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韓国映画 バーニング 感想文

作家志望の青年ジョンスは、大学は出たものの就職出来ずフリーターとして生活している。
生きるのが下手な父親は農業に失敗した挙句、傷害事件を起こして裁判中。母親はとっくに出奔。
ある日、ジョンスは幼馴染の女の子ヘミと偶然再会する。
ヘミは、自分がアフリカへ旅に出ている間、飼い猫に餌をあげてほしいとジョンスに頼む。
やがてヘミはベンという青年を連れてアフリカから帰国。
ジョンスはヘミに誘われるまま、裕福なベンと3人で過ごすようになる。
ベンはとても穏やかな口ぶりで「時々ビニールハウスを焼いている」とジョンスに告白。
後日、ヘミが姿を消した。
ジョンスは、家の近くにあるビニールハウスやベンの行動を警戒するようになる。

映画の原作は村上春樹著「納屋を焼く」。
私は作家で「村上」といえば、「龍」派なのだが、主演が若手実力派俳優ユ・アインなのでこの映画を観ることにした。
とても穏やかにストーリーが進んでいくにも関わらず、2時間28分という長さを感じさせない不思議な魅力を持った映画だった。
主演のユ・アインは寡黙で、表情をもってすべてを伝える。
仕事や家族に恵まれない悲壮感は染み渡るよう。
ただ、持ち前の色気や都会的な雰囲気が邪魔をしているのが少し残念。
高級ブランドのモデルもこなす人なので、仕方ないのだが。
冒頭、ヘミと情交しながらソウルタワーを眺めるジョンスを観て、今から始まる物語は現代の「天国と地獄」なのかもと思ったら、まあまあその通りだった。
それにしても、韓国の俳優、女優さんてのは、テレビドラマでキラキラキャラをしていても、映画でかなり突き抜けた芝居をするなあ。
そこがクセになるのだけど。

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