ライオンの顔をしたスフィンクス？

旅行の仕事をしていた時
お客様に色々な質問をされました。

私はGoogle先生じゃないですよ。
と思うのですが、

「あなたなら知っていて当然でしょう」
というスタンスで、質問されるのです。

質問の内容によっては
「知らないです。」とは言えないので、
知らないといけない事の方が多いのも確かなのですが、

正直そんな事は知らないですよ
と言いたくなるような事も。

国の基本的な事
その国に暮らす人の事
街の事
政治の事。

こういった類の事は、
質問されて、知らなかった事によって
調べたり聞いたりして、旅行者と同じように
コツコツと疑問を解決していくので、投げかけられる質問からたくさんの事を学んだのも事実です。

しかし中には、
なぜそれを私に聞く？というような事も多く、
その度に遠い目になり、
生気を吸い取られて行くような気分になったものです。

ある時は、訪れた国の通貨の換金の時でした。
換金を終えたお客様がレシートを見せながら私に聞くのです。

「これ、いくら換金した事になりますか？」と。

うむ。正直、質問の意図がわからない。

「どうゆう事ですか？」
と聞き返すと

「今換金したんですけど、これいくら換金した事になりますか？」
と。

うむ。先程と全く同じ聞き方ですね。

「いくら換金したんですか？」と私。

「2万円です。」と、お客様。

「じゃあ、2万円ですね。」←これ私。

2万円を両替したのなら、
ひっくり返ってみても逆立ちしてみても2万円両替した事になりますよね。

今思い返してみても謎の質問です。

ある時はエジプトで。
ピラミッドのそばにいるスフィンクス、知らない人は少ないでしょう。
ライオンのような体で、人の顔を持つあのスフィンクスです。
そのスフィンクスをマジマジと見つめながら聞かれたのです。

「ライオンの顔したスフィンクス見た事あります？」

ライオンの顔したスフィンクス........。

うむ。

「それはただのライオンですね。」

十人十色。
色んな事を疑問に思う方がいるものです。

「明日雨降りますか？」

降るかもしれないし降らないかもしれません。
天気予報は晴れです。

こんな事にぶつぶつ言っていた日々も
今は懐かしい思い出の一つとなっています。