いたと思う。当時は当然貨物でも、人の移動でも、必要があったわけだけれども、国鉄とは凄い組織だったなと。
余談だが、四国内もとんでもない山の中に線路を引いている。未だ蒸気機関車時代に作られた土台に、現代の列車が走ってる事が凄い。
鉄道旅に躊躇する理由は、景色が片側しか見れない事。貧乏性なので、景色は全部見たい。鉄道だとどうしても片側に寄ってしまって、何か素晴らしい物を見落としたのではないか?気になる物を素通りしたのじゃないか?と気になって仕方ない。

ジャア オウフクノレバ?

まあ、確かにそうだけど…

五能線

道の駅「ふかうら」で小休憩。
この辺りはイカ焼きが有名だそうで、昼も食べてないし一個行くかと、意気揚々と入ったが、土日しか無いらしく見事敗退。
今日の宿は2食付きプランが取れず、朝付きなのでそろそろ晩御飯を考えないといけない。
温泉地にしても、必ず徒歩圏内にコンビニや居酒屋があるとは限らない。一旦到着して、わざわざまたバイクに乗ってまで、どこかに行くのは絶対に嫌だ。バイクも傍が思うほど、特に大型はそんなに気軽ではないのです。

十二湖駅を通過。駅前には「ぽっぽ茶屋」があります。前回はここに丁度列車が止まり、一斉に乗ってた方が降りて写真を撮ってました。
この辺りが一番五能線らしいのですかね。

ミニラ岩とあるが、全く分からず通過。この手のは結構、あ!そう言う事か!となるまで時間がかかる。
道と線路の場所が入れ替わり、道が海沿いに。瞬間、パッと景色が開けて水平線が綺麗に見渡せる。時間を気にしなくていいのなら、夕日を眺めたい光景だ。
道の駅「はちもりお殿水」に到着。少し早いが、夕食か何か食べる物があればと思い入るが、全くやる気なしで缶コーヒーだけにする。ついでに売ってる割に缶のゴミ箱も無く、中のおばさまに嫌な顔をされながら回収してもらった。
少し山道になり、抜けた所が岩舘と言う地名で、お店も見える。
宿までもう少し。本気で店を探さないとご飯がない。ちょっと色あせたお食事処の看板と、広い駐車場が見えたので入ってみる。
トラック向けの飯屋っぽい感じだ。これぞローカル飯。ただ、こう言う所で現在も営業している所は少ない。しかし、のれんが掛かっているので入ってみる事にした。
チキン野郎な私だが、居酒屋でなくお食事処であれば一人でも行けるのだ。

海鮮丼

ラーメンもカレーもうどんも蕎麦もあるお店。
写真の通り、海鮮丼を食べた。美味い。よくこの手の食事にサーモンが入っているが、私はアレが許せない。
サーモンの殆どは輸入品で、一部が養殖だ。そもそも寿司ネタでもないはず。その点、この海鮮丼はほぼ地元の物で、ネタは日替わり。
味噌汁も出汁が美味しいし、漬物も自家製。しっかりと糠床の匂いもして、田舎感があって、大当たりでした。
店を出て、夜用の飲料を自販機で買ったら1本当たり。取り敢えずジュースを押して、駐車場で遊んでたお店のお孫さんらしき子供にあげた。
こんな事もあるねんな。

宿はほんの数キロ先の温泉ホテル。
部屋は久しぶりの洋室。カーペットとベッドもたまには良き。
日帰り温泉でもあるらしく、ロビーはとても広い。チェックインするとお兄さんから「もう、お食事はお済ですか?」と。
いや、食べられるんかい!
どんだけドキドキしながら探したと思ってるねん。しかも2食付き売ってなかったのに。

でも、風呂も部屋も広くて、綺麗だし快適でした。

森で見かけた花


240㎞ 8時間強

まだまだ7日目に続く


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夏の思い出

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