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アイスマンの現代病と人類史の見直し

以前に、謎のアイスマンについて触れました。

ようは、
5千年前のミイラに現代とつながる入れ墨や腰痛の痕跡がみつかった、
という話です。

そんな親近感を感じるアイスマン(別名エッツィー)は、上記記事でこんなイメージ図でした。

(画像クレジット: Pascopix / Alamy Stock Photo)

そんなアイスマンについて、最新の発表があったのでお届けします。

https://www.cell.com/cell-genomics/fulltext/S2666-979X(23)00174-X

ようは、
DNA解析の結果、彼は禿げ頭・糖尿病・メタボの可能性があり、肌が黒く、当初想定していた発掘付近の先祖(カスピ海草原のステップ地帯で確認されていたもの)ではなかった、
というはなしです。

この情報だけを基に、イメージ図を勝手に書き換えてみました。

生成AIによる

う〰ん、大分イメージが変わりました。

今回の差分はDNA解析による訂正です。どうも過去の同解析ではDNA汚染があったようです。

古代DNA解析が難しいのは、あとで混ざったものとの識別で、例えば火星からの隕石で生命の痕跡が見つかった、というセンセーショナルなトピックが過去にありましたが、
これらは火星でなく地上由来では?
という議論がまだ続いています。

体質と共に今回判明したのは、この時期はまだ今の現生人類のように肌色が多様化しておらずアフリカ由来の性質が濃かったということです。

見つかった場所は今でいう東ヨーロッパです。元論文の図を引用しておきます。

https://www.cell.com/cell-genomics/fulltext/S2666-979X(23)00174-X

5千年前といえば、丁度石器から青銅器時代に移行する時期です。(下記を参考)

過去に見つかった同時代の化石と比較しても、より古い時代のDNAが濃かった(約90パーセントは新石器時代の農民)ことが分かりました。

個人的に気になったのは、やはり今でも中年になると気になる「禿げ」・「糖尿病」・「メタボ体質」だった点です。(あくまでDNAによる)

当時の日本大陸では「縄文人」がいましたが、実はそのDNA濃度によって、現日本人の肥満度に影響があるかもしれません。

1つ記事を紹介します。

ようは、
縄文人DNAが濃い地域は中性脂肪や喘息を持ちやすい体質、
という話です。

ちなみに濃い地域をヒートマップで表現した日本地図を載せておきます。

https://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/info/8252/

直感的には南と北の地域が多いですね。

あくまで遺伝子の話で娯楽ネタでしょ、と思うかもしれません。

気になったので都道府県別肥満度(BMI基準)ランキングを探しました。

ざっとランキング表をみれば感じますが、そこそこ相関関係はありそうです。(因果関係はさておき)

今回のアイスマンに関する最新発表に戻りますが、従来との異なる結果があり、もしかしたら人類史も一部書き換えられるかもしれません。

そもそも、時代区分として石器時代が青銅時代に地球上で一斉に切り替わるとは思えないので、そういった大まかな分類方法も見直す必要があるのかもしれませんね。

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