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「劣等感で生きるのが辛い人」へ楽になる方法【アドラー心理学】


今回の記事では、「劣等感で生きるのが辛い人」へ向けて、劣等感との向き合い方を【アドラー心理学】の教えを用いて解説致します。

私自身も周りと自分を比べて強い劣等感を抱えた辛い時期がありました。
その辛い時期に巡り合えたのが【アドラー心理学】でした。【アドラー心理学】を学んでいるうちに少しずつ自分の考え方も変わり、今では、かなり生きることが楽になりました。
拙い文章ではありますが、学んだことを皆さんと共有し、少しでも心が楽になって頂ければ幸いです。

1.劣等感とは!?


劣等感は主に3つに分けられます。

①器官劣等性
⇨身体の感覚器官や内臓、骨格など身体に生まれ   ながらの障害があること
⇨あるいは人生の途中でハンディキャップを持ってしまった事実のこと

②劣等感
⇨主観的に自分が何らかの属性が劣っていると感じること。
⇨他者との比較
⇨理想の自分と現在の自分とのギャップに直面した時に抱く陰性感情のこと

③劣等コンプレックス
⇨劣等感を口実に人生で取り組まなければならない課題を避ける勇気の欠けた態度や行動のこと
⇨「異常な劣等感」で過度な状態

※劣等の反対の「優越コンプレックス」もあり、自分は優れているとひけらかす態度や行動をとります。根本は「劣等コンプレックス」と同じ勇気の欠如の表れ。

①は客観的事実に対して②.③は主観的となります。


なぜ!?劣等感を感じるのか?

人は本能的に優越性の追求をするものです。周りより優れていたいと周りと比べたり、理想の自分と現実を比較してしまいます。その結果、劣等感が生じてしまいます。

しかし、劣等感は人間が成長する為には、欠かせないものであり、健全な証拠とも言われています。
劣等感をバネに目標としている理想の自分に向かって行動することは、人間をより発展させ、成長に繋がります。その為、劣等感を抱くことは悪いことではないと【アドラー心理学】ではいわれています。


ただ、劣等感を理由に人生の課題から逃げてしまったり、動けなくなる
【劣等コンプレックス】は克服すべき
対象です。

“「周りと比べて自分はダメダメだ。どうせアイツには勝てない。だからもう行動しない•••」

社会人入りたての私は当時こう思っていました。「劣等コンプレックス」バリバリですね(笑)

しかし、私と共通するADHDを持っていたとされるエジソンの言葉にハッとさせられました。
発明家のエジソンは、何度も失敗を繰り返しましたが、失敗と捉えず、

「私はくじけない。なぜなら捨ててきたあらゆる間違った試みは、前進に向かっての次の一歩だから」

と言葉を残しています。

もし失敗しても、そこからどう行動するか、全ては自分が判断し選択する権利を持っています。あらゆる局面で壁にぶつかった後に、壁を前に動かないネガティブな対応をするのも、壁を打ち破ったり、登って越えたり、他の道を探す等の前に向かうポジティブな対応をするのも常に自分が選択するものだと気が付きました。

簡単にまとめると•••

“失敗してしまっても、
その失敗を学びと捉えて前進するか?、
劣等コンプレックスとして行動を止めるか?
全ては自分で選択できます“

結局は劣等感•劣等コンプレックスは「主観的な解釈に過ぎない」のです。
なので本人の考え方でいくらでも変更が可能!となります。


では、次からどのようにして劣等コンプレックスに向き合えば良いのか?を記します。


2.自分の世界(他者)に対する歪んだ考えに気づこう!


今回では詳しく自身特有の見方•考え方•価値観に気づき、見直すための「ベイシック・ミステイクス(基本的な誤り)」について解説します。


ベイシック•ミステイクスとは!?

人はその人特有の見方があり、人によりポジティブやネガティブにも捉えます。
人から注意を受けただけでも、その人によればピンチの場面となり、そういったピンチの場面に歪んだ認知・思考が働くことを「ベイシック・ミステイクス」といいます。これは、自分自身を苦しめたり、周囲との摩擦を生んでしまう原因となります。



「ベイシック・ミステイクス」には5つ代表的なものがあります。

1つめは「決めつけ」です。
″可能性に過ぎないのに自分で勝手に決めつける“

(例)
一つの注意を受けただけなのに、「自分はダメなセラピストだ。」と自分の価値観で決めつけてしまうこと。

2つ目に「誇張」
“物事を拡大解釈し、5のものをまるで10のように大袈裟に捉える“

(例)
一人の上司から叱咤を受けただけなのに、「きっと周りの先輩や同僚も皆、自分に怒っているに違いない。」とまるで全員が上司のように思っていると、現実を誇張して受け取ること。

3つ目に「見落とし」
“ある部分だけを見て大事な側面を見落とす“

(例)
一人の上司に叱咤されただけで、周りの皆が反対する人ばかりと思ってしまったが、自分に共感してくれる先輩や同僚がいるという事実に意識が向かず見落としてしまうこと。

4つめに「過度の一般化」
“ある領域だけが問題であるのに、他の領域もすべて問題視してしまう“

(例)
一つの問題点を注意を受けただけなのに、「自分みたいな人間はもう何もしない方が良い」と自分の人格・存在が全部ダメであるように一般化してしまうこと。

5つめ「誤った価値観」
“私には価値がないと自滅的で破壊的な支離滅裂な考えをする“

(例)
注意を受け、「自分は無価値で会社にいたら迷惑がかかる。自分はもう必要ない。」最悪では、「生きていても仕方がない」と考えてしまうこと。


このように人は追いつめられると冷静な判断が出来なくなり、たった一度の失敗で5つのような思考に陥る人もいます。かくゆう私もそうでした。

まずは自分の歪んだ考え方に気づいていくことからはじめ、少しずつでも考え方を変えていくことが大切です。

では、歪んだ考え方を変えていく為に「対人関係の考え方」について述べます。

3.対人関係の考え方

理想の自分との比較による劣等感は健全であるとアドラーは述べています。

しかし、他人と比べて、勝ち負けやあいつより優れている、劣っているなどの競争意識の中から発生する劣等感は不健全で劣等コンプレックスの中に、はまっていくと言われています。

「自分と他人をすぐに比べてしまう・・・」

なぜ?このように考えてしまう癖がついたのかと言うと•••

日本に住んでいる私たちは小さな頃から他人と競争して生きています。
テストで良い点を取ると褒められ、受験で良い大学を出ると尊敬されます。
その為、「競争に勝てば周りから認められる」と無意識に考え、他人よりも優れていたいと思うようになります。
ですが、このような競争意識が強すぎると人は悩みを抱えやすくなります。

競争には勝つ人がいれば、負ける人も必ずいます。
競争意識が強い人は周りが競争相手。つまりは敵に見えています。
そして人より優れていなければと考えているので自分が上にいないと安心できないようになっています。
しかし、人生において一生勝ち続けるなんてほぼほぼ無理な話です。どんなに優れた人でも、上には上がいますし、いつかは追い抜かれることもあります。
他人と比べることが癖づくと敗北感を味わい続けることになるので、人生が生き苦しくなります。

では、どうすればいいのか•••?

それは「他人ではなく、自分自身と比べる」

アドラーは健全な劣等感は自分自身との比較から生まれると言っています。
他人との比較は、負ければ劣等コンプレックスに陥りやすくなりますし、今は勝っていても、いつ追い抜かれるか分からないので、心に余裕を持つことが出来なくなります。

だから比べるべきは、「他人ではなく過去や未来の自分」
こうなりたいという未来の自分をイメージしましょう。

今の自分と理想の自分を分析して、理想の自分に近づけた今の自分を過去の自分と比べることです。以前の自分と比べて、こんなことが出来るようになった。昨日の自分より本を1ページ読んで少し知識を得た。こう思えれば理想の自分に少しずつでも近づいている証拠です。
小さな積み重ねを続けることが成長の為の大きな一歩です。そうしていると、いつの間にか過去の自分よりも今の自分は大きく成長していると思います。

私は他人ではなく過去や未来の自分を意識するようになって、他人と自分を比べて悩むことも少なくなりました。
他人との勝ち負けにはキリありません。他人のことを見ても他人に勝つことが目的となり、本来の自分の目的を見失ってしまう。本当に自分がしたかったことなのか?また、成長しているのか?分からなくなってしまいます。

「昨日までの自分を越えろ」
HondaのCMより

自分にとっての目的を定め、前に進むこと!が大切です。

他人と自分を比べて悩んでいる人に、自分と向き合うことで幸せになって欲しいです。


簡単にまとめると•••

1.他人と比較すると自分が辛くなりがち
2.一生競争に勝つ続けることはほぼ不可能
3.比べるべきは過去の自分と未来の自分



4.自分という人間を受け入れよう!

「自分が特別で無いと嫌だ。」
「自分は、他人よりも上へ上がっていくんだ!」

と言う願いは誰もが実は持っている願望だと思います。
しかし、そもそもが無理な願いなのです。
上には上が居て、一生勝ち続けることはほぼ不可能です。

アドラーは【人との間に優劣など無く、縦の関係に囚われるのでは無く横の関係を築くことが大切】と述べています。(詳しくはまた別の記事で。)

ただ、大事な事に気づくべきです。
あなたも他人も1人1人が特別な存在であると言う明らかな事実があります。
誰も他人にはなれませんし、あなたにはなれません。
あなた自身がかけがえの無い特別な存在です。


SMAPの歌にもありますね。

゛ナンバーワンにならなくてもいい。もともと特別なオンリーワン゛

もともと特別な自分なのですから、かけがえのない自分という人間を受け入れて自分らしく生きていきましょう!!


最後まで読んで頂いてありがとうございました。

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