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【人生で1番苦しかった思い出】 留学中ホストファミリーに家を追い出された話

はじめに

先日投稿したnoteに反応して下さった方、読んでくださった方ありがとうございました。

今日は少し重めの話を書こうと思う。めちゃくちゃ苦しかったし、悲しかったけれど、投稿を読むにあたり、ただ悲しい話や不満を書きたい訳ではないことを知って欲しい。この経験も含めて留学の1年間は本当に大切な経験だったし、そこで得た学びを知ってほしい。

そして、以下の話はあくまでも全て私の視点から語られている話である。ホストファミリーや留学団体の悪口を言うために書いているわけでは無く、16歳だった私の目線から見てどのようなことが起きて、私が何を感じたのか、それをただ書き残したいだけである。

人生で1番苦しかった体験

人生で一番苦しかった体験、留学開始3ヶ月目でホストファミリーに家を追い出されたこと。一日追い出されたとかではなく、友達の家から帰ったら自分の私物が段ボールに全部入れられて、全て道路に放り出されていた。歯ブラシも、サッカーのスパイクもそのまま同じダンボールに投げ入れられていた。家に入って来ないで欲しいと言われ、ホストファザーは家の前に立ち尽くす私にお別れも言いに来なかった。ホストマザーにいい人生を送ってねと一言言われて、彼らの姿を見たのはそれで最後だった。それ以来、今でも全く連絡を取っていない。

背景

高校2年生の夏、小学6年生の時からずっと夢だったアメリカへの交換留学に旅たった。結論から言うと人生で確実に一番濃い一年間で、人生で一番苦しい思い出も楽しい思い出も全部この一年に凝縮されている。
人生で1番苦しい思い出こそが、今日の追い出された話である。

結構から言うと、ホストファミリーと根本的なバリューが合わなかったこと、そして留学に対しての捉え方が全く違ったことが原因で分かり合えず、関係が悪化した結果家から追い出された。

彼らは、留学を通して私に彼らのバリューを学んで欲しいと強く思っていた。特に、環境に対してやキャピタリズムに関してとても強い思想があった。
簡単に彼らの思想を説明するとすると、(過激派)ヒッピーような考え方だ。

例えばどんなことがあったか

例えがないとよくわからないと思うので、いくつか起こった出来事を書きたい。
私がアメリカに到着してすぐ、洋服や学校に必要な物を買うためにアメリカのチェーンであるウォールマートに行きたいと言うと、ウォールマートで買い物をすることに嫌味を言われてしまう。理由は、ウォールマートは環境に悪い上に、中国からの輸入品ばかりで金儲け主義であるからだ。

他にも、ある日サッカーの練習が8時に終わり、バスで家に帰ろうとすると、遅い時間にバスは危ないからという理由でチームメイトの両親が家に送ってくれることになった。家の前で車から降りると、ホストファザーが家から出てきて、チームメイトの父親に私を車で送らずバスで帰らせるように言い口論になってしまった。理由は、車は環境に悪いから、簡単に車に乗って色々な場所に行く人達を良く思っていなく、私も環境負荷の少ない公共交通機関を使うべきだと言った。やっとの思いで作った友達だったのに、それから気まずくなってしまった。

とにかく、反資本主義や環境保護に対する思想がとても強く、少しでも環境負荷をかける生き方をする人やお金儲けをする人を悪とする思想についていけなかった。もちろん、環境について考えることはとても大事だし、自分も今は環境保護にかなり関心がる。ただ、16歳の私にとっては、環境保護をするために留学したのではなく、アメリカの高校生活を満喫することが目的だったので、だんだん関係が崩れていった。

関係の悪化

関係がギクシャクすると、ホストマザーは声を上げるようになり、私もより反抗的になった。留学団体やホストファミリーから日本の家族とは連絡をできるだけ取らないようにと言われていたので、日本の家族にも相談できない時間がしばらくあった。

流石に1人で抱え切れなくなり、やっと姉と母に状況を打ち明け、大泣きしながら夜な夜な電話をした。これからどうしたらいいかや、状況を夜電話で相談していたり、眠れなかったりして、だんだん朝学校の時間に起きることができなくなり、学校に遅刻することが多くなった。成績も下がり、留学団体からは問題児として目をつけられた。夜な夜な電話をしてるから夜は携帯を没収されてしまった。


ホストチェンジへの道のり

ここで1番問題になったのは、ホストファミリーがホストチェンジ(ホストファミリーを変えること)自体に反対していたことだった。明らかにお互い馬が合わないのでホストチェンジをしたいと留学団体に相談したとこと、ホストファミリーはホストチェンジに猛反対し、ホストチェンジするなら日本に私を帰国させるべきだと言った。

だから私はアメリカに残ってホストファミリーを変えたいという主張をし、ホストファミリーと留学団体を説得させなければなければならなかった。ちなみに、ホストステイ中にファミリーを変えることは珍しいことではなく、私の感覚的に10人に1~2人はホストチェンジを経験する。

1番辛かったのは、留学団体で私の担当をしていた担当者さんが、ホストファミリーの見方についたことだった。ある日担当者さんと、ホストペアレンツと私の4人で話し合いをする場が設けられた。そこで私の感じていること、どうしてホストチェンジをしたいかを拙い英語で必死に訴えると、そんな理由かと鼻で笑われた。担当者さんからは、私は学校の成績も望ましくなく、現地の友達を作る努力もしていない、いわゆる問題児で、ホストファミリーを変えたいと言う前にもっと努力するべきだと言われた。確かに学校の勉強はもっと真剣に取り組めたかもしれないけれど、友人を作る努力はしていたし、知らない土地で一生懸命一人で生き抜こうとしている16歳に、1:3になってその対応は正直酷いと思った。

解決しようと思い留学団体に相談すれば敵は増えるし、日本の母と姉に相談すればさらにホストファミリーや留学団体に問題視されるし、父には自分の思いこみと言われるし、学校の先生に訴えてもどうにもできないと言われるし、どうにかしようとすればするほど空回りして泥沼にハマったような感覚で、それ以来大人を信頼できなくなった。

ホストチェンジの判断

そんなホストファミリーとのバタバチの状況は訳1ヶ月ほど続いた。その後、やっと留学担当者さんの上司に当たるエリアマネージャーさんが状況を聞き、私の状況を理解してホストチェンジをするという判断をしてくれた。アメリカに到着してから約3ヶ月のタイミングだった。ホストチェンジをするという決断にホストファミリーは納得がいかず、冒頭のような形で私を追い出すという結果になった。

私はホストチェンジが決まったことを知らされておらず、またまた友人の家に泊まりに行っていた。
友人の家にエリアマネージャーが迎えに来てくれて、家に帰ると荷物が全て道路に出されていた。
エリアマネージャーさんは事前にホストチェンジになったことを知っていたので、帰りの車で私に、ホストファミリーの家に荷物を取りに行こうと言った。
でも流石に、荷物が全部道に出ていたことにはエリアマネージャーさんも驚いていた。

普通はホストチェンジが決定してから荷物をまとめ、次の行き先がある程度確定してから家を出るという流れだが、エリアマネージャーさんに出来るだけ早くホストファミリーの元を離れるべきだと判断したと言われた。
その後数週間エリアマネージャーの家に住まわせてもらった。さらにその後数週間違う留学団体の人の家に住まわせてもらった後に、新しいホストファミリーが見つかった。

この経験から学んだこと

この経験から学んだ1番大切なことは、自分が心からやりたいと思い、自分で決断したことなら辛いことでも乗り越えられるということ。だからこそ、自分が本当にやりたいことをやるべきであるという事だ。

以下は仕事に関して語られているが、Steve Jobsのスタンフォード大卒業式スピーチの中で語られるlove and lossという話に近いものがあると思う。

最悪のできごとに見舞われても、信念を失わないこと。自分の仕事を愛してやまなかったからこそ、前進し続けられたのです。皆さんも大好きなことを見つけてください。仕事でも恋愛でも同じです。仕事は人生の一大事です。やりがいを感じることができるただ一つの方法は、すばらしい仕事だと心底思えることをやることです。そして偉大なことをやり抜くただ一つの道は、仕事を愛することでしょう。
Sometimes life hits you in the head with a brick. Don't lose faith. I'm convinced that the only thing that kept me going was that I loved what I did.

Steve Jobs 米スタンフォード大卒業式(2005年6月)にて

人生で1番辛い経験だったけれど、私は今までずっと夢見ていた留学をしていることへの喜びが強く、一度も諦めようと思わなかったし、留学を中断するなんて思いつきさえしなかった。
どれだけ苦しくても、私は留学という夢の時間を生きていた。
だから何があってもその夢を壊させないと思って諦めなかった。

それ以来、私は自分の好きとか、夢とかそういう感情に耳を傾けて人生の意思決定をしている。
辛い時もその気持ちが1番大きなパワーになると確信しているからだ。
大事な意思決定をする時は、絶対に自分がしたいからやるとかやらないとか続けるとかやめるを決めている。
他人に言われて根性で頑張っても長続きしないってわかっているからだ。

時には、私をワガママと言う人もいる。でも自分の人生なんだからワガママだっていいじゃないか。
だって自分で自分の気持ちに声を傾けなかったら、他に誰が自分の声を聞いてくれるだろうか?もちろん嫌なことを全部拒否してやりたいことだけをやろうと言っている訳ではなく、嫌なことをやる時はその先にしっかりと自分が納得ができる目的があるよう心がけているということだ。

最後に

今でもホストファミリーとの話を考えると涙が止まらなくなるけれど、この経験は私に人生においてとても大事なことを教えてくれた。
だからそれも含めてホストファミリーや支えてくれた人に感謝したい。

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