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みなさまの大切なnoteに私のイラストを選んでいただきありがとうございます。感謝の気持ちをマガジン掲載という形に変えさせていただきました。(#komekoarts イラスト登録中)
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#読書

他人の感情を盗まず生きるには。(葉真中顕『鼓動』を読んで)

先日noteでも紹介した、葉真中顕『ロスト・ケア』。 今春、葉真中さんの新作『鼓動』が発売されたので、読むことに。帯に書かれている「この世界の全部が僕に死ねと言った」という文章が強烈ですが、「引きこもり」という社会課題に真摯に向き合った小説でした。 『鼓動』 (著者:葉真中顕、光文社、2024年) ── 他人の常識(テリトリー)で生きる人たち他人事ではありませんが、いかに自分の常識(テリトリー)で生き続けることが難しいか思い知らされました。 僕は、それなりに自由度が

今日、誰のために生きる?/ひすいこたろう・SHOGEN

いつもだったら、文章をしっかりと読み返して間違いはないかな?こうした方がよく見えるかな?とかあれこれ考えてしまうのだけれども、今回は読んだ時思ったこと、紡いだ言葉をそのままに。 毎日の当たり前がどれだけ素晴らしいものか、すぐそこにある幸せに気づけないとき、この本に戻ってきたいと思いました。今の日本は愛することを忘れてしまっている、少なくとも私は。もっと人間らしく、生きたい。 ブンシュ村では心に余裕を持つことが最も大切なこととされているけれど、今の日本にとって最も大切にされ

無職の時やってよかったこと【5選】

無職卒業から2年。 当時の記憶が薄れないうちに、無職の時やっておいてよかったこと5選をまとめます。 これを実践したおかげ?か、9ヶ月間の無職生活で奇跡的に一度も病んでいません。 まずは会社を辞める前の私のスペックを公開。 じぶんでも「重症だ!!!!」と思うのですが、重症な方が救える人も増えるので前向きにいきます。 それではどうぞ! 1.早寝早起き 「夜遅くまで起きてると、病みますよ?」 夜にできることの大半は非生産的で「病む」の原因になるものばかりです。基本的に

夏から秋への移行雑記と、この静物画が好きすぎる🍁

 やっっと涼しくなりはじめたな〜と思ったら、途端に朝晩の冷え込みと昼間の寒暖差である。体調には気をつけたいが、秋の虫の声がきこえてくるようになって嬉しい。しかしながら、近年の秋はいきなり急降下するようにやってきて、かと思うとあっという間に過ぎ去ってしまう。サーッと獲物をさらってゆく鳶のような、風のような。そのすばやさは私たちに、さみしさを色濃く残してゆく。毎年のように秋が好きだ、君が四季の中で一番好きだと訴えている私の努力もむなしい。  私が小学生くらいの頃はもっとゆっくり

読書細胞

会社の人に本を借りた。本のタイトルはここでは問題ではない。仕事に関係するようでしない、厚みはあるけどさらりと読めるようなそんな本であった。 中途採用、しかも6月。変な時期に入社した私には同僚がいない。ちなみに後輩も入っては辞めていくので同じ部署にはひとりもいない。私のデスクの席順は、先輩。先輩。いっこ飛ばさんと先輩。息詰まるっちゅーねん。入社6年目やねんけど。 まあそういうわけで、私は社内に一緒にランチ行って愚痴を言う相手とかいうのに恵まれず、なんでも話せる先輩というのに

やりたいことはすぐやる。やれないことはすぐあきらめる。

★『87歳、古い団地で愉しむ ひとりの暮らし』多良美智子 こちらの本を読んで、著者の多良美智子さんが日々されていることを、書き留めてみました。 本当はつぶやきで投稿するつもりだったのに、文字数をはるかにオーバーしてしまいました。 いやー、めちゃくちゃお元気でパワフル!! 羅列すると、ものすごい数になりました。年齢を言い訳にしたらダメだなって、実感させられます。 65歳のときには、専門学校に1年通い、調理師免許を取得された経験も。「何歳からでも好きなことを深めていける

読書日記:変身 主軸が家族のグレゴール・ザムザ

 フランツ・カフカの「変身」について私の友人はこう言っていました。 「主人公が朝起きたら巨大な毛虫になり、そのせいで家族に疎まれる。何の救いもなくそのまま死んでしまう、どうしようもない話」  職場の同僚は言いました。 「主人公が虫になって何が伝えたいのかわからなかった」 「ずっと部屋に引きこもって家族を苦しめる、ニートか!?と思った」 「この話は気持ち悪くて嫌い」  私の「変身」に対する期待値はおのずと低くなります。  そんな時、立ち寄った古本屋で解説も収録されている「変

はたらく細胞

こんにちは! 今週は久々に幼稚園が始まり、朝が早くバタバタですが、のんびりする時間があるので嬉しいです😂 子どものマイブーム。 そう、 『はたらく細胞』 です。 『はたらく細胞』とは、漫画が原作で3回アニメ化されている人気作です(1つはスピンオフ)。 私は名前だけ知っていて、見たことはありませんでした。 私の子どもは身体の仕組みについて興味があるらしく、今までも「からだのしくみ」についての図鑑が欲しいとねだられたり…(もちろん買った😇) これだけ興味があるし

焼き芋大好き《サキコ》の初投稿

皆様、初めまして。 本日初投稿させていただきます!! 焼き芋大好き(⋈◍>◡<◍)。✧♡『サキコ』です。 こちらのサイトを使って色々な方の記事に刺激を受けたり、 自分の感じた事、考えた事を記事にしていこうと思っています。 面白い!と思った方は、フォローさせていただきたいと思いますm(_ _)m 一番最初なのでサキコの自己紹介から書いていきます✏ 少しでもいいので、《サキコ》に興味もっていただけたら嬉しいです ( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ ) スキやコメントいただけたら、もっと

貧困と欲望と妊娠と人生 燕は戻ってこない 桐野夏生

代理母と、代理出産を依頼した夫婦の物語である。 代理母となる29歳のリキ、代理出産を依頼する40代と30代の夫婦・草桶基と悠子の三人の視点で描かれている。 燕は戻ってこない桐野夏生 代理出産はこの世の中にすでに存在している「現実」のものである。あくまで日本では代理出産が認められていないというだけで、海外を経由すれば依頼は可能だ。 本の紹介文には「予言的ディストピア」と書かれているが、果たしてこの物語は本当に「予言」なのだろうか? 現代社会の不安や焦燥、格差、困窮、人間

夏の裁断

「奪わたものなど、本当は、とっくの昔に失くしていたのに。」 壊された、と思っていた千紘の心はそれはもうずっと昔に壊れていて埋もれていた心をもう一度ボロボロにして、これでもかというくらいどうても良くなるまで落ちて行って、分かる、分かりますその気持ち。全部が嫌になって幸せが怖くなって、不幸せになるようにわざと自分の心を傷つける。その時には麻酔を打つようにお酒をいれる。こんなこと正しくないと分かっていても苦痛やセックスが生きているという実感をあたえてくれるもの。それを手繰り寄せる

『必要十分生活』を読んで

固定観念を瓦解させるような書籍、学問は良い。 なぜなら自ずから差異を産出できるからである。 そこから飛躍させると、その差異の集合体こそが個性 や個人へとなるのだろう。もちろん思想ありきである。 ただし、新たな価値基準におけるその波状もいずれかは沈静化する。そのことさえ留意しておけばよい。