国語授業研究室

クラスづくり、子ども理解、国語授業研究などの 学校教育に関する発信をします。

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最近の記事

ダイバーシティとウェルビーイングのある空間で学ぶこと

ここでは、東京にて行われたSCHOOL合宿に参加して学んだことについて述べる。 SCHOOLとは学校教員、民間、学生、様々な立場の人とかかわり、あらゆる授業を共創しているまったく新しい学びの集団のことである。 わたしがこのSCHOOLにかかわるきかっけとなったのは、昨年秋にMicrosoft認定教員のTeamsにおいて参加募集があった「こくり100人トークス」の際に、たまたま同じグループにいたプロデューサーの言葉にあった、「先生たちが憧れられるような社会にしたい」という熱い

    • 2023年春、私の国語授業観

      先生方 国語授業研究室のアカウントとしての発信は久しくしてなかったが、いかがお過ごしだろうか。 私はというと、3年間に渡り国語専科として授業づくりをしていく中で、私の国語授業観も大きく揺れ動き、また大きく揺れ戻しを繰り返してきた。 それは、日々いろんな先生方から影響を受けては自分の実践に活かし、目の前の子どもの姿に寄り添っては理想の授業を追求してきた結果であり、またその過程でもあるからである。 しかしそんな中においても、特にこの1年間はICT×国語の授業を切り口に『クリエイテ

      • 5年『なまえつけてよ』で授業開き

        前回挙げた、帰り道の授業開きの記事を投稿したあと、5年生の先生方から、『なまえつけてよ』でも何かいい提案ありませんか?というご質問をいただきました。 4月初めの単元で、あまり教材研究をする時間もないかと思いますので、私の実践例を一つ共有させて頂けたらと思います。 まずは、単元の目標や学習指導要領との関係を簡単にみていきましょう。 『なまえつけてよ』の単元では次のような単元の目標が示されています。 自分の体験を想起しながら、春花や勇太の相互関係や心情を、描写を基に読むこ

        • 光村6年帰り道で授業開き   『あなたはどっちタイプ?』

          本日は久しぶりに6年生の担任になられた先生方 初めて6年生の担任をされる先生方に向けて 光村6年『帰り道』の教材研究と授業実践を こちらで共有させていただきたいと思います。 6年生の初めの教材は令和2年度より 『帰り道』に変わりました。 それまでは『カレーライス』でしたが こちらの教材は5年生の1学期の読書単元に組み込まれています。 帰り道の教材を初めて読んだときに驚いたことは 『1と2のお話が同じ出来事を違う視点から描いている』ということです。 1のお話は『律』の視点

        ダイバーシティとウェルビーイングのある空間で学ぶこと

          大造じいさんとガン×卒業生へ贈る詩

          光村5年の文学教材『大造じいさんとガン』 国語教師の私は一読した時に、やはり美しい表現、色彩豊かな言葉遣い、そういったすぐれた表現が目に飛び込んでくる。 子どもはどうだろうか? どうして大造じいさんは残雪を助けたの? どうして大造じいさんは残雪をうたなかったの?  どうして残雪は囮のがんを助けたの? 子どもは多くの場合このような内容面に関する問いを持つ。 そして、子どもの問いに正対して授業を創っていくと、そのような美しい表現には目もくれずに読みが進んでいく。 そして、

          大造じいさんとガン×卒業生へ贈る詩

          やまなしの授業を振り返って

          初めて光村の教科書にやまなしが掲載されたのはいつからだろうか。調べてみると1970年、今から50年前に掲載されたそうだ。 ごんぎつねが1971年からということを踏まえると、少なくとも光村においてはやまなしが1番古くからずっと掲載されている作品ということになる。(他社のことまでは不勉強なので、わからない。) どうして、50年もの間この教材が教科書で扱われるのか。きっと何か理由があるはずだ。私は読み手が抱く主題の多様性がその理由の一つではないかと考える。 主題というのは書き

          やまなしの授業を振り返って

          固有種が教えてくれること 実践を終えて

          新単元の固有種が教えてくれること 昨年まではここに天気を予想するという説明文がありましたね。 天気を予想するは、自分にとっても空を見て風を感じて天気を予想するという体験ができることからも、子どもにとってそう遠くない話題でした。また理科との関連もあったので、グラフや表を見ようとする子も多かった印象です。 それに比べて、固有種が教えてくれることはどうでしょうか? そもそも、動物に興味がない子もいる中で固有種という生活とは全く遠い存在のことについて書かれた文です。 ざんねんな生

          固有種が教えてくれること 実践を終えて

          たずねびとの授業実践を終えて

          今日は5年『たずねびと』の授業実践を振り返ります。 1.問いランキング作り私の授業では、1時間目に全文を全員で読みながら、疑問に思う文に赤線を引かせます。 その文をもとに、子どもの問いを出させるようにします。たくさんでますが、分類したり仲間分けしたりしながら、3つの問いをこちらで絞ります。 この物語は一人称綾視点で描かれているため、文章がそのまま問いになっているところが、3箇所あります。 アヤちゃんのことどうして何十年もだれも探しにこないのかな。(p.110ー2行目)

          たずねびとの授業実践を終えて

          5年 和語・漢語・外来語

          みなさん、学校が再開していかがお過ごしでしょうか? 私はというと、国語授業をやっと子どもたちとともにできることがうれしくてうれしくて、毎日楽しく授業させていただいてます。 今日は、和語漢語外来語の授業づくりをどうしていますか?という質問をTwitterのDMからいただいてましたので、先日実際に行った授業を振り返りながらこちらで紹介させていただきます。 まず、大前提としてこの単元は知識理解の部分に関しては教科書を使って教えます。 和語が訓読み 漢語が音読み 外来語が

          5年 和語・漢語・外来語

          分散登校対応、会えなくても、つながる授業提案

          さて、いよいよ分散登校が始まりました。 しかし、1番私が気になっていることは、クラスのつながりの持たせ方です。 Aチームの子どもは、Bチームの友だちに全く会えません。その逆も然りです。しかし、新しいクラスの始まりにおいて、全く会えない友だちに対して何もつながりを持たないまま過ごすというのはどうにかして、避けなければなりません。 今日は、会えなくてもつながりを持たすことのできる国語科における提案授業をここで紹介します。 私もこれから実践するところですので、検証はできてい

          分散登校対応、会えなくても、つながる授業提案

          ファンタジー作品ってどう読むの?

          みなさんこんにちは。 いよいよ休校から分散登校へ変わり、また一つ新しい教育の世界がスタートしようとしています。 国語の教材研究をこの休校期間中に進めていましたので、その中からいくつか発信したいと思います。 さて、先日とあるコメントを拝見しました。 『プラタナスの木がどうしたらいいのかわかりません。』ということでした。 プラタナスの木は光村4年の文学的な文章の教材です。 白いぼうし、プラタナスの木、初雪降る日、、、 これらは全て光村4年の教材です。 光村4年の教

          ファンタジー作品ってどう読むの?

          年度初めへの引き継ぎの話

          お久しぶりです。 いよいよもうすぐ新学期ですね。 3月はいろんなことがありました。休校措置、卒業式、春休み、、、先生方はお元気に過ごされてますか? このブログもありがたいことに60名以上のフォロワーさん、しかもこの春初任者として赴任される先生方(今は学生さんかな?)も多数ご覧になってくださっているということで、嬉しく思います。 ありがとうございます。 私はというと、この春休みは読書、新教材分析、新教材資料づくりに奔走しておりました。なかなかインプットし続けていたので、

          年度初めへの引き継ぎの話

          光村5年 言葉の意味がわかること

          5年生1学期の説明文教材にあたる、『見立てる~言葉の意味がわかること』の単元計画を考えてみました。 ちなみに、昨年までは見立てる〜生き物は円柱形でしたが、今回の教科書の改編によって生き物は円柱形から、言葉の意味がわかることに変わっていますので、まだ準備されていない先生方は参考にしていただけるかと思います。 個人的には、円柱形の時よりも難易度はグッと上がっているように思います。理由は大きく2つあります。 1つ目は『抽象的な表現が多いこと』にあります。生き物は円柱形は、動物

          光村5年 言葉の意味がわかること

          年度末の業務&新年度準備

          コロナウイルスの影響で、休校になりました。 明日から学校でどのように過ごしますか? あえて少し前向きに捉えると年度末の業務と新学期準備をする時間にゆとりを持つことができるかと思います。 初任の先生にとっては、年度末に何をするのかもわからないまま不安に思っておられることも考えられますので、大まかにまとめてみました。 年度末にやることリスト ☑︎通知表 ☑︎指導要録 ☑︎個別の教育支援計画 ☑︎引き継ぎ文書 ☑︎作品整理 ☑︎クラス分け ☑︎教材整理 ☑︎机や椅子の確保

          年度末の業務&新年度準備

          朝の会と帰りの会で思考をのばすルーティーン

          皆さんのクラスでは朝の会や帰りの会で何をしていますか? 貴重な時間を宿題チェックや健康チェック、先生のお話だけで終わっていませんか? それでは、5Gの学校においては通用しません。 朝は思考力を高めるルーティーンを、帰りは、思考力を発揮して帰る。 そんな時間にしていくことを目的としています。 例えば、うちのクラスでは、毎朝子どもの言葉に耳を傾けるトレーニングをしています。 教師も一緒に考えますが、問題も回答も子どもが主役です。 どんなゲームかというと、、、、 聖徳太

          朝の会と帰りの会で思考をのばすルーティーン

          筑波大学附属小学校公開授業   算数科『授業スタンダードを考える』

          『盛山先生の授業からの学び』 ①わからない子がわからないといえるクラス →何がわからないか正対すること ②割合の割合 →二回かけることへの意味理解 ③中間地点の模索 →1000円より安いか、高いかによって、お得度が違う ④問いの連続発展 →子どもの思考ベイスの授業コーディネート ⑤図による理解の深まり →もとにする量が異なるときの数直線の工夫 ⑥つなぐ発問 →一人に言わせるのではなく、続き言える人?と交流へ展開 ⑦ミスリードによるゆさぶりのうまさ →同じということは、クレジッ

          筑波大学附属小学校公開授業   算数科『授業スタンダードを考える』