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メディカル英語<視診・触診>Objective#4(肩関節)

前回から間が空いてしまいましたが、今回は肩関節の可動域の確認フレーズです。肩関節は球関節(ball and socket joint)なので、盛りだくさんです。
最後に魔法の言葉を書いておいたので、ぜひそれだけでも覚えてください。


肩関節

屈曲

raise your arm
raise your arm to the front
bring your arm up
move your arm forward
to the shoulder level (平行、文の後)
(move your arm up) until your arm is parallel to the ground (平行、文の後)
all the way up(最大可動域、文の後)

体幹や首の可動域確認と同様、「この動作をしてください」と指示をして"肩の屈曲"を達成するフレーズが多いですね。
というのも、肩関節の屈曲も英語で言うとshoulder flexionですが、flex your shoulderとは言わないからです。なので、「腕を上げてください」と伝えることで、肩関節の屈曲を達成させます。
「〜をあげる」という意味のraiseとよく混同されてしまうのがriseです。raiseは目的語を必要とする他動詞です。一方、riseは「(自分が)上がる」という自動詞です。何か物を"持ち上げる"時はraise、自分や物そのものが"上がる"時はriseです。間違えないように気をつけましょう。
文の後と書いてある文章は上の言い方に足して、どこまで動かして欲しいのか伝える時に使えます。
肩関節の屈曲はよく上半身を伸展させる代償が見られるので、代償なしの可動域を見たい場合、keep your body straightとかtry not to lean backなどという指示も出してあげるといいと思います。

伸展

bring your arm back
extend your arm back 
make sure to keep your elbow straight/extended.
with the thumb down/up.

ニュートラルな位置にある腕を後ろに持ってくれば肩関節の伸展が達成されるので、bring your arm backで「伸展してください」という意味になります。同じ理由でextendを使う時もあります。あとは、英語的に正しいかどうかはわからないですが、Reach your arm backも使うことがあり、これでも問題なく通じていました。
肩関節を伸展する時に、肘関節が屈曲してしまう人がいるので、肘伸展位で肩を伸展して欲しい時には、make sure to keep your elbow straightと付け加えることで、「肘がまっすぐになっていることを確認してください」ということができます。
また、肩関節伸展をチェックするときに、肩関節が外旋しているのか、内旋しているのかで可動域が変わりますね。なので、特定の状態で見たい時には、最後の文を付け足して、"親指が上を向いている=外旋位"なのか"親指が下を向いている=内旋位"なのかを指示してあげましょう。

外転

raise your arm to the side
Bring your arm up from the side.
lift your arm sideways (away from the body)
ABduct your arms.
all the way
within your pain free range.

たくさん言い方がありますね。上の4つが実際の外転の指示です。上から3つ目は、lift your arm sidewayだけでも通じますが、もう少し丁寧に指示を出すなら括弧の中もくっつけて言ってみてください。括弧内はあってもなくても大丈夫です。
上から4つ目は大文字にして強調していますが、実際に発音するときは「エービーダクト ユア アーム」となります。アブダクトだとアダクト(内転)と発音が少し似ているので、エービーと言うことで絶対に聞き間違えないようにしています。
最後の2つは付け足す指示語です。all the wayは前にも出ましたが、最後まで腕を上げてとお願いしたい時、つまり最大可動域を見たい時に使います。
そして最後は、pain freeで痛みのないという意味なので、痛みのない範囲で外転してくださいと指示を出すときに使えます。
ちなみに、外転はabductionといい、外転するはabductです。ぜひ基礎知識編も見てみてください。

内転

Bring your arm closer to your body.
lower your arm and bring it to the side of your body.
ADduct your arms.

内転を確認することはあまりないかもしれませんが、すでに外転位にある腕を「体に向かって動かしてください」とか「腕を下げて、体の横に持ってきてください」と伝えることで内転を達成します。
先ほどのABductと同じで、上から3つ目は「エーディーダクト」と発音します。
内転はadductionで、内転するはadductです。こちらも基礎知識編に載っています。

水平外転

bring your arm out to the side at your shoulder level (standing/sitting/lying)
reach your arm in front, then move it out as far as you can.(standing/sitting/lying)
move your arm away from the center of your body, keeping it parallel to the ground. (standing/sitting)
horizontally ABduct your arm. (standing/sitting)

at your shoulder levelは肩の高さでという意味です。これは立っていても、座っていても、寝ていても使える言い方です。
上から2つ目のフレーズは、「前に手を伸ばしてください」と言うことで、肩の高さまでまず腕を上げてもらいます。そこから、「いけるところまで、腕を外に動かしてください」とお願いすることで、水平内転を達成します。
下の二つは「地面と平行」とか「水平外転」という言葉が入っているので、基本的には、立っている時や座っている時に使うフレーズになります。
ただ、最後のhorizontally abductに関しては、肩の水平外転自体の動きがわかっている人には、どのような体勢でもhorizontally abductと言えば、肩の水平外転をやってくれると思います。

水平内転

bring your arm across the body/chest
Bring your arm towards the center of your body, crossing it in front of you.
Bring your arm towards the midline of your body.
adduct your arm horizontally/at your shoulder level, crossing it over to the other side.

across the bodyで「体を横切って」という意味になります。なので、一つ目の言い方だけでも十分に水平内転の動きとして伝わる表現です。
他には、center of your bodyとかmidline of your bodyは想像しやすいと思いますが、体の中心線のことです。なので、そちらの方に腕を持ってきてくださいと言えば、水平内転になりますね。もし肩の高さに腕を上げることをちゃんと伝えたかったら、水平外転でも出てきたat the shoulder levelを付け加えるとより丁寧にやって欲しい動きを伝えることができます。
水平外転同様、horizontalと言う言葉は水平という言葉なので、医療やトレーニング関係でhorizotal adduction(水平内転)というワードに慣れていない人には、立っている状態か座っている状態でのみ使いましょう。

外旋

rotate your forearm out/outward.
externally rotate your arm.
rotate your shoulder externally by bringing your forearm up/pulling up your forearm
pull your forearm back to externally rotate your shoulder.
as far as you can

実施に回旋(rotate)しているのは上腕なのですが、目で見える動きとしては、上腕ではなく前腕(forearm)が外に回っている/動いているので、「前腕を外に回してください」と言えば「外旋してください」と伝えることができます。正直、armという言葉は腕全体を表すので、forearmをarmに変えても伝わります。
2ndポジションと3rdポジションの外旋の時には、外旋すると前腕が上にあが、もしくは後ろに前腕を引くように見えるので、上から3つ目と4つ目のフレーズも使えます。
外旋は英語でexternal rotationですが、カルテや患者さんのホームエクササイズに書く際にはERと略すことが多いです。

内旋

rotate your forearm in/inward
internally rotate your arm
rotate your shoulder internally by moving your forearm down.
move your forearm inward to internally rotate your shoulder.

先ほどの外旋とは逆の動きになるだけなので、基本的な考え方は外旋と同じです。1stポジションと3rdポジションの時には内旋すると前腕が内側に動くように見えるので1つ目や4つ目のフレーズが使えます。2つ目はどのポジションでも使えるフレーズです。3つ目は2ndポジションの時に使える表現になります。
外旋同様、内旋は英語でinternal rotationなので、IRと略すことができます。

1st, 2nd, and 3rd ポジション

1st: arms at your side, then bend your elbows.
2nd: raise your arm to the side at the shoulder level, then bend the elbow.
3rd: bring your arm to the front at the shoulder level, then bend the elbow.
can you get into this position?
move your shoulder like this

肩には1st, 2nd, 3rdポジションがありますが、まずそのポジションを取らせるためには、上記のフレーズを使うことができます。
シンプルなフレーズを繋げただけではありますが、長く感じる人もいると思うので、最初覚えられないときは、4つ目と5つ目いずれかのフレーズを使って実際に自分でやってみせるのがいいと思います。
4つ目は「このポジションをとれますか?」という意味で、5つ目は「肩をこんな風に動かせますか?」と聞いています。

魔法の言葉

can you do this?
move your arm like this.

上の肩のポジションの説明欄でも書きましたが、「raiseかriseかわかんない!」「あれ?この時upとかdownって使えるんだっけ?」など最初は覚えられなかったり、混同してしまったりすると思います。
ここまで色々書いといてアレですが、伝え方を忘れてしまったり、患者さんが混乱したら、オンラインでもオフラインでも、実際に自分でやってみせるのが一番手っ取り早かったりします。
なので、そんな時には、この魔法の言葉を使いましょう。
1つ目は「これ、できますか?」という意味で、2つ目は「こんなふうに腕を動かせますか?」と聞くことができるフレーズです。

今回はとても盛りだくさんな内容でしたが、オフライン(対面)でもオンラインでも顔を見ながら評価できるのであれば、最後の魔法の言葉が役に立ちます。でも、日本語で評価する時と同様、それぞれの可動域チェックの言い方を覚えていた方がスムーズに会話が進むので、少しずつでいいのでそれぞれのフレーズを覚えてみてください!

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