光村5年　言葉の意味がわかること

5年生1学期の説明文教材にあたる、『見立てる～言葉の意味がわかること』の単元計画を考えてみました。

ちなみに、昨年までは見立てる〜生き物は円柱形でしたが、今回の教科書の改編によって生き物は円柱形から、言葉の意味がわかることに変わっていますので、まだ準備されていない先生方は参考にしていただけるかと思います。

個人的には、円柱形の時よりも難易度はグッと上がっているように思います。理由は大きく2つあります。

1つ目は『抽象的な表現が多いこと』にあります。生き物は円柱形は、動物やチョウや葉のように身近で具体的なものを例に展開されていましたが、言葉の意味がわかることでは、言葉という目には見えないものに終始しているところが子どもには難しいように思うだろうと思います。面や広がりという抽象的な表現をどのように解釈していくかが、読み解く上での鍵となりそうです。

2つ目に、事例と意見の関係だけでなく、事例と事例をつなぐ段落が入ったことです。これは生き物は円柱形にはなかった書きぶりの工夫となっています。5段落をどのように扱うかは私も悩んでいますので、ぜひご指導いただきたいです。

私なりに、今回は下の画像のように構造化してみました。(保存していただいても構いませんが、これが正しいかどうかはわかりません。責任は負いません。)

ちなみに、この分析方法は桃山学院教育大学教授の二瓶弘行先生の説明文のおうちの理論を参考に分析しています。

単元計画は見立てると合わせて全７時間となっています。

単元目標は次のように設定しています。
・文章全体の構成を捉える。
・段落ごとに要約する。
・要旨を短くまとめる。
・批判読みを通して自分の考えをもつ。

簡単に1時間目から7時間目の流れを考えてみました。

1時間目：見立てるを構造化する。

・序論本論結論にわけるならどこでわける？
・１が序論，２～５が本論，６が結論
・１には，話題提示，問いなげかけ，はじめのまとめ，６にはおわりのまとめ，筆者の思いや考えがかかれていることを取り上げる。

2時間目：文章の構成図を考える。批判読みをする。
予想される子どもの問い
・4段落と，5段落が並列関係になっているか？
・自然→生活の順に６段落が対応しているなあ。

批判読みで教師が設定する問い
『野口さんにアドバイスするなら，～だよ。』

予想される子どもの言葉
例）3段落の必要性はあるのでしょうか？私は6段落と重複しているところがあると思います。なぜなら～だからです。
例）5段落は必要でしょうか？もちろん，日本だけよりも世界のことを付け足すことで，説得力が増すかもしれません。しかし，～見方もあると思います。
例）あやとりだけの事例でいいのでしょうか？見立てるという行為は他の場面でもしています。例えば～。
などを取り上げ批判読みを素地をもたせておく。

3時間目：言葉の意味が分かることへ問いを持つ。
・予想される子どもの問い
・言葉の意味はどうしたらわかるのか？
・言葉の広がりとは何か？
・言葉の面とは何か？
・日本語と外国語ではイートと食べる以外にどんな違いがあるのか。
・言葉の意味が分かることって結局どういうことなのか？など

４時間目：序論本論結論にわけて構造化する。
・１，２が序論，３～１０が本論，１１，１２が結論であることを，見立てるの学びをふりかえって話し合いで決めていく。

５時間目：事例と意見の関係を詳しく読む。
・事例①が「コップ」の話
・事例②が「かむ」と「ふむ」の言い間違いの話
・事例③が日本語とほかの言語との違いの話。

６時間目：３時間目の問いについて振り返る。要旨をまとめる。新たな問いをもつ。
予想される要旨：言葉の意味がわかることというのは、言葉の意味の「範囲」や「面」を理解することが大切である。
予想される問い：範囲とか面って具体的になんなのか？

７時間目：批判読みをする。６時間目の問いを振り返る。

予想される批判読み
・範囲っていうのは，「食べる」と表現することの範囲に「スープを食べる」は入っていないことはわかったけど，ほかの言葉の事例がないからわかりにくいなあ。
・範囲と面ってどうちがうのか？
持つ，かかえる，せおうっていうのは「範囲」の話なのか？「面」の話をしているのか？

ここまでで7時間となります。

来年度の国語の新教材は全部で10個あります。(光村図書を採用されている学校の場合)

先生方と意見交換しながら、授業づくりについて深めていきたいです。

ご意見お待ちしています！

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よかったら、見立てるの分析も参考にしてください↓

国語授業研究室