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GAFAの面接術ーその3:こんな質問はされない

はじめに

前回はGAFAの面接術ということで、学歴はチェックされるのか、という点について書きました。今回は履歴書チェックの次の面接について説明します。特に、こんな面接はGAFAではしない、と若干勘違いされていることも含めて書きます。

富士山の動かし方は聞かれない

いわゆるフェルミ推定という問題です。例えばよくあるのが

  • 日本にピアノの調律師は何人いますか?

  • 東京都にガソリンスタンドは何個ありますか?

  • 〇〇市に窓は何枚ありますか?

みたいな問題です。これは答えがあるわけではなくて、どのように推定するのか、その思考プロセスをテストするというのが意図のようです。例えばピアノの調律師だと、まずは人口が日本だと1億2千万ぐらいで、1世帯平均3人とすると、日本に4000万世帯ある。仮に10世帯に1世帯ピアノがあるとすると、日本にピアノは400万台ある。で、ピアノの調律は年に1回だとすると、年に400万回ピアノの調律の需要がある。調律師が一人当たり年間250日働くとして、1日あたり3台ピアノの調律ができるとすると、一人当たり年間で750台の調律ができる。日本にピアノが400万台あるから、400万 / 750 = 5333人存在する、などと推定します。

論理的思考能力を問うものとして、コンサルティング会社とかでは今でも質問されるのかもしれません。

ですがGAFAではまず聞かれません。なぜか。入社後のパフォーマンスとほぼ関係ないことがデータで証明されているからです。

確かに一時期このような質問が流行ったそうです。ですがその結果集まってくるのがいわゆる名門大学の人ばかりで、学業成績は優秀なのでしょうが、中には全然仕事ができない人なんかもいて、困ったそうです。そういえば昔こんな本がありました。

また、ちょうどこんな記事を見つけました。

Facebook、Googleなどのトップ企業の面接で聞かれるちょっと変わった質問とは?

この記事で紹介されている質問の中には、フェルミ推定のような質問が入っています。

  • 都市を一つ選んで、調律師がどれくらいの規模でビジネスをし、どれぐらいの利益をあげているか計算せよ。(Googleのプロダクトマネジャー職)

  • アメリカで一年間に売れるビッグマックの数は?(Facebookのデータサイエンティスト職)

  • シアトルの全ての窓を拭く仕事があるとするとそれはいくらになるでしょうか?(Facaebookのオンラインセールス部署)

ちょっと情報が古いな、という印象です。

クイズ番組ではない

クイズは出しません。同じ記事で恐縮ですが、「なぜマンホールは丸いのでしょうか。」みたいな質問です。ググれば分かります。今はオンラインでの面接も多いので、画面の向こうで調べれば分かるような質問は、時間の無駄なのでしないです。

心理テストではない

またまた同じ記事からで恐縮ですが、「あなたの好きな色は何ですか?」「あなたが木になるとするとそれはどんな木でしょうか?」みたいな質問です。会社によっては適性検査みたいなものを受けさせられることがあるかもしれませんが、その結果で入社の可否を決めてしまうと、性格を理由に不採用にされた、と訴えられかねないのでやりません。

服装のチェックをするほど暇ではない

これはおそらく日本の企業の話なのだと思うのですが、マナー、姿勢、服装などの重要性が説明されています。

「採用される人」が面接会場の扉をノックする前に必ずやっていること

これもGAFAでは見ないです。なぜか。意味がないからです。何度も言うようですが、入社後のパフォーマンスと関係ないことは面接ではチェックしません。そんなに暇ではありません。一点あるとすると、マナーに関して、面接官に暴言を吐くなど社会的に問題のある行動があれば、その点は考慮されると思います。ですが服装で判断すると、それは差別だと訴えられる可能性があるので、外資(特にアメリカ)企業はやりません。新卒採用でもやりません(経験はないですが、禁止事項は共通のため断言できます)。

この記事の中で説明されてるような、姿勢の良さとか、自信に満ちているとか、こう言うのはむしろバイアスを持ち込むものとしてあえて考慮しないようにします。アンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み、偏見)と言って、例えば姿勢が悪いからこの人は仕事ができないのではないか、といった思い込みで間違った判断をしてしまう可能性があります。自社の面接ではむしろ、声があまり出ていないとか、汗を出して緊張しているのが分かる、と言うような場合には、なるべく候補者のベストの状態が出るように、緊張をほぐしてあげるような雰囲気を作る、というようなトレーニングを受けます。

手書きの履歴書はやめて欲しい

面接とはちょっと異なりますが、手書きの履歴書は受け付けていません。IT企業なので、、、と言うだけではなくて、電子的に保存できたりしないと、その後の取り扱いも大変ですし、社内処理も大変になってしまうので、もし万が一手書きの履歴書だったとしても、スキャンしてPDFにして出してもらいます。

以前近所の店で昼飯を食べていた時に、近所の企業に勤めていると思われる二人の社員が、「面接でさー、履歴書が手書きじゃないってありえないよね。」「そうそう、手書きの字がないと、採用していいかどうかなんてわからないよね」「そうそう、字が上手じゃなくても丁寧に書いているとかで、その人が真面目に働く人かどうかって分かるのにね、それがないなんて考えられない」、という驚愕の会話を聞いたことがあります。熟練した人なら筆跡から何かわかるのかもしれませんが、GAFAではやらないです。

まとめ

今回は面接のNG集というか、GAFAでこれは聞かないですよ、と言う質問をまとめました。一時期はやったフェルミ推定とか、クイズとか、心理テストみたいなことはしないです。

じゃあ面接で何を見るのか、という疑問があるかと思うので、次回はGAFAの面接で何を見るのか、と言うことについて書く予定です。

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