80年ぶりの新星爆発観測チャンスが到来
天体現象として有名な1つに「超新星爆発」があります。
重い恒星がエネルギー放出後に自重崩壊する天体現象で、あまりにも激しいため目視でもみることができます。
ただし、遭遇確率は極めてレアで、地上で観測できるのは数百年に一度と見積もられています。
日本の歴史においては、11世紀平安時代の藤原定家(新古今和歌集の編纂で有名)による「明月記」で、超新星爆発が記録されています。
超新星爆発を見るのはちょっと厳しいですが、「新星爆発」なら80年ぶりに観測できる可能性が出てきました。1つ記事を紹介します。
新星爆発は、超新星とは全く異なる現象です。(まぎらわしい・・・)
恒星がエネルギーを放出し終わった1形態「白色矮星」と、その付近にある恒星から引き寄せられる水素ガスとの反応(核融合)が「新星爆発」と呼ばれます。
場所は3千光年離れた「かんむり座」で、過去80年間隔でこの現象が確認されていたようです。
なぜ複数回起こるのかについては、水素ガスが降り積もって爆発してリセットされ、再び降り積もる、という反復イメージです。
実は話は単なる天体ショーにとどまりません。
冒頭にふれた「超新星爆発」は、重元素や有機分子を運んだ可能性が研究されています。詳細は過去の関連投稿に委ねます。
同じく「新星爆発」によって、生命エネルギーの源ともいわれる「リン」を地球に運んだのではないか?という説もあります。
リンが地球上に大量発生した理由は長年謎で、その仮説の1つが「隕石付着説」です。関連投稿を載せておきますので関心のある方は是非一読ください。
引用したNHK記事の後半にはほろっとくるエピソードが載っています。
前回の新星爆発をたまたま目撃した少年の物語です。その時の表彰状を、亡くなる2021年まで大切に保管していたそうです。今でも功労者として日本天文学会公式サイトでその名前を確認することができます。
「吉原正広1946. 2.10新星:T CrBの初回再発」の行です。
少なくとも、戦後の大変な時期において、一人の少年に精神的なエネルギーをこの新星爆発がもたらしてくれたのは間違いないと思います。
今回も、新たな天文学者の原体験となるドラマが生まれるかもしれませんね。
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