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【連載】家族会議『同じ思いがあっても』
「親戚で一番幸せな家族になろうよ」のひと言から始まったわが家の家族会議。その様子を、録音記録をもとに書き記しています。
前回の記事はこちら。
【家族構成】
父:自己愛性パーソナリティ障害。頭に血が上ると大声で威圧する。
母:自己肯定感が低い。自分の意見を言えない。
姉:うつサバイバー。心理カウンセラーをしている。
わたし:性犯罪サバイバー。家族会議を主導する。
※遠方に住む姉は家族会議には参加していない。
※家族会議の目的は、夫婦仲の改善と、うつを抱える姉の気持ちをわかってあげられるようになることである。
家族会議8日目#1|同じ思いがあっても
――家族会議は8日目に突入した。
わたし:
なんか、今朝お父さんと話してたことを、ざっくり話したいなと思っているんだけど。健康維持に対する考え方。
母:
お父さんの?
わたし:
うん。その辺が伝わってないかもねって。
母:
うん、聞いてみたいです。
わたし:
うん。「お父さんも健康で長生きしたいって思ってるんだよね?」って聞いたら、「それはもちろん思ってる」って。
昨日(の家族会議で)もそういうことを言ってはいるんだけど、なんか伝わってこなかったなと思って。なんか昨日、あんまりいい感じじゃなかったよね。
母:
曖昧っぽい感じっていうか。
わたし:
全体的にね。
母
なんかあんまり、生きる気ないような
父:
昨日の夜の話でしょ?昨日の夜の話は、生きる話が云々じゃなくって、ちょっとヒートアップしちゃって。
母:
お父さんが?
父:
うん。だから、本質的に今の話とはずれてると思う。本音を話してるような感じなんだけど
母:
お父さんの本当の気持ちから、ちょっとずれたことを言ったよってこと?
父:
カッカしちゃって、怒りが前に出ちゃって。
わたし:
わたしも昨日、うまく話せなかったなって思ってて。でも朝、改めて聞いたら、お父さんももちろん健康で長生き、あの「ぽっくり逝きたい」じゃないけどさ、そういう想いがあるってことなんだよね。あるって言ってた。
母:
うん。そうか。
わたし:
だから、そのために運動しなきゃいけないなっていう意識はちゃんと持ってる。っていうことだった。
母:
思うんですが、あんまり生きる意欲ないのかな、みたいに感じてたの。今まで。お父さんのいろんな話とか、運動に対する感じとか。だからうーんうーん・・・って感じだった。
わたし:
うん、(健康意識は)ある。でもさ、それに対しての進み方っていうか、努力の仕方っていうか。超ストイックにやる人と、そういう意識もありつつ、そこまでストイックに考えない人もいるわけじゃん?お母さんはおそらく結構ストイック。きっちりきっちりやりたいタイプ。でもお父さんはそこまでじゃないっていうだけであって、意識はちゃんとある。ネガティブなわけじゃない。健康に対してね。
母:
ネガティブっぽく捉えてた。
わたし:
やんなきゃとは思ってる。ってことだよね。
母:
そうなんだ。わかりました。
――父は健康番組が大好きだし、健康で長生きしたい意識はある。それは確かにあると思う。
わたし:
で、昨日の録音を聞き直して思ったのは、先々の話をしてたなって。「健康で長生きしたいとは思ってても、そうならない可能性もある」って。
母:
何歳まで生きるかとかっていう話?
わたし:
それもだけど。「健康で長生きはしたいんだけど、そうやって今いろいろやったとしても、その先、結果的に寝たきりになるかもしれない。」っていう話があって。
何か、昨日はそこにポイントが置かれちゃってた。
で、結果的に寝たきりになったときに、「それも責めるの?」みたいな話になってたの。
母:
「それも責めるの?」っていうのは?
わたし:
頑張っても寝たきりになっちゃうこともあるけど、「それも許さない」って、お母さんに言われてるような感じかな。
お父さんとしては「それって仕方ないことでしょ?」みたいな。なのに「それもダメ」って、お母さんに言われてるようにお父さんが感じてて。
だからその辺で、ごちゃごちゃしちゃってるんだなっていうのが、録音聞きなおしてわかった感じがした。
だから今、お互いが理解するのは、先々の話じゃなくて、そのベースだよね。健康で長生きしたいっていう、同じ思いがあるかどうかを確認すればいい。
母:
そうか。
わたし:
その先のことはやっぱわかんない。
母:
わかんないね、誰にも。
わたし:
先のことを考えながら努力するんだけどね。
それが、先々どうなるのかの話にまでなると、「介護は嫌だよ」「嫌だって言うんだったら、長生きしたくない」みたいな、ネガティブな展開になっていくから。
母:
そうなってたんだね。
わたし:
今までも、そうなんだと思うんだけど。
お母さんは先のことまで考えて、リスクを避けようと思っていろいろ提案したりする。でお父さんは「先のことなんてわかんないんだろう?」みたいな反発になる。で、ごちゃごちゃしていく。
だけど大事なのは、健康で長生きしたいという思いが、2人に同じようにあるっていうことかなって。
母:
そっか、そうなんだね。
わたし:
お父さんもその気持ちは持ってる。
父:
すごい分析力だ。
わたし:
お母さんも持ってる。ってこと。
母:
なんだっけ、健康で長生きしたいから今やる努力みたいなのがあって、だけど実際、その先はわからないよ。というのは確かにわからない。けども、努力しないでなるのと、努力した結果なってしまったのでは…。
努力した結果なったのはしょうがない。なったらなったでそのとき、それなりの対処をするってことだけど、なんか努力しないでなっちゃう。みすみす。努力しないでなっちゃうっていうのが…。
すればもうちょっと何とかなるかもしれないのに、しないでどうかなっちゃうっていうのがすごい不安。っていうか、もったいないっていうか。
父:
そこがさっき泉が言ったね、ストイックの性格かどうかというところに現れて。
お父さんは、そこまでストイックじゃないんだ。だから戻すとね、ストイックにやってもどうにもならないことがあると。俺のようにやってもどうにもならないことがあると。それは誰にもわからないことだから。
ただ、長生きしたいという共通の願望は一緒だよ。というところをしっかり押さえていきましょうねと。
あまりストイックを要求されると、ストイックじゃない私にとっては重荷にしか感じないよと。同じ思いなのに。ということになるんだろうね。
わたし:
なんていうか、やっぱお母さん視点がちょっと強すぎるって感じかな。実際、いろいろ心配だとは思うし、不安だとは思うんだけど。
お母さんも話すときに、具体的な話はするけど、気持ちがあんまり話せてないよね。不安なんだとか、すごく心配なんだっていうところを、もっと話した方がいいんじゃない?って思う。
そうだね、どうなるかわからないことを、具体的に話されると、ちょっと煙たく感じちゃうのがお父さん。
ただ、お父さんも、お母さんが心配してくれてるっていう気持ちを受け取って
父:
そういうことなんだね。
わたし:
っていうことも大事だしって。お互いに。だよね。
父:
(母のエムグラム診断結果の)じっくり考える、心配しがちっていうところが、その辺に出てくるのかしらね。
わたし:
そうかもね。だからお母さんが、お父さんにいろいろ言うっていうのは、不安とかだよね。不安心配。
母:
だね。お父さんはその辺、何か考えてない感じがして。わたしから見るとね。
父:
ストイックな人から見たら「大雑把すぎて話にならん」という感じになるんでしょうね。
母:
そのわりに、なんか「あっち痛いこっち痛い」ってよく言うでしょ。それ言われると、余計不安に。「だから言ってんのに」みたいな気持ちになるの。
わたし:
うん。昨日も同じような話をしてたんだけどさ。お父さんは、お母さんが心配しがちだっていうことを頭に入れて発言した方がいいと思うし、お母さんは、お父さんがストイックじゃない人だっていうのを、あと、人から言われてやるのが嫌だとか、その辺をもうちょっと理解して話した方がいい。っていうことなんだよね。
お父さんは、心配しがちのお母さんに、いきなり運動やりすぎて腰痛くなったとか、そういう心配させるようなワードを言っちゃうから、お母さんの不安を煽る。
だからお母さんになんだかんだ言われるのが鬱陶しいなら、あんまり不安にさせないようにしてみる。っていうのもひとつだと思うんだよね。
お父さんの腰の痛みとか、あと病気も、それがお母さんの不安を煽ってる。仕方ないことではあるんだけど、心配させてるわけよね。
お父さんの健康状態が、お母さんの心配しがちな部分を引き出してて、持ち前のお節介をやらせてるっていうか。
母:
お父さんは、「あっち痛いこっち痛い」とか、それって、どんな気持ちで言ってんだろう。ただ痛いから?
わたし:
と思う。
父:
うん
わたし:
そこは何も考えてないと思う。だから、それを言うことで相手が心配するっていうことを頭に入れておくといいかもねって感じかな。
わたしとかだったら、お母さんにちょっと体調が悪いこととか言うと、お節介が始まるってわかってるから、面倒くさいから、あんまり言わないみたいなところある。
父:
なるほど。
わたし:
そうそう。逆に言うときって、心配してほしいときっていうか。それが意識の中にあるんだよね。だからお父さんも、心配してほしいっていうのもあるとは思う。
そうだね、だからつまり、あれかな、心配してほしいだけなのに、お節介までついてくるみたいな。
母:
何かそんな感じも受けて。痛いって言えば、「どうしたの?」って言って欲しいのかなって。思うんだけど、そんなことを言う気にはなれないし、不安だしみたいな。
「運動してないからじゃん」みたいになってきて、イライラしてきて。
わたし:
結局、心配してほしい。ていうのは甘えのひとつでもあるから。で、お父さんの甘えを受け入れられないのがお母さん。だから対処法が出てくるっていうことだね。
だからやっぱりそこだね。子供の頃の自分が満たされる体験をすることが始まりだってことだね。
母:
甘えたいんなら甘えたいって言われた方がいいんだけど。
そうじゃないことを言われると不安になるだけで。なんか一時は聞きたくない!みたいな感じになってた時期もあったし。もうお父さんのどこかが痛いとか、ほんと聞きたくないって感じになってたな。
わたし:
これからだね。ただ健康への思いはお父さんもあってさ、やり方っていうか、その取り組み方はちょっと違うっていうことだけは、あるよってことね。
朝お父さん「ちょっと焦ってるのかも」みたいな話をしてたじゃん。
父:
うん。
わたし:
焦りもあると
母:
早く何とかしようってこと?
わたし:
早く結果を出したいっていうところだよね
父:
俺がね。
わたし:
だけど「そういうことじゃないよな」ってことは、お父さんが自分で言ってたのと、「全てのことが当たり前じゃないんだよ」っていう話を朝、した。
父:
これは本当、焦れば焦るほど結果が出ないわ。
わたし:
昨日の感じもちょっと、お父さんの中で焦りが出ちゃったなっていう話を朝してたっていう感じ。
- 今日はここまで -
母はストイックで、父はストイックではない。確かにそうだけど、今思えば、ストイックかどうかの問題ではない。
父は、運動をやるとなったら、いきなりハードメニューをやって、どこかを痛めて辞める。そのうち、やっていないのに「やっている」と嘘をつく。それをずっと、繰り返している。
運動しないこともさることながら、「だます」ということが母の怒りをかっているのだ。
適当に嘘をついてごまかして…。そのなめ切った態度が問題なのである。
<次回に続く>
これまでの家族会議記事はマガジンにまとめています。お時間あればぜひ、わが家の会議をのぞきに来てください!
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