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短文学集

25
筋も思想も体系も、全部気にせず楽しむことを短文学と称して日々の感傷を綴る。
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#朝

無水の金魚鉢

無水の金魚鉢

 ああ、今朝が夏との境目なんだな。見上げた空の高さでそう気が付いた。どうして高く見えるのか、取り留めもなく考えてみる。やはり、雲のせいだろうか。夏の、あの豪快に絵具をぶちまけたような入道雲に比べて、今頭上にある雲は繊細に筆を幾筋も走らせたようで、全体的に淡い。この筆づかいが、秋の訪れを感じさせるのだろう。

 きっとこの辺で、一番に季節の境目に気が付いたのは私だ。何しろ平日の朝からこうして公園のベ

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夜明け

 バックスペースキーをカチカチ叩きながら、広がる白の前に茫然とする。
渺茫たる白の中で、カーソルは急かすように点滅する。カタカタ文字を打ち込んではまた、カチカチやる。だいたい八文字分くらいのスペースを、カーソルが反復横跳びのようにいったりきたりしている。

 視界の端で何やら動いたので、そちらを見やる。視線の先にあったのはデジタル時計だった。ゼロ、ヨン、ゴ、キュウと並んでいたものが、
ゼロ、ゴ、ゼ

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