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気球の可能性:山火事対策から宇宙旅行まで

地上500kmからの人工衛星による地上観測データは、年々性能が高まっています。

画像撮影する方法は、太陽からの光をもとに行う光学型と、自身がレーダーを放射するSAR(Synspective Aperture Rader)型に大別されます。詳細を知りたい方向けに、過去の関連投稿を載せておきます。

最近そのSAR型で地上25cmの解像度を達成したという報告もありました。

ただ、衛星にも弱点はあり、代表的なものをあげると以下の通りです。
・低価格になったがまだ高い(ロケット打ち上げ費用も含む)
・見たい箇所が特定される、または時間がかかる
・光学衛星は雨や遮蔽物(雲など)があると見えない
・SAR衛星はデータ解析に法的(電波法)・技術的なハードルが高い

それを補うのが「航空機」ですが、これもまだコストがかかるのと、なにより人が操縦しているため、例えば山火事など危ない場所には行けません。

そんな山火事に特化して上記の弱点を補う存在として期待されているのが「気球」です。米国で注目のベンチャーがあります。

Urban Skyという米国のスタートアップ企業です。

この気球はトラックの荷台から出発でき(滑走路やヘリポートがいらない)、成層圏(~40km)にまで到達する仕様です。
赤外線センサーを搭載しているので、大規模な山火事でもその分布を人工衛星(定点観測する静止衛星だと100m以上の解像度)よりも正確にとらえることが出来ます。

北米では毎年のように大規模な山火事が発生しており、まさに投稿しているとき時でもカナダで起こっています。

今のところ原因は気温上昇による自然発火で、よく気候変動との因果関係が取り上げられています。何が原因であれ、世界的に山火事の件数が増えているのは事実のようです。

ちなみに気になったので調べてみると日本は横ばい状態でした。

今回開発された山火事をモニタリングする気球ですが、事前予防にも取り組んでいます。
ある程度サンプルを集めないと難しいかもしれませんが、少なくとも発火温度に近い箇所が見つかれば事前対処することは可能です。

余談ながら、気球は宇宙旅行としても注目されています。

日本の宇宙ベンチャー岩谷技研が、まさに今最終実験を行っており20km到達を達成しています。

早ければ今年中に人を載せてサービスを行うかもしれませんね。
山火事の対処も重要ですが、宇宙への道を拓く(ロケットより低価格)可能性も与えてくれる、気球の新しい可能性に期待しましょう。

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