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国語の文法まとめ【その7】 〜形容詞と形容動詞〜

 今回扱う内容は、形容詞・形容動詞の特徴、活用について、補助形容詞についてです。形容詞と形容動詞には、共通点と相違点がそれぞれあります。正確に覚えましょう!


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形容詞・形容動詞とは

 形容詞も形容動詞も、人やものの性質、状態、感情などを表す単語で、活用する自立語です。動詞と同じく用言になることができます。それだけで修飾語になることもできます
 形容詞と形容動詞の違いは言い切りの形や活用したときの活用語尾にあります。形容詞の言い切りの形は「い」で終わり、形容動詞の言い切りの形は「だ」、「です」で終わります。活用の種類は形容詞は1種類、形容動詞は「だ」のパターンと「です」のパターンでそれぞれ1種類です。

※形容詞を「広い」、「暑い」、「赤い」などのような「〜い」になる形と、「美しい」、「嬉しい」、「悲しい」などのような「〜しい」になる形とに分けることもできますが、どちらも活用語尾は同じです。


形容詞と形容動詞の活用

画像1

(相変わらず画質がイマイチで申し訳ないです)

 用言の活用についてチェックしていく前に、活用表を理解し覚えるうえで必要な文法用語をおさらいしておきましょう。「国語の文法まとめ【その5】 〜単語の活用と動詞について〜」で紹介した内容と共通する部分もありますが、形容詞・形容動詞ならではの学習ポイントもあるので、上の活用表の画像と見比べながら確認してみてください!


○基本形(活用表のオレンジ色の枠内)
→辞書に載っているような形、言い切りの形と考えてよいです。

○語幹(活用表の赤色の枠内)
→基本形のうち、単語の形が変化しない部分のことです。

○活用語尾(活用表の色がついていない枠内)
→基本形のうち、単語の形が変化する部分のことです。動詞のときは「主な続き方(活用表の青色の枠内)」を暗記して活用の種類を判断していきましたが、形容詞・形容動詞の場合は活用語尾のほうを覚えていくことになります。

「かろ/かっ・く・う/い/い/けれ/○」(形容詞)
「だろ/だっ・で・に/だ/な/なら/○」(形容動詞)
「でしょ/でし/です/です/○/○」(形容動詞)

と、声に出したり紙に書いたりしながら、覚えていきましょう!

○活用形(活用表の緑色の枠内)
→あとに続く言葉(活用表の青色の枠内)によって6つの形に変化します。

未然形:「う」に続く。
連用形:「た」や「ない」、「なる」に続く。
終止形:言い切りの形。「。」で終わる。
連体形:「とき」、「ので」に続く。
仮定形:「ば」に続く。
命令形:形容詞・形容動詞に命令形はない。

 形容詞の連用形の中に「(う)」とありますが、これは形容詞の音便です。ウ音便といいます。このあとには「ございます」や「存じます」が続きます。単語によって少し形が変わってくるので気をつけてください。

〈具体例〉
「寒い」→「寒うございます」
「早い(はやい)」→「早うございます(はようございます)」
「美しい」→「美しゅうございます」

※古文の時間に「歴史的仮名遣い」を勉強したと思いますが、その考え方と同じです
○アウ→オウ
「はやうございます」→「はようございます」

○シウ→シュウ
「美しうございます」→「美しゅうございます」


形容詞・形容動詞の具体例

〈形容詞の具体例〉
明るい―暗い
新しい―古い
温かい―冷たい
暖かい―涼しい
暑い―寒い
熱い―冷たい
厚い―薄い
美しい―醜い
大きい―小さい
重い―軽い
硬い―柔らかい
厳しい―優しい
高い―低い
高い―安い
近い―遠い
強い―弱い
長い―短い
早い―遅い
速い―遅い
広い―狭い
太い―細い
古い―新しい
難しい―易しい
良い―悪い

赤い、青い、白い、黒い、甘い、苦い、辛い、危ない、忙しい、偉い、悲しい、楽しい、嬉しい、面白い、怖い、恐ろしい、寂しい、正しい、眠い、ひどい、珍しい、若い

※反対の意味になるような言葉や、同じような意味になる言葉など、セットで覚えてみるのも良いでしょう。

〈形容動詞の具体例〉
明らかだ、安心だ、嫌だ、穏やかだ、きれいだ、幸せだ、静かだ、邪魔だ、十分だ、親切だ、好きだ、健やかだ、スマートだ、大丈夫だ、大切だ、特別だ、にぎやかだ、熱心だ、華やかだ、必要だ、暇だ、複雑だ、不便だ、下手だ、変だ、ほがらかだ、真面目だ、無理だ、有名だ、ラッキーだ

※「和語」、「漢語+だ」、「外来語+だ」の3種類に分けられる。


補助形容詞

 補助動詞と同じく、もともとの意味が薄くなり、直前の文節の意味を補うために用いられます。

〈具体例〉
「買ってほしい
「帰ってよい
「眠くない

 「おもちゃが欲しい」、「イメージが良い」、「お金がない」などといった使い方のとき(もともとの意味)と比べると少し意味が薄くなっています。
 かぎ括弧の部分は連文節になっています。補助動詞と同じで、ひらがなで書くことが多いです。補助形容詞は、具体例で挙げた3つを覚えておけば大丈夫だと思います。


形容動詞のこそあど言葉(2020年4月30日加筆)

 「こそあど言葉」というのは聞いたことがありますか?いろいろな種類がありますが、ここでは形容動詞に分類されるこそあど言葉を紹介します(少ないですが……)。

こんなだ【近称】/そんなだ【中称】/あんなだ【遠称】/どんなだ【不定称】

以上!少ない!


→他にも「指示代名詞のこそあど言葉」、「副詞のこそあど言葉」、「連体詞のこそあど言葉」があります。その都度紹介していくのでお楽しみに。また、「近称」等の用語については「国語の文法まとめ【その9】 〜名詞〜」の「指示代名詞のこそあど言葉」と一緒に紹介しています。


 今回のnoteはここまで。次回はここまでの簡単なまとめと、単語の識別(ややこしい形の見分け方)についてを予定しています。よろしければまた読んでいただけると嬉しいです!

 誤字・脱字等があれば、気づき次第修正していきます。


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