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サバの地上帰還と宇宙食事情

昨日3月8日は、「サバの日」です。
マグロやアジと並んで、世界的に様々な料理で愛されています。

そんなサバの日に合わせて、「特別なサバ」を我々も地上で食べられることになりました。

要は、
高校生が開発しJAXAも認証した公式な「宇宙鯖缶」を市販した、
という話です。(1缶700円)

ISS(国際宇宙ステーション)に滞在する宇宙飛行士は国際色豊かなメンバです。当然地上より行動は制限されますが、やはり各国の文化紹介は貴重なコミュニケーションとなります。
特に分かりやすいのが、ともに体験できる「宇宙食」です。

2020年にISSへ向かった野口宇宙飛行士も、日本宇宙食をメンバに披露したところ、一番公表だったのがこの「サバ缶」だったそうです。

高校生?もそうですが、そもそも宇宙食事情から補足しておきます。

実は日本も含めて各国の宇宙機関が認証精度で宇宙食を登録しています。
日本だとNASAが「宇宙日本食」という名称で認証しており、投稿時点で27社48品目が採用されています。
下記の公式サイトでその一覧がチェックできます。

宇宙空間(かつ船内)の食事で気を付けなければいけないことは以下の通りだそうです。(引用:WIKI

  1. 長期保存が可能であること
    地上から宇宙船へ頻繁に物資を運ぶことができない。従って、宇宙船の内部に食品を保存する必要がある。

  2. できるだけ軽量であること
    宇宙船に積載する貨物の重量は限られているため。

  3. 強い臭気を伴わないこと
    船内は密閉されており、換気ができない。また脱臭装置の能力にも限界があるため。

  4. 飛散しない
    宇宙船の内部には、宇宙での活動や生命維持に必要不可欠な機器が数多く設置されている。容易に砕けたり液体が飛び散るような食品は、それらの機器を破損させる恐れがある。また、後片付けに費やす時間と手間が増えて、他の活動を妨げる可能性もある。従って、食品が飛散しないよう加工する必要がある。

  5. 栄養価が優れていること
    宇宙食のみを飲食することになるため、栄養のバランスに注意が払われる。また狭い船内でストレスを被らないよう、デザート等の娯楽要素も求められる

  6. 温度変化や衝撃に耐えること

  7. 特別な調理器具を必要としないこと

なんとなく常識的に想像がつくと思います。
ただ、逆に上記だけを見ると、結構メニューに制約があると思いませんか?
それでも、大手食品メーカの努力で、カレー・焼き鳥・ごはん・ラーメン(?)など日本で定番メニューを開発してます。

ただ、そんな大企業の努力の中で、今回の「高校生のサバ缶」はとびぬけています。

きっかけは、2007年のとある生徒のなにげない一言「宇宙食、作れるんちゃう?」がスタートだったそうです。

ふつうは笑って流すところですが、先生がそれを真剣に受け止めて正式に企画が始まり、10年以上(2018年にJAXA認証)をかけて歴代300名の高校生が開発に関わりました。
宇宙食としては2200円でしたが、それを地上の多くの方に食べてもらいたいとメーカーと協議して出来たのが冒頭の記事です。

ちょっと細かいですが、日本には日本独自の「HACCP(ハサップ)」という厳しい食品の衛生管理基準があります。
他にも、飛び散らないように粘度を変えたり、味覚を楽しめるようにしたり、数多くの工夫を子供たちがリレーでつないで実現したわけです。

なによりも、ぜひこちらのISS滞在中に配信された野口飛行士の映像をご覧ください。


手紙まで読んでいただいたのは、本当に当事者の方々は感無量だと思います。
個人的には、これを10年以上も辛抱強く支え続けた先生にも拍手を送りたいです。
つい最近このドキュメンタリーが書籍化されていますので、教育に関心のある方々にもおすすめです。

これからも、多様な視点での宇宙食が考案されていくと思います。

ぜひ宇宙の食事情にも注目して、いずれは人類の新しいライフスタイルを夢見ていきたいと思います。

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