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「意外性」を創造する

大手マンションメーカー広報15年、地方の小さなPR会社経営16年のPRプランナーが中小企業の広報PRに役立つ情報を発信しています。

■意外性こそがニュース

報道の世界でよく聞く言葉に「犬が人を噛んでもニュースにならないが、人が犬を噛んだらニュースになる」というのがあります。
犬が人を噛むのは当たり前(※)。逆に、犬を噛んでいる人間は見たことがない。一般人の常識の外にあること=意外性がニュースの基本であるということです。

徳島県の山間のまち、上勝町のおばあちゃんたちが、山にあるモミジや柿の葉っぱを売って儲けているというニュースはもう日本中に知れ渡っていますね。この場合、「山の木の葉が売り物になる」という事実や「おばあちゃん
がパソコンを駆使している」という様子、「過疎一辺倒の町に若者が集まっている」という現象。これらすべてが「ありえへん!」の塊りだったのです。
上勝町は「田舎ならではの○○○○」と「田舎にしては○○○○」があふれていて、どんな角度で切り取っても意外な一面が見えてくる。だから何年にもわたってメディアから注目を集め、取材が絶えないんですね。

■意外性・希少性を軸にしたニュースづくり

意外性・希少性を軸にしてニュースづくりをするコツは、いくつかありまして、今日はその中からふたつご紹介します。

ひとつは、「常識ハズレをつくること」こと。
たいていの物事には、5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、どうして、どのようにするのか)がありますが、どれかを常識の反対、あるいは常識から少し外してみることです。

たとえばアイスクリーム。アイスクリームと言えば一般的なイメージとして「夏場の昼間」に「子供や女性」が「冷たさを求めて」食べるものですが、「冬期専用アイス」や「大人の男性をターゲットにしたアイス」は珍しさから、話題になりました。もし私が作るとすれば「冷たくないアイス(お腹が弱い人のための冷えないアイス)」。そのうち出てくると思いますがね。

たとえばお葬式。葬式は自分が死んだ後に、親族が仕切って行うものですが、今、元気な生前のうちに、自分がお世話になった方々を集めて自分が主催して執り行う「生前葬」が静かなブームになっています。これも「時」と「目的」を常識から外したものですね。

■いろんな切り口が可能

小さなものを大きく⇒10mの巨大かかし(高知県宿毛市)
速いものを遅く⇒日本一遅い新幹線(JR四国)
夜のものを朝に⇒朝シャンブーム
多いものを少なく⇒おひとりさま専用鍋セット
など、常識から少し外れたもの・ことを作ることで、意外性と希少価値
が生まれ、ニュース価値が生まれてきます。

■異質なものの組み合わせもニュース

次のやりかたは、「全く異質なもの・ことを組み合わせること」。これは美術や小説や映画などフィクションの世界でよく用いられる「キッチュ」とも言える手法です。

「美女と野獣」「王子と乞食」から「セーラー服と機関銃」「戦国自衛隊」
「スケバン刑事」、「ヤンキー先生」、「インテリヤクザ」、「子ども店長」「演歌のうまいアメリカ人」・・・。
「AとB」があまりに異質で、ありえない組み合わせであるほど、人々の
警戒感と集中力を高めて関心を引く
んですね。

「法律事務所とロケット技術」、「さぬきうどんとフランス料理」、「盆栽
好きなネコ」・・・。一瞬頭の中に「???」がよぎる。何だろうと思う。
実は大した中身はなくても、そのストーリーが面白ければニュースになる可能性は高いのです。

■あらゆる切り口で異質なものと組み合わせてみる

業界、素材、社員、顧客、時代、季節など、あらゆる切り口から自社の商品やサービスを異質なものと組み合わせて面白い企画ができないかと考える。
これは、ニュースづくりにとどまらず、商品や企業の差別化のアイデアをはぐくむためのエクササイズにつながります。頭の体操と思って、取り組んでみてください。

※こう書いた矢先、先週末に大阪の路上で大型犬が通行人に次々と
噛みついて怪我をさせた、という記事が出ていました。それは怪我の
程度の問題と、飼い主のモラルの問題。散歩のとき、犬はつないで
歩きましょうね。

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