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SORAというリトマス試験紙

以前に、OpenAIの動画生成AI”SORA”について紹介しました。

このSORAについて、公式サイトで新たなBlogが最新動画付きで公開されています。

ざっくり言えば、
7人のクリエイターにSORAを使った作品を創造させて、印象を語ってもらう、
という内容です。

それぞれ数十秒から数分程度の長さなので、上記ですべての動画を先にみることをお勧めします。そのうえで、下記に7名のプロフィールとそれぞれの感想をリスト化しておきます。

1.Shy Kids(クリエイター集団)
「Sora は現実のように見えるものを生成するのが得意ですが、私たちを興奮させるのは、完全に超現実的なものを作成する能力です。」

2.ポール・トリロ(映像制作者)
「Sora が最も強力になるのは、古いものを複製するのではなく、他の方法では決して目にする機会がなかった新しい不可能なアイデアを実現するときです。」

3.Nik Kleverov(クリエイティブ ディレクター)
「私は動きながら考えるクリエイターの 1 人なので、Sora にいるときは、どんなアイデアでも実現できるような気がします。」

4.オーガスト・カンプ(アーティスト)
「SORAは、手段と対立する想像力によって常に活動範囲が制限されてきたアーティストとして、私にとって本当の転換点を表しています」

5.ジョセフィン・ミラー(クリエイティブディレクター)
「Sora は、私が何年も温めてきたアイデア、以前は技術的に不可能だったアイデアを実現する可能性を広げてくれました。」

6.Don Allen Stevenson III(デジタル AR)
「Sora との協働により、技術的なハードルから純粋な創造性へと焦点を移し、瞬時のビジュアライゼーションとラピッド プロトタイピングの世界を解き放つ」

7.アレックス・レーベン(彫刻家)
「Sora を使用した私の経験は、3D 彫刻を開発する出発点となりました。私の考えは、写真測量の領域とその彫刻への潜在的な応用を探求する方向に流れていきました。」

上記OpenAI公式サイトのBlog

コメントは大体「より創造的な活動に集中できる」といった類(たぐい)で、なんとなく想像通りです。(あくまで公式Blogに載っているのでそこは予定調和でしょう)

作品を見ればわかりますが、大半が現実の物理世界ではありえない、なかには奇抜な合成生物も登場しています。

OpenAIの意図として、今回のBlogを通じて、倫理的な視点も含めて、映像を見た人の色んな意見を探ってみたい、つまりリトマス試験紙の役割で提示したのだと思います。

少なくとも、プロンプトの達人とは必ずしも言えない方々(一部AI専門のアーティストも)が作品を披露しているので、技術的には準備は整っていることは間違いないでしょう。

大統領選も控え国際紛争も絶えない今の状況で、果たしていつどのようにこの良くも悪くも破壊的なテクノロジーを解放するのか?

今までの公開の流れを見ていると、相当競合を意識している(類似サービス直後に出して効果を打ち消そうとしている)ように感じられるので、そのボールはGoogleなどが握っているかもしれません。

いずれにしても、個人としては、今回の最新動画を見て自分なりのリスクと、仮に解放されたときにどう使うかを想像するしかないかなと感じました。

改めて、「時代の転換期のるつぼ」にいることを感じさせる動画でした。

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