見出し画像

GAFAの面接術ーその2:学歴は重要なのか?


はじめに

前回はGAFAの面接術ということで、外資系企業で一般的なジョブ型について説明しました。各採用ポジションに求められる技術、達成して欲しいことなどが決められていて、それができる人を探す、というのがジョブ型です。今回は学歴について、特に私立受験で話題になる大学について書きます。

大学はどれぐらい重要か

結論から言うと、大学名という意味での学歴は見ません。個人的には私は見たことがありません。採用の可否にこの人は〇〇大学だから、ということもないです。理由は大きく2つあります。

1つは、海外の大学出身も多いので大学の名前もレベルも分からないことです。面接する人も含め、応募してくる人の中にも日本以外の国出身の候補者がたくさんいます。例えばアメリカ出身の人が面接者である場合、アメリカの大学名ぐらいはわかるかもしれません。ところが応募してきた人が中国の人であれば、中国の大学のレベルがどうとか、分からないです。私も履歴書を確認していて、ハーバードとか、オックスフォードとか書いてあれば分かりますが、それ以外の大学だと名前もレベルもわからないので、ほぼ参考になりません。

2つ目は、大学名で採用の可否を決めることが、社内のルール上禁止されているからです。なぜなら、もし仮に何々大学以上のレベル(そのレベルの線引きも難しいですが)以外の大学出身の人は採用しない、ということをやると、候補者から訴えられる恐れがあるからです。特にアメリカでは厳しいです。

学歴 != 大学名

では学歴は意味がないのか、というとそんなことはありません。ですが学歴は大学名ではなくて学位を見ます。つまり学士(日本で言う大学4年)なのか、修士なのか、博士なのかです。

これはなぜかというと、前回のジョブ型の話に関わってくるのですが、職種によっては求められる専門性が異なるからです。これは募集の際に、求められるスキルという箇所に最低でも修士、できれば博士が望ましい、と言うように書いてあります。

例えばGAFAのようなテック企業だと、最近ならAIの研究開発という仕事があります。これは最先端のアルゴリズムを自社で開発して、今後のサービスに使えるようにする、といったものです。ボイスアシスタントのための音声認識技術とか、クラウドサービスを提供するためのアルゴリズムなどの開発です。これはやはり大学4年しか通っていません、という人では難しいので、博士課程を修了して、論文を発表して、大学でも教えている、というような人が求められます。

このように外資系の企業では通常学歴というと学位です。大学名でとか、偏差値いくつ以上、みたいな話は間違っても出てこないです。

高校?

高校名を見るという会社もあるようです。やや古い記事も含みますが、「面接、高校」などで検索すると結構出てきます。

個人的には全く見ないですし、会社の面接のトレーニングで高校名を見ること、などというアドバイスもありません。加えて、外資系企業で求められる履歴書には高校名を入れることなどほぼないです。これも大学名と同じ理由で、海外出身の人の高校名を見せられても、それこそ何の情報も得られないです。

今後の記事で、ではGAFAでの面接では何を聞くのか、何をチェックするのか、という説明を詳しくする予定です。おそらく高校名を聞くという会社(人)は、採用基準が会社で定まっていない証拠なのではないか、と個人的には思います。それぞれの社員が独自の「俺が考えた最強面接方法」という全くデータの検証を受けていない出鱈目を言っているだけ、なのではないかなと思います。私が勤めている会社では少なくとも見ません。

ただし、新卒採用については関わったことがないので、もしかしたらやっているのかもしれません。新卒採用に関わったことがある人に聞いた限りでは、高校名をチェックしてます、という人には会ったことがないです。

また、私が面接に参加をするのは書類審査を通った後なので、もしかすると人事部のリクルーター業務をしている人や、社内のシステムで何らかのフィルターがあるのかもしれません。が、これも大学名や高校名でのフィルターは、会社が訴えられるリスクがあるのでほぼないと確信しています。

本当に大学名は関係ないの?

とは言いながら、実は全く大学名が関係ないとも言い切れないことがあります。それはやはり採用するのは人なので、「俺の考えた最強採用基準」のようなものを用いて会社の方針とは異なる採用をする人が、0とは言い切れないからです。

以前私が聞いた話で、ある部署のあるマネージャーのチームには、なぜかT大の人しかいない、ということがありました。噂なので本当かどうかわからないですが、そのマネージャーもT大出身で、あの人は面接でT大の人にしか採用オファーを出さないんだよね、ということでした。ちなみにそのチームは日本人しかいないチームでした。

なのでGAFA企業といえども、運が良ければ(?)、大学名が有利に働くということが可能性としてはかなり低いですがなくもないようです。

まとめ

今回は学歴について説明しました。学歴は大学名ではないこと、大学名や高校名のチェックはしないことを説明しました。今後書く予定ですが、大学名や高校名など見なくても、もっと入社後のパフォーマンスを測る良い方法があります。なのでそんなとこ見ても時間の無駄だし意味がない、というのが個人的な見解です。

次回は、履歴書チェックの次の面接について説明する予定です。特にこんな面接はしない、ということを書くつもりです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?