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超新星爆発が生命の種を運んだ!?

自らが輝く星(恒星)にも人間同様一生があり、いつかはエネルギーを出し尽くして死を迎えます。
その際にあまりに重いと自身の重さに耐えきれず、超新星爆発スーパーノヴァ)と呼ばれる大爆発をおこして最終形態(主にブラックホールか中性子)に移ります。

そんな刺激的な超新星爆発で面白い発表がされています。

※タイトル画像のCredit:X-ray: NASA/SAO/CXC; Infrared: NASA/JPL-Caltech/A. Tappe & J. Rho

ようは、
超新星爆発でエネルギーが放出されるなかで、小さな有機分子も存在しており、生命起源の可能性もある、
という話です。

超新星爆発は、名前の通り当初は新しい星が生まれたのかと勘違いするほどあまりに激しく、地球上から目視でも確認できるといわれています。

ただ、まれに起こるイベントで、目視で記録に残っているのは数件で、その1つが日本の藤原定家による「明月記」です。

さて、今回観測された「生命の種」は、正式にはPAH(多環芳香族炭化水素 )と呼ばれ、過去に地球への隕石でも同じ有機分子が確認されています。

この隕石は1984年に南極が見つかったもので、調査の結果火星で36億年前に形成され、それが小惑星衝突で数千万年前に飛来したと推定されています。

アラン・ヒルズ84001」と呼ばれ、今でも地球外生物の可能性を示すものとして注目されています。(まだ決定打とはいきませんが)

火星からであればもはや驚きはないですが、今回は超新星爆発というスケールの違う天体現象でさえPAHが宇宙空間で存在が確認されたのは驚きです。

超新星爆発は、まだ未解明なところが大きいですが、簡単にそのメカニズム(仮説)を触れておきます。

まず、星が輝いてエネルギーを放射しているのは、内部で「核融合」と呼ぶ反応を行っているからです。それがないと、自身の重力でつぶされてしまいます。
融合とは、例えば最も軽い水素元素(1つの陽子)が2つ集まると、ヘリウム元素(2つの陽子)になります。
その反応が終わると今度はヘリウム同士が合体しより重い元素に代わっていきます。
ただ、元素が重くなるほど電気的反発力も大きくなるので、星の外層は巨大化し、それを一般的に「赤色巨星」と呼びます。

ある程度進むと核融合反応も限界を迎え、今度は重力のほうが優勢となって自身が押しつぶされる、これが「重力崩壊」という現象です。

では、どうやって爆発するのかというと、つぶれる際に「重力エネルギーを」を「熱エネルギー」に置き換え、さながら縮めたバネの反発の如く、外側に向けてエネルギーが放出されます。

いまのところニュートリノがそれを運ぶ担い手とされていますが、その過程で周囲のガスも温められて電磁波(光・電波・X線など)を放出します。

他にも、2016年にその存在が立証された「重力波」を出すことでも知られています。

とどのつまり、超新星爆発の構造を理解するには、同じ天体に対して様々な粒子(多波長帯域含む)を覗く必要があり、まさに総合格闘技です。

ニュートリノや重力波望遠鏡はこれから計画が進んでおり、超新星爆発とその後の中性子星・ブラックホールの研究が進むことが期待されています。

最後に冒頭の記事に戻すと、今回超新星爆発が起こったのは太陽系の近くでかつ地球誕生のあたり(大体50億年前)だそうです。

少々出来すぎな符号で、専門家からは一笑に付されそうですが、地球での生命誕生のタネ(ネタ?)として、そっと自身の内ポケットに入れておこうと思います。

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