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「弱い力」が半世紀を迎える

「弱い力」、と聞くと文字通り虚弱なイメージを植え付けます。

ところが、物理学での「弱い力」は、言葉とは裏腹に数多くのブレークスルーを経て完成された力強い存在で、その仕組みが解明されてちょうど2023年7月で半世紀を迎えます。

半世紀を祝う記事がNature誌で投稿されてます。

天才たちのバトンリレーによる壮大な話ですが、思い切って砕いて紹介したいとおもいます。

実は、その手前の話は過去にも書いたので引用にとどめておきます。

ようは、
電磁気力と強い力を統一的に説明することはできたが、「弱い力」の解明は苦戦した(重力は微小なので元々割愛)、そんな硬直状態で、南部陽一郎のアイデア(対称性の破れ)がブレークスルーのきっかけとなり、電弱理論の完成に至った、
という話です。(あまり、要は、になってないですね・・・)

上記の登場人物は、比較的有名な方々ですが、冒頭記事の主役はどちらかというと、それを証明した実験施設です。

その名を「Gargamelle(ガーガメル)」。まず、知らないと思います。

この施設を建設したのは素粒子物理の実験施設では名高いCERNです。

まず、弱い力を証明するには、その理論に従う素粒子を観測する必要があります。その弱い力を立証するにはニュートリノを検知するわけですが、これが言うは易く行うは難し、です。。。

オランダの物理学者シモン・ファン デル メールは、ニュートリノビームの強度を高める「磁気ホーン」と呼ばれる装置を発明しました。
装置内で生じる相互作用を検出すると、イオン化した荷電粒子の経路が過熱された液体を通過する泡の列として見えるため、「泡室」と呼ばれます。

そして1970年に、(色々と議論はあったそですが)Gargamelleが完成し、弱い力(または電弱理論)が1973年に無事証明されたというわけです。

これで、強い力とも結合され、「素粒子標準模型」となるわけですが、その最後のピースが、「ヒッグス粒子」でした。

こちらについては、過去にも触れたので今回は割愛しておきます。

「素粒子標準模型」と表記しているとおり、厳密には「理論」というよりはそれらを集めたものです。

これからこの模型が「大統合理論」に昇華されるのか、次回の100周年ではどうなっているのか?今から楽しみにしています。

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