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生命の奇跡:赤ちゃん細胞分裂のメカニズムを解明する

生命の基本単位である「細胞」がどう形成されたのか?という話を以前書きました。

ようは、
原始細胞から複雑な機能を獲得するにはリン酸化という役割が大きかったかもしれない、
というはなしです。

成熟した細胞は多様な機能を獲得しますが、そのなかで一番おなじみで、同時に一番の謎なのが「細胞分裂」という行為です。

分裂することで我々含めて生命は成長していくわけですが、よくよく考えると驚異的な活動です。

SF作品や漫画の世界では分裂する生物が登場します。それを娯楽、つまり非現実的なものとみますが、それが毎日体内で行われているわけです。

細胞分裂の基本的な仕組みについて、Wikiより引用してみます。

Wiki:「細胞分裂」

細胞の有糸分裂の段階 (核を持つ真核細胞のケース)
間期 (G₂): 細胞は核分裂の準備をし、細胞分裂のための微小管を作るタンパク質が合成される。
前期: DNAを含むクロマチンが凝集して染色体を形成し、中心体が細胞の対極に移動する。
前中期: 核膜が破壊され、微小管が動原体に結合する。染色体は細胞の中期板に向かって移動する。
中期: 染色体は細胞の中央に並び、セントロメアで紡錘糸に結合する。
後期: 姉妹染色分体は個々の染色体に分離し、引き離される。
終期と細胞質分裂: 染色体は凝縮を解除し、新しく形成された核膜に囲まれる。細胞質分裂は一般的に終期と重なる。

一部専門用語がありますが、雰囲気は感じられると思います。

時間軸で見ると、はじめに胚細胞とよばれる赤ちゃん細胞から分裂、つまり成長を経て各機能に分化していくわけです。
人間の流れを図示化されたサイトを見つけたので紹介しておきます。

上記サイト内の図

胚細胞が一番活発に分裂するようで、それは人間の人生に例えるとしっくりしますね。(最近は高齢でも元気な方ふえましたが☺)

細胞分裂の研究は、大人になった(皮膚、臓器、など機能が明確になった)細胞の観察からわかってきました。
ただ、幼少期である胚細胞での細胞分裂の仕組みは分かっていないことも多かったようで、最近こんな研究発表がありました。

ようは、
いくつかの技術を組み合わせて胚細胞の細胞分裂を動画撮影に成功した、
というはなしです。
上記サイトにその動画がのっているので引用しておきます。プチ感動しますね。

従来特に謎とされていたのは、複製した染色体(遺伝子がつまってるひも)に対して、それを糸で正確に紐づける(紡錘体)プロセスだったようです。

確かに冷静にみると不思議です。日常に例えると場所を正確に知ったうえで接合する天才外科医の神業に見えてきました。

それを実現する要因のたんぱく質については、あたり付けはしていたので遺伝子編集(おなじみのCRISPR-CAS9)で蛍光する性質を持つメダカをつくったのが今回の肝です。

今回の結果で、成長の時期によってその初期設計の必要性が薄まっていくことが分かったようです。なにがしかのプロセスで記憶定着しているような現象に見えます。

細胞分裂については奥が深そうなのでここまでにしますが、ある意味生命の基本なので、またどこかで深掘りしてみたいと思います。

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