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「ぶっつけ広報」「やっつけ広報」じゃ意味がない

マンションメーカーで広報担当15年、PR会社経営16年のPRプランナーが、地方の中小企業に特化した広報PRのヒントを発信しています。

1.メディア露出が続かない原因

各地で広報セミナーなどをやっていると、参加者の中で、自社が新聞やテレビで取り上げられた経験があるのを、自慢げに教えてくださる経営者の方にお会いすることがあります。

特に、地元で人気の飲食店や老舗の食品メーカーなどの方が多いです。でも話を聞くと、メディアで盛んに取り上げられたのは数年前の話で、一時の打ち上げ花火で終わっているケースが少なくありません。

メディア露出が長期にわたって続かないのには原因があります。

過去、運よくメディアの記者から「こんど○○という企画があって取材先を探しています。よろしければ御社を取材させてください」と声が掛かった。そして掲載され、自社の取り組みがそのまま紹介された。

知り合いから「○○新聞見ましたよ。すごいね」「最近儲かっているようですね」などという褒め言葉をもらい、新しいお客様の獲得にもつながった。「やった!」と、その時は有頂天に。

でも、その後、メディアの取材の依頼は全く来ない。なんでだろう?

こういうケースは、実はよくあることです。その原因を説明しましょう。

2.成功体験が新しい成長を阻む

こういう方は、過去の成功体験が仇(あだ)になっているんです。「以前これで取り上げてもらったから、同じネタでまだまだ取材してもらえるはず」と思い込んでしまう。

だから「新しいネタを考えない」し、「待ちの姿勢で自ら発信しようとしない」という状態に甘んじてしまうのです。

通常、単なる宣伝に過ぎない情報は、新聞・テレビは報道しません。でも、取り上げ方によってはその会社や商品の宣伝につながる内容に"結果的に"なってしまうことも"たまに"あります。 

確かにラッキーなんですが、経営者は「これでいいんだ」と勘違いしてしまう。これはあまりにもったいない。

ひとつの成功体験が、次なる成長を阻害してしまうことって、よくあります。私も過去にそういう経験がいくつもあります(汗)

3.メディア露出の成功はロジカルに再現可能

努力しないで成功することって、一見、最も効率が良いようにも思えますが、長い目で見ると、良いことばかりではありません。やはり、基本からきちんと学んで、やるべきことをやって、結果的に成功した方が再現性が高いですし、将来の資産になります。

広報PR、メディア露出に関しては「運まかせ」では、長期的に見れば結局失敗します。でも、メディア露出の成功はロジカルに再現することができます。正しい考え方で、正しい方法で取り組めば、誰でも再現できるものなのです。

ネタを考え自ら発信する、脳みそをフル回転し、メディアとの関係づくりのために手足を動かして汗をかく。これを地道につづければいい。

現実的に、企業の方から何のアクションも起こさないで、メディアから取材依頼がどんどん続くようなケースは、万にひとつくらいしかありません。2、3回のラッキーぐらいはよくあるでしょうけど。何もしないで、ラッキーが向こうからやってくるのを延々と待つだけ、っていうのは、結構しんどいものです。

4.「たまたま広報」「行きずり広報」「ときたま広報」から脱却しよう

過去にテレビ、新聞の取材が立て続けに来たことがある、というのは、たまたまその時にニュースになるネタがそこに転がっていた「たまたま広報」

新しいサービスの発売が近づいたので、その情報を知り合いのメディアの記者に話したら、運よく取材してもらえた「行きずり広報」

何年かに一度、独自の新商品を発売するときにだけメディアに情報を送る「ときたま広報」

こうした広報のやりかたでは、成功が長続きしません。世の中も、メディアの現場もどんどん動き、環境が変わっています。だから、企業の広報も変わらないと置いて行かれますからね。

過去の成功体験という殻を破って、積極的に変わりながら、新しい挑戦を続けていきましょう。

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